この不思議な文字は、白川静先生の漢字暦に掲載されている、「言葉」とか、「言語」とか、「言う」という時に使う「言」という文字の甲骨文(亀の甲羅などに刻まれた最古の文字)です。
下半分の文字Uの字が「口」の原型で、これを「はり」と読む。口の上に「辛」(しん)という文字を組み合わせて「言」という文字が成立しているらしい。
「口」は、神に祈るときの祝詞(のりと)を入れる器を意味し、その上に「辛」を書くということは、もし神に告げる言葉に不信のことがあれば、この辛器で刺青の刑を受ける覚悟があるという意味だそうです。
「言」という文字には、言葉の呪能を通じて他者に積極的にはたらきかける、時には攻撃的な意味を含んでいるといわれている、そうです。
言葉とは、かくも厳しい意味を含んでいるのですね。日本語の漢字の語源の形態には、たしかにそういう凄みがあるように見えるから不思議です。
言葉は大切に扱わなければ‥と、この甲骨文字を見ながら思うのです‥。
