再び玄侑宗久氏の著作について語ろう。
「禅的生活」(ちくま新書 2003年12月初版)。新書版のこの本は、ある意味一般の人々に禅の世界を分りやすく解説してくれた初めての本といえるものである。
夥しく登場してくる禅語の数々。その出典も実に様々であり、禅宗がそもそもどの経典に基づいて成立している宗派なのか分らないくらいだが、それでも、一つひとつの言葉は、私の心の奥にまで、静かに染み渡っていく。
その中でも「一切唯心造」という言葉が、今の私の心情に響いている。
新訳「華厳経」の中の言葉らしいのだが、「一切はただ心が造るもの」という意味らしい。私の解釈では、自分の身の回りで起こることは、すべて自分の心が造りだすものという意味と捉えている。ビジネスの世界では、発生している問題を自分の中から発生している問題として捉えることが大切だと捉えている。
テレワークという遠隔で仕事をするワークスタイルは、コラボレーションする相手とどのようにコミュニケーションをとっていくかが、最も重要になっている。(尤も顔を合わせて話しているからといって、コミュニケーションが円滑に行くとは限らない)
考えていることの温度差を、相手の責任にするのではなく、自らの説明が足りないと思うだけで、何故か不思議に心が落ち着くのだ。