Earthquake :地震

 

別の話題でニュースが絶えない中東で、こんどは地震のニュースです。

 

イラン・イラク国境のM7.3地震、2017年で最多の死傷者に」(BBC NEWS JAPAN)

 

移動が難しい国境付近、しかもイラン・イラク戦争の時の大きな戦渦の後の復興地域で、

更には内政問題になっているクルド人自治区、と言う、移動手段が限られているために

救援の遅れが二次災害を容易に起こしそうな領域でもあるのです。

(イラク側と同様、イラン側も、クルド人が多い地域なのです。)

 

USGSで情報を入手してみると:

 

今回に限らずニュースでときど出てくるUSGSアメリカ地質調査所)、実は全世界の

地震情報を網羅しています。トップページにあるLatest Earthquakesをクリックすると、

米国の地図が表示されます。右上に出てくる「Zoom to」からプルダウンすると、その

一番下に「World」というのがありますので、それを選ぶと、範囲が全世界になります。

 

赤線で示されているのは主なプレートの境界です。日本付近では4つのプレートの

境界が集まっているのが判ると思います。〇で示されているのは各個の地震で、

24時間以内に発生したM2.5以上の地震が示されています。

 

今回の本震の震源付近を、自動更新、過去30日間、M2.5以上に条件変更して表示させると

こんな感じになります。(このまま放置すれば、自動で更新されて行きます。)

赤線はプレート境界(構造線)を示しています。本震以降M2.5以上(実際にはM4.0以上)の

余震が、表示された時点で16回、ほぼ国境に沿った南側で発生しているのが判ります。

 

同様の範囲をGoogle Mapで表示させる:こんな感じに見えます(Google Map)

Darbandikhan Damから南側の少し色の濃い領域が、震源域の分布とほぼ一致しています。

マーカーの位置にあるのは本震の震源に近いDarbandikhan Dam(ニュース中に動画あり。)

 

北西にあるのがDukan Dam、その南側から南東方向に向かって褶曲山脈が延びており、

それがプレート境界(構造線)とみなされています。褶曲山脈の南側には弧を描くように

盆地(低地)があり、Darbandikhan Damの南側でこんどは90度向きを変えて、国境地帯

になっている峡谷および山地を構成しており、余震が最も多く発生しているSarpol-e Zahab

のあたりからは再び南東に向かって幾重もの褶曲地形が続いています。

 

南西にあるのはLake Hamrinで、Darbandikhan DamからのSirwan/Diyala川は、ここを

経由して、更に南側の首都Baghdad付近でTigris川に合流しています。

(この2つのダム間では、褶曲による低地に川が出来ていると考えられます。)

 

震源域をさらに拡大させてみると:こんな感じ(Google Map)

以上から、今回の震源域は、この河川や山並みが南北方向に向かっている部分にある

(2本以上の断層を含む)断層帯に起因していると考えられます。

 

お見舞いメッセージだけ?:

 

さて、この両国が東日本大震災のときに対応してくれたのに対して、いまのところ、

日本政府はこんな対応をしています。

 

・イラン:イラン赤新月社から5人組の救援チームを派遣、缶詰5万個を提供。

→13日に日本の外務大臣からイランの外務大臣に向けてお見舞いメッセージを発出

→14日に日本の総理大臣からイランの大統領に向けてお見舞いメッセージを発出

 

・イラク:支援の申し出。

→13日に日本の外務大臣からイラクの外務大臣に向けてお見舞いメッセージを発出

→14日に日本の総理大臣からイラクの大統領に向けてお見舞いメッセージを発出

 

早急な対応が出来ないので「とりあえずテンプレート」という意思の表れでしょうか。

まぁ、お見舞いメッセージの中で支援の申し出をしただけ「まし」かも知れませんが。

 

(追記)

 

この記事を書いたすぐ後に、韓国で観測史上2番目という地震が起きちゃいました。

 

韓国南東部でM5.4、39人負傷=観測史上2番目の規模」(時事通信)

 

これに対応したUSGS Mapはこちら、Google Mapはこちら、です。

規模の大きい余震はまだ1回(M4.7)しか発生していない様です。

地震に慣れていない国なので、反応も被害も日本より大き目です。

(韓国版新幹線のKTXの駅では、屋根の一部が崩落した様です。)

 

ここの空港には軍用のヘリコプターが多数あるので、これがもし

日本であれば、それなりに災害対応は早そうです。

 

(追記)

 

このエリアにある大規模な施設として、まだ出来たばかりの放射光加速器

PAL-XFELがあります。左はGoogle Map、右は公式サイトの説明図

加速器部分だけで780m、付帯施設を含めれば全長1km以上になる長大な

施設なのですが、今回の地震では撓む方向に強い力を受けているはずです。

高精度を要求される設備なので、影響なしという訳には行かないでしょうね。

(いまのところ、公式サイトで被害報告はありませんが、どうなんでしょう。)

 

(以上)