SS-520-5:ギネス級の小型軌道ロケット
2018/02/03に超小型衛星「たすき」(TRICOM-1R)の軌道投入に成功したSS-520 5号機が、
ギネスに「最小の軌道ロケット」として認定されました。これまでの記録は「1970/02/11に
「おおすみ」を軌道に投入したL-4S 5号機」で、実に48年ぶりに更新されたことになります。
「世界最小ロケット、ギネス認定=2月に衛星打ち上げ成功-JAXA」(Jiji)
「SS-520 5号機がギネス世界記録(R)に認定されました」(JAXA)
「Smallest orbital rocket」(Guiness world records)
SS-520 4号機 (JAXA) SS-520 5号機 (JAXA)
記録されているのは「SS-520-5,JAXA 全長9.54m 直径0.52m 内之浦,日本 2018/02/03」。
重量は2,600Kg、ペイロードのTRICOM-1Rは10cm×10cm×30cm(CubeSat)で、重量は3Kg。
SS-520 4号機 (JAXA) TRICOM-1R (東京大学工学部)
前回の4号機は軽量化の際の複数個所の素材選択ミス等の複合要因で20秒で中断、
今回はそれらを改善したもので、奇しくも48年前と同じく5号機での成功になりました。
L-4S (Momotarou2012/Wikimedia Commons) おおすみ (JAXA)
おもな小型ロケットの大きさの比較:
名称(国名):全長/直径/重量/到達高度/ペイロード/用途
SS-520(日本):9.65m/0.52m/2.6t/140Kg/小型衛星打ち上げ用
L-4S(日本):16.5m/0.735m/9.4t/26Kg/小型衛星打ち上げ用
MOMO(日本):9.9m/0.507m/1t/20Kg/観測ロケット(2018夏以降 MOMO2予定(twitter))
Vector-R(米国):12m/1.2m/5t/65Kg/小型衛星打ち上げ用(2018年内予定)
Black Brant X(カナダ):14.5m/0.44m/2.6t/90Kg/観測ロケット(XIIで衛星用予定)
Haas 2C(ルーマニア):18m/1.2m/16t/400Kg/衛星打ち上げ用(XPRIZE月面探査:棄権)
RPS-420(インドネシア):9.5m/0.42m/1t/50Kg/小型衛星打ち上げ用(テストのみ)
Electron(ニュージーランド):17m/1.2m/10.5t/110Kg/小型衛星打ち上げ用
参考値:(国によっては軍用との境界があいまいです。)(軍用は弾頭重量)
DF-4(中国):28.05m/2.25m/82t/2,200Kg/IRBM # 东风-4 衛星打ち上げ用はCZ-1
CZ-1(中国):29.86m/2.25m/81.57t/300Kg/衛星打ち上げ用 # 长征一号 东方红一号
DF-21(中国):10.7m/1.4m/14.7t/600Kg/MRBM # 东风-21 衛星打ち上げ用はKT-1
KT-1(中国):18m/2m/20t/100Kg/小型衛星打ち上げ用(失敗2回の後ASATに転用)
R-17(旧ソ連):11.25m/0.88m/5.9t/985Kg/TBM # スカッドB 各国に亜種多数
火星7号(北朝鮮):16m/1.35m/16.25t/650-1,200Kg/MRBM # ノドン(スカッドの北朝鮮版)
銀河2号(北朝鮮):30m/2.2m/80t/100Kg/人工衛星打ち上げ用(失敗)ICBM実験用
MIM-104(米国):5.8m/0.41m/0.7t/90Kg/SAM # ペトリオット
(以上)