深夜までやる気が出ないことはしばしばだが、雨の日は決まって身体が重い。やっとのこさ椅子に座り、制作を始める。始めてしまえば5分10分と時間が過ぎるのだが、始めるまでが大変だ。スピーカーで作業をすると雨の音が小気味よく屋根を叩いて、別のインスピレーションが浮かぶ。それはそれでいいのだが、今日はもう仕上げ作業なのだ。煙草を一本吸い終わり、僕はヘッドフォンをした。ヘッドフォンをつけて作業するとギターを持ち替えたり、思いついたメロディをすぐ録音するための移動が億劫になるので僕は基本的にスピーカーで作業をする。新幹線移動の時はヘッドフォンで仕事をするが、何となく気分が上がらない。でも今日は驚くほどに没入できた。怪我の功名と言ったところだ。でもスピカーで聴き直すと、結構違うニュアンスで音が聞こえてくる。そして直す。
でもここで気づいた。どっちが正しいんだろう。スピーカーはかなり高性能なメーカーのものを使っていて、それ故の信頼がある。ヘッドフォンはそれなりにオーディオにこだわりのある方なら手の出せるものだ。最高の音を届ける為にかなりの時間を費やしているつもりだが、果たしてそれは正解なのか?あっという間に歳をとり、人生のスイートスポットが通り過ぎていくことを想像すると、できるだけ多くの曲を届けたい気持ちが僕にはある。完全に一人でモノづくりをするので(楽器はコラボレーションすることが多々あるがミックスは僕がやる)そこの裁量は僕次第というわけだ。
雨が降らなきゃこんなこと考えなかったし、雨が降らなきゃ6時間で終わるような作業じゃなかった。雨に感謝して、今日はもう眠ることにする。少し肌寒い空気が気持ちいいのですぐに眠れそうだ。