朝少し雨が降っていたが、午後になると雲は多いものの、時折太陽の光が差し込む天候。気温は20℃近くで暖かく、もう春の陽気だ。


しかし松本城周辺はまだ桜が咲いていない。やはり桜が咲かないと春が来たという感じが しない。


この陽気につられ松本城の南側を流れる女鳥羽川(めとばがわ)沿いを散歩していると、どこからか甘い薫りが春のそよ風にのって漂ってきた


花の薫り似ているが、それではない。もっと濃厚であり、どこか懐かしい匂いだ。



女鳥羽川沿いにあるナワテ通りに近づくにつれて、その匂いが強くなる。



てくてく歩いていくと・・・・。 そしてナワテ通りに入ると、いつになく多くの人が集まっている。この狭い通りに100人くらいの人がおり、友人同士でおしゃべりをしつつ、ぐい呑みを手にし、飲みものを口に運んでいる(左写真)。


この飲んでいるものが、女鳥羽川沿いに漂っていた甘い匂いのもとである。


ぐい呑みで飲むものといえば、そうそれは日本酒だ。


今日4月9日の昼2時~5時の間、ナワテ通りで、ここにある八つのお店と松本周辺の九つの酒蔵が協力したイベントがおこなわれていた。


1000円でぐい呑みを購入すれば、このイベントに参加している酒蔵のお酒が飲み放題で楽しめるというもの。またこのぐい呑み代は東日本大震災の義援金として寄付される。


松本周辺の地酒を飲むイベントは、この時期毎年駅前にある花時計公園で開かれていたが、今回の大震災で自粛し一回中止に決まっていたが、ナワテ通りにある「みたから」のご主人海野直人さんを中心とする関係者の努力で、この場所で急遽開催することになったようだ。


みたからさんは、地酒とともに手打ちうどん・ジビエが楽しめるお店です。

お店ブログはhttp://profile.ameba.jp/teisyokumatu/


てくてく歩いていくと・・・・。


てくてく歩いていくと・・・・。

居酒屋「ちくま」の前で地酒「大信州」が振る舞われる(上写真)。




各店舗の前には酒蔵のブースが設けられており、そこでぐい呑みを購入した人はお酒をついでもらっていた。


ブースの周りはぐい呑みを持った人が列をなし、混雑していた。観光客ももちろん多いが、自分が知った顔もおり、地元の人もこのイベントを楽しんでいる。


皆それぞれのブースをはしごをし、利き酒をしながら、ゆっくりとお酒を飲んでいた。また鯛焼きやたこ焼き等を売っている店も盛況で、これらのものを酒のつまみにしていた。


酒蔵のブースで「お水をお飲み下さい」という声をかけて、水も提供しており、お客の体に気を使う配慮もなされていた。しかしこんなことはおかまいなしでお酒を飲み泥酔している人チラホラ。他人に迷惑をかけるという感じではないが。


てくてく歩いていくと・・・・。 友人同士で座り込んでお酒を飲んでいる。陽光が降り注ぐ中気持ち良さそう(左写真)。


これで歌を手を叩いてうたいだせば、宴会という感じであるが、そんな人はいなかった。松本にくる観光客も地元民も行儀がよい。

個人的にはそこが少しものたりないような。



日本酒をはじめ、お酒には特別の魔法があると思っている。上下の関係をなくし、人と人の間の壁をなくすというものだ。だからおしゃべりがはずむし、時にはケンカもする。そして皆と一緒で歌だってうたいたくなる。そしてその時、粗相をしてもその場限りですまされるということも魔法の効果だ。


お酒をセーブして他人に迷惑かけず飲むというのがマナーであるが、それを多少くずしても特別な時や場所ではいいのではないかと思う。伝統的な祭りはその典型だ。地元民も外部からの人も振る舞い酒を飲みながらまじりあい混沌とした怪しげな雰囲気をつくっていく。そして人々はここで欲望を発散する。


伝統的な祭りと同じように、友達などが集まる会合、男女の合コン、地域のさまざまイベントなども特別な時や場所であるといえるが、しかその場にお酒がなければならない。そこでお酒を皆で飲むすすめることで特別な時や場所になっていく。逆にいえばお酒を酩酊するほど飲まなければ、特別な時や場所が成立しないこととなる。


とは言いつつも、こんな日本的な伝統はお酒を飲めない人には勘弁という感じであろう。私も実は日本酒は苦手である。飲めないことはないが、体調が悪いとすぐ頭が痛くなり、二日酔いもひどい。ということで、このナワテ通りのイベントでぐい呑みを買って、日本酒を飲むということはしなかった。




日本酒の薫りがたちこめるナワテ通りをあとにし、松本城の桜の様子を見にいった。そうするとつぼみから花びらをのぞかし、もうすぐにでも咲きそうな様子であった(下写真2枚とも松本城北外堀の桜)。


桜を見ると、そこでお酒を飲みたくなるという人は多いのではないか。だから皆桜の木の下で花見の席を設けてお酒を飲む。それは桜にもお酒と同じように特別な時や空間をつくる力があるためだ。


ただそこにお酒が必ずしもなければならないということはない。お酒を飲まなくても満開時の桜を見ているだけ長時間何も考えずにいられ、まるでお酒を飲んだように心地良い気分になるからだ。桜にはお酒を凌駕するパワーを感じられてならない。


てくてく歩いていくと・・・・。



てくてく歩いていくと・・・・。

てくてく歩いていくと・・・・。


今、松本駅前を歩くと、三つ編み、セーラー服姿の井上真央のポスターを多く目にする。上の写真は松本駅に貼ってあったポスターだ。



次の月曜日からNHK朝の連続小説で「おひさま」が放映され、主人公は井上真央が演じる。ひまわりは、松本とお隣の安曇野が舞台となる物語であることから、松本市は市をあげてPRしている。そのことで観光客数を増やし、地域経済の活性化につなげようとしている。



井上真央演じる主人公は大人に成長してから小学校教師になり、そして松本の老舗そば屋に嫁ぐこととなる。詳しくはこちらhttp://www.nhk.or.jp/ohisama/intro/story.html



そばがドラマの重要な要素になるようだから、安曇野・松本のそばを食べ歩く観光客が増えるのだろう。しっかりしたつくりで平均点は高いお店は多いが、そばの値段が1000円近くと高いのが個人的には気にくわないところ。讃岐うどんみたいに300円程度だったらはしごして楽しめるのだが。製法が違うのだからしょうがないか。



日本銀行松本支店によると、このドラマによる長野県内の経済効果は73億円にのぼるという。この数字は観光客が消費する金額の増加額だ。但しこの経済効果は過去のデータに基づいたものであり、東日本大震災の影響は考慮されていない(参照 「市民タイムス」2011年4月2日付)。




てくてく歩いていくと・・・・。
松本駅東口入り口に、おひさまを宣伝する幕が吊るされている。








てくてく歩いていくと・・・・。

駅前の商店街は、垂れ幕でおひさまをPR。







てくてく歩いていくと・・・・。
おひさまの横にある垂れ幕は松本のサッカーチームの「松本山雅FC」のもの。




松本山雅FCは現在JFLで戦っているチームで、今シーズン好成績をあげ、Jリーグ加盟を目指している。



東日本大震災の影響で、観光客が減り、そして地元の人もあまりお金を落とさなくなっている。私の知り合いの居酒屋から、3月下旬で20組100人の予約キャンセルがあったという嘆き節を聞いた。




このような雰囲気のまま、例年なら多くの観光客が松本に来る桜の季節を迎えるのだろうか?




おひさまパワーで多くの人が、少しでも陽気な気分になって、桜の季節を迎えられればと思う。





てくてく歩いていくと・・・・。

旧開智学校の桜のつぼみ。大分大きくなってきました。






てくてく歩いていくと・・・・。

今はこんな具合であるが、桜の季節を迎えると・・・・・・









てくてく歩いていくと・・・・。

2010年4月13日撮影









てくてく歩いていくと・・・・。

2010年4月13日撮影




桜の季節はこのベンチに腰掛けて、春風を感じながら図書館から借りた本を読むのがつい日課になる。市立図書館が隣接しているのがうれしい。




春の陽気で気持ちよくなり、そのままベンチで横になって寝てしまう。スーツ姿の中年男性がベンチで昼から寝ていたら怪しいですよね。今年は気をつけねば。

松本城の北側に、明治6年(1873)に建てられ、小学校として長い間使用されてきた「旧開智学校」がある(下写真)。

http://youkoso.city.matsumoto.nagano.jp/wordpress+index.p+193.htm


てくてく歩いていくと・・・・。
松本城が、松本の王様的存在だとすると、こちらは女王様といった感じか。気品さを感じる擬洋風建築だ。







この旧開智学校の隣にひっそりと存在するのが「旧司祭館」だ(下写真)。

てくてく歩いていくと・・・・。
旧司祭館は、明治22年(1889)松本カトリック教会神父クレマン(フランス人)により、旧藩政時の武家屋敷跡地(松本市丸の内9番32号)に建築された西洋館である。アーリーアメリカン風の建築様式を伝え、各部屋には暖炉を配し、1・2階ともベランダを備え、外壁に下見板張りを施している。


近年の都市計画街路拡幅事業に際し、この建物の再配置が必要になり、松本カトリック教会は当初取り壊しを予定していたが、文化財としての価値があるという判断をし、平成元年(1989)に松本市に寄贈した。その後解体復原というかたちで、平成3年(1991)に現場所の移転した。

(参照http://www.geocities.jp/bane2161/kyuusisaikan.htm


てくてく歩いていくと・・・・。 装飾を抑えた、実用的な感じがする建物だ。


空色の壁の色と、窓枠の淡い緑色、基礎部分や煙突に使われているレンガの茶色。その色のコントラストが、かわいらしく、そして温かみを感じさせる。


田舎の素朴な雰囲気をもつ、三つ編み姿の娘さんっていう印象。









てくてく歩いていくと・・・・。 レンガの煙突。










てくてく歩いていくと・・・・。

レンガでつくられた基礎部分。










この司祭館に、今移転計画が関係者によって話し合われているようだ。

3月31日の信州毎月新聞(朝刊)によると


松本市役所とJR東日本の幹部が、松本市内の高級料亭「魚千」(松本市大手2丁目)で今年に入ってから数回極秘理に会い、現松本駅を取り壊し、その後に「旧司祭館」(松本市開智2丁目)を移転し駅舎として利用する計画が話し合われていたということが、旧司祭館の管理者である松本市教育委員会関係者への取材から判明した。


以前から松本駅が、観光客からのアンケートで、どこにもあるようなつくりで特徴がないという意見が多く寄せれており、それに対して観光都市松本を目指す松本の管野谷明市長は、松本駅改築を前提とするプロジェクトチームをJR東日本職員と市職員で3年前の2009年からつくり、10回をこえる会議をおこなってきた。それを踏まえプロジェクトチームは、旧司祭館を駅舎にという提言をまとめた報告書を市長に提出した。これをもとに、今年に入ってから数回、松本市内の高級料亭「魚千」で市役所とJR東日本の双方の幹部が、旧司祭館の駅舎利用を議題に極秘理な会合をしていた。


現在この計画は最終調整の段階であると考えられ、近日のうちに“管野谷ビジョン”として市長自ら発表するものと思われる。直接影響を受ける駅ビル商店をはじめ松本市民に全く説明がないまま、計画案を発表しようとする管野谷市長の行動は今後波紋をよびそうである。なお松本駅をJRとともに共同利用しているアルピコ交通は、本社取材に対して、「現段階では何ともいえない」というコメントを広報を通して述べている。



松本市民の声

綾瀬 愛さん(40歳・女性・会社員)

「駅が狭くなって、混乱するのが心配です。それが理由で電車の本数が減ったら困ります」


菊地 勝さん(22歳・男性・学生)

「司祭館が開智学校の隣にあるためか、地味に見えて、中に入ってもオルガンとかいったものがあるだけで、つまらなかった。いい建物だとは思うので、駅という利用の仕方はありだと思う」


姫崎 ユカさん(35歳・女性・自営業)

「駅舎を変えただけで観光イメージが変わるとは思わない。しかしこれをきっかけにマチ全体をどうしようという議論が盛り上がればいい」


柴崎 兼さん(63歳・男性・アルバイト)

「観光を考えるより、今実際に住んでいる人々の生活のことを考えるべき。政策の優先順位がなってない」


相田 恭子さん(56歳・女性・会社役員)

「観光に力を入れることは、松本の経済を底上げすることにつながると思うので賛成ですが、1日何千人もの人が利用する駅に司教館は小さすぎる気がする。正面の入り口の部分だけこの建物を使って左右奥にそれにあわせたデザインのビルを作って、これらを連結して、テナントとかもおくような駅ならおもしろい」


てくてく歩いていくと・・・・。

解体計画が発表される予定の松本駅(東口側)



上記の引用記事は全部ウソです。

内容はもちろん、そもそも信州毎月新聞という新聞はありません。信州人の多くの人が購読している新聞は「信濃毎日新聞」です。


今日4月1日はエイプリルフールですので、笑って許して下さい。


たまにはこういう妄想も楽しいものです。「虚構新聞」ていうサイトありますよね。結構好きでチェックしています。
http://kyoko-np.net/


旧司祭館は、現在無料で内部が見学できるが、この建物で使われていた調度品が少し置かれているぐらいで、建築に興味がない人が見てもおもしろくないと思う。駅にするというのは、かなり飛んだ話しであるが、これを現在に生きた形で利用する方法を考えた方がいいと思っている(イベントとかではなく常時)。例えばレストラン・喫茶店とか・・・・。モノは見るものではなく、使うからこそ、モノは輝く。そのようなモノの対して人間は愛着をもち、大切にしようという気持ちを生むのではないだろうか。


てくてく歩いていくと・・・・。

利用方法うんぬんの前にとりあえず、旧司祭館正面にある電柱をどうにかしてほしい。文化財に対するリスペクトが感じられない(残念)。



てくてく歩いていくと・・・・。 話しは変わるが、旧司祭館の脇にある木の上に鳥の巣を発見。

かなり大きい。どんな鳥の巣なのかな?














てくてく歩いていくと・・・・。