前回からの続き



北松本駅近くに、昨年11月にオープンした「純喫茶ピーナッツ」という名の真新しい喫茶店がある。


「コーヒーはブレンドコーヒーをお出ししているのですけど、今、はやっているようなすっきりした味のコーヒーではないんですよ。少し酸味があります。だってそういうものの方が、昔ながらの純喫茶がだすコーヒーという感じがしませんか?」


とにこやかに語るのは、このお店の女性店主であるよっちゃん(愛称)。



てくてく歩いていくと・・・・。 コーヒーは注文が入るたびに、豆を挽き、それをハンドドリップで1杯1杯つくっている。コーヒーの薫りが心地よい。


コーヒーはじめ飲み物を注文するとついてくるのは、手作りクッキーとピーナッツ。


学生時代にいた名古屋の純喫茶でこのようなものが必ずコーヒーについてきたので、それを参考にしたらしい。


ちなみにピーナッツという店名は、“一応”このようなサービスにちなんでいるようだ。しかし正確には、ピーナッツという語感のよさからであるようだ。


「ピーナッツていう名前の理由は・・・私双子なんですよ(笑)。っていうことではなくて。私双子じゃありませんしね。


おまけにつけているピーナッツにちなんでいることはありますが、この言葉の感じが個人的に好きなんですよ。


お店を開店する前に周りの人から色々アドバイスをもらいましたが、“純喫茶よしこ(本名)”とか“純喫茶よっちゃん”なんていうアイディアもあったんですよ。それじゃあおかしいですよね(笑)」



■ピーナッツの“純喫茶”メニュー

ピーナッツで出すコーヒーから分かるように、よっちゃんは純喫茶らしさということにこだわりをもちながらお店づくりをしている。それが反映してこのお店のメニューには純喫茶ならではといったものが揃っている。そのいくつかを紹介したい。




てくてく歩いていくと・・・・。

「ウィンナーコーヒー」 ¥450


淹れたてコーヒーの上にたっぷりとホイップクリームが浮かんでいる。ウィンナーコーヒーとは、ウィーンのコーヒーという意味であるが、オーストリアのウィーンでウィンナーコーヒーといっても通用しないし、このようなコーヒーがよく飲まれるということもないらしい。日本の喫茶店文化がつくりだした一品である。



てくてく歩いていくと・・・・。 「ケーキセット」 ¥650


ケーキかティラミスと、好みの飲み物がついたセット。


写真のケーキは、ガトーショコラだが、日替わりでかわる。よっちゃんの友人の手作り。


個人的に気に入ったケーキは、マロンロールケーキ。栗がなかにゴロゴロ入っていたことに感動。


ちなみにケーキは「本日のケーキ」として、¥350で単品でも楽しめる。


奥に写っているホットコーヒーは¥420。おかわりすると¥200になり、お得。思わず長居したくなる。




てくてく歩いていくと・・・・。 「レモンスカッシュ」 ¥300


レモンをその場でしぼってくれる。注文に応じてダブル・トリプルもできる。トリプルはかなりすっぱいが、是非チャレンジを。すっぱすぎる場合はガムシロップで調整する。


このレモンスカッシュのファンは多く、今やピーナッツの人気メニューである。












てくてく歩いていくと・・・・。

「ナポリタン」 ¥650


純喫茶の定番中の定番メニュー。イタリアのナポリにはない、日本でホテルや洋食屋で広まったメニュー。トマトケチャップがからまったパスタのもっちり感に懐かしさを感じるのは私だけだろうか。


軽食メニューの中で一番の人気メニュー。


なお以下で紹介する軽食には全てミニサラダがつく。



てくてく歩いていくと・・・・。

「オムライス」  ¥650


これも日本の洋食屋が考案したもので、喫茶店の定番メニュー。ケチャップで味付けして炒めたチキンライスに、ふんわりとした卵焼きがのっている。そしてその上にはたっぷりとケチャップがかけてある。


これまた子どもの頃に大好きだった懐かしいメニューの一つで、童心に戻りガツガツ思わず食べてしまう。




てくてく歩いていくと・・・・。

「カレーライス」 ¥650


ちょっと甘めのカレーで、誰でも食べられ、食べあきがしない味付け。写真のものはひき肉がたくさん入っているが、いつもこのようなカレーという訳ではない。入っている具財はその日によって異なり、注文してからのお楽しみである。


カレー好きということもあり、私個人が一番注文する軽食メニュー。



あと軽食メニューには、「ハンバーグ定食」や「日替わり定食」がある。いずれも¥650。日替わり定食は、ポークソテー定食や煮魚定食など。日によって異なり数量も限定。


軽食メニューは昼11時30分から楽しめることができるが、何時迄という限定がない。それなので食材さえあれば、夕方6時といった遅い時間であっても注文可能。日替わり定食も同様であるので、それを夕食にすることもできる。




てくてく歩いていくと・・・・。

「モーニングセット」 ¥300~   


ピーナッツでは朝7時~10時30分迄の限定で、モーニングサービスをしている。これはその時間帯でのメニュー。


飲み物を注文するだけで、無料で半トースト・ゆで卵・サラダがついてくるというセットだ。全ての飲み物が対象なので、一番値段が安い¥300のミルクやトマトジュースでもこれだけのものがついてくる。お得感があるセットだ。





てくてく歩いていくと・・・・。

「ピザトースト」  ¥350


たまねぎ・きのこ・ハムといった具財がたくさんのっていて、ボリューム感がある。空腹であってもこれだけでお腹がたまるといった感じだ。


このピザトーストで使用しているパンはよっちゃんが自分でつくっている。しっかりと小麦の風味を感じることができ、食べるとふわっとした柔らかさがあるものだ。


ピザトーストのほかにパンメニューはトースト(¥180)、小倉トースト(¥350)、ハニートースト(¥350)といったものがある。


いずれもモーニングサービスメニューであり、これらと一緒に飲み物を注文すると100円割引になる。






ピーナッツのメニューは、純喫茶の定番というものがほとんどであり、これっていう特徴的なものはないし、特におしゃれという感じもしない。またコーヒーも何種類とあるわけではなくブレンドコーヒーだけをメニューにのせている。


しかしそれがいいのである。


定番のメニューとされているものは、いずれも食べあきない、気軽に食べられるものである。またコーヒーが何種類もあっても、結局いつも飲んでいるものは同じではないだろうか。


純喫茶と呼ばれる場所は、まずゆっくりとくつろげる空間でなければならない。それをお客は求めている。


別に食べることだけ、コーヒー等を飲んだり、タバコを吸うことだけを目的としてお客さんがくるわけでないだろう。だからメニューにそれほどこだわる必要はない。


逆にこの定番メニューに親しみとか身近さを感じて好感がもてる。特に気取らずに、これといった理由もなくお店にいける感じがするからだ。


「何気に来たいと思ったときに、気軽に来れる場所にしたい」とよっちゃんが語っていたことを思い出した。そのような気持ちがメニューに反映しているのだろう。


もちろん、彼女一人でお店を切り盛りしなければいけないので、限定したメニューしか出せないという理由もあると思うが。


といっても、よっちゃんはその定番のものを丁寧につくり、お客にできるだけおいしいものを食べてもらおうとしている。カウンターの中の厨房でキビキビと一品一品つくっている姿を見るとそれを感じることができる。


昼、軽食メニューが重なり忙しくなるが、そういう時ぐらい、つくり置きのコーヒーを出せばいいと思うが、そういうことはせず、よっちゃんは、注文されるたびにコーヒーをハンドドリップで一杯一杯つくっている




■やさしさに包まれたなら♪

てくてく歩いていくと・・・・。
前述したように、ピーナッツのメニューは親しみやすさと身近さがある。また前回のブログの中でピーナッツのお店の雰囲気が開放的であるということを書いた。


この“親しみやすさ” “身近さ” “開放的”というのは、私のよっちゃんに対する印象に重なる。


これに付け加えるとしたら、純喫茶にこだわる“がんこさ”ということになるが、よっちゃんをみていると意固地な感じはしない。人に強要したりはせず、そうは思わせない、“さりげないがんこさ”といった方が正しい。


そんなよっちゃんの人柄のためか、ピーナッツに来る客層は幅広い。


よっちゃんの年齢に近い20代後半~30代にかけてのお客が多い感じはするが、それ以外の年齢層のお客も多い。男女を問わず、職種もさまざまな10代~70代にいたるまでのお客がこの店を利用している。そして近くにアパートやマンションがあるため比較的独身者のお客が多い傾向があるようだが、土・日になると子どもづれの夫婦の姿が多く見られる。


お店をたずねるたびに、多くのお客にピーナッツというお店とよっちゃんは、愛されているのだなと感じる。


「よっちゃん、トマト多くできたから食べてよ」とか、「この前話題にした本持ってきたよ」とか言って、何かおみやげをよっちゃんに持ってくる人が多い。訊くと、お店に置いてあるマンガや本などの多くがお客からのモノであるようだ。


もちろん家族からも愛されている。


前回ブログで述べたように、弟のチン太さんはお店のロゴデザインをし、看板の制作もしている。そして妹はお店が忙しい時は手伝いにきているし、お母さんは開店前の早朝に店内の掃除をし、買出しの手助けもしている。それぞれ仕事があるのに、無償でよっちゃんを助けている。


ピーナッツに来る多くが、よっちゃんを応援しようと思う、やさしい気持ちをもった人達なのだろう。




閉店も近い、夜6時頃カウンターでコーヒーを飲みながら、読書をしていた時に、ふと荒井由美がうたった「やさしさに包まれたなら」の曲のイメージが、ピーナッツにはぴったりだと思った。ジブリアニメ「魔女の宅急便」で主題歌にもなったあの歌である。


荒井由美 オリジナルバージョン

http://www.dailymotion.com/video/x557lj_yyyy-yyyyyyyyyyy_music


植村花菜 カバーバージョン

http://www.youtube.com/watch?v=KWPGPBa8GM8

(植村花菜ちゃんが、しっとり情感をこめて歌っています。8mmフィルムを部分的に使用した映像もすばらしいです)

 


てくてく歩いていくと・・・・。

「やさしさに包まれたなら」


作詞 荒井由美

作曲 荒井由美









1) 小さい頃は 神様がいて 不思議に夢を かなえてくれた  

  やさしい気持ちで 目覚めた朝は 大人になっても 奇蹟は起こるよ

  カーテンを開いて 静かな木漏れ陽の
  やさしさに包まれたなら きっと
  目に写る全てのことは メッセージ


(2) 小さい頃は 神様がいて 毎日愛を 届けてくれた
  心の奥に しまい忘れた 大切な箱 開くときは今

  雨上がりの庭で くちなしの香りの
  やさしさに包まれたなら きっと
  目に写る全てのことは メッセージ

  カーテンを開いて 静かな木漏れ陽の

  やさしさに包まれたなら きっと
  目に写る全てのことは メッセージ


漠然とずっと思っていた喫茶店をつくるという夢をかなえるという奇蹟があり、やさしさをもったさまざまな人達がつどい、多くの思い出を残していき、目に写る全てのことはメッセージと感じるようなお店を、今よっちゃんはつくりあげている。


「魔女の宅急便」は、ヒロイン キキちゃんが親元から離れて、さまざまな人達の出会いがあり、その人達のサポートをうけながら一人で宅急便をはじめるという話しである。そんなキキちゃんとよっちゃんの姿がだぶる。


でも、キキちゃんは魔法使いで、ホウキで空を飛べることができるが、よっちゃんの魔法は・・・・と考えながら、カップを唇につけコーヒーを口にふくむと、カウンターの中にいたよっちゃんが、突然「キャー!!」と悲鳴。


びっくりして、コーヒーが口から飛び出しそうになるのをおさえて、周りを見た。しかし店内は私とよっちゃんだけで、見回しても怪しいものはない。それでよっちゃんに「どうしたの?」と訊ねると


「窓から店内をのぞいている人がいると思ったんですよ。でもそれ私の勘違いで、窓に写った私の顔でした」と語り、ニカッとよっちゃん特有の“じゃりんこちえちゃん”のような笑顔を恥ずかしそうに見せた。


その姿を見て、思わず声を出して笑ってしまった。



そう、よっちゃんの魔法は、その笑顔。今日もまた皆の心をやさしくする。






てくてく歩いていくと・・・・。 松本市白板「純喫茶ピーナッツ」


営業:AM7:00~PM7:00

※モーニングサービス実施!

(AM7:00~AM10:30)


定休:木曜日






てくてく歩いていくと・・・・。 住所:松本市白板1-6-10サンシャイン北松本1号

※駐車場あり


TEL:0263-88-5233


ピーナッツ&よっちゃんBLOGhttp://ameblo.jp/g01dvally/







てくてく歩いていくと・・・・。

「純喫茶っていう名前ですか~?

常連さんがいつもの席に座り、団塊世代のおじさんが苦虫つぶしたような顔をして、コーヒーを飲みながら、新聞を読んでいるっていう感じが好きで、 純喫茶っていう名前をつけました。以前学生時代にいた名古屋ではこういうお店がいっぱいありました」



■“純喫茶”ピーナッツ

知人に勧められて、私はこのお店を知った。聞けば昨年できたばかりで、まだ若い女性が経営しているという。若い子なら、「CAFE~」とおしゃれな感じの店名をづけそうでであるが、そうはせずに昭和30年代・40年代に多かった純喫茶という言葉を店名につけるとは・・・・。なんだかおもしろそうだぞと思い、北松本駅近くにある「純喫茶 ピーナッツ」に向かった。


ドアを開けると、カランコロンっという鐘の音が響く。純喫茶お約束のなつかしい音色だ。そうすると奥のカウンターの中から、店主である女性がにっこりと微笑みながら「いらっしゃいませ」の声。


店内を見回すと、手前にテーブル席におしゃべりをしている主婦の二人組。カウンターには私服の初老のおじさんと、スーツを着た30代の男性がそれぞれ新聞や本を読んでいる。私はカウンターの隅に座り、コーヒーを注文する。



てくてく歩いていくと・・・・。 カウンター内で店主は、コーヒー豆を電動のコーヒーミルに入れて豆を挽く。そして慣れた手つきで紙フィルターがセットされているドリッパーに、挽きたてのコーヒー豆を入れて、お湯をその中にゆっくりとそそでいく。しだいにコーヒーポットの中にドリップされたコーヒーがたまり、店内がコーヒーの薫りで満たされてくる。オーダーが入るたびに、その作業を丁寧にしている。


コーヒーをいただきながら、店主に話を訊く。店主は皆から“よっちゃん”という愛称で呼ばれている。


そのよっちゃんに、まず最初に訊いたことが、純喫茶という名称についてだ。その答えが文頭の発言である。


「昨年お店をオープンしたのですが、客層として考えていた団塊の世代はもうほとんど定年ですよね。少しオープンするのが遅かったという感じです。でも純喫茶という雰囲気は大事にしたいんですよ」


壁はクリーム色で、さわやかな感じ。座り心地がいい木製の椅子とちょうどいい高さのカウンターや机。壁にはラックがあり、新聞や雑誌、本・写真集などが置いてある。


コーヒーの薫りを感じながら、鞄の中から読みかけの小説を取り出し、それをいつまでも読んでいたくなるような空間だ。そこでは外の雑踏とは無縁なゆっくりとした時間が流れている。思わず長い時間いてしまう。そのことを知らせてくれるのは壁に掛けてあるレトロの振り子時計だ。一時間ごとに、時間の回数分鳴らす“ゴーンゴーン”という鐘の音が店内に響く。


純喫茶という言葉を聞いてイメージするのは何であろうか?


もともと酒が置いていなくて、女給が横で接待しない、純粋にコーヒーなどの飲料やタバコを楽しむ場所のことを純喫茶と呼んでいたという歴史がある。でもそれだけで純喫茶を説明したことにはならない。


純粋にコーヒーやタバコだけを楽しむ目的のために、純喫茶を利用している人はほぼいないだろう。一人でもの思いにふけったり、読書をしたり、執筆をしたり、友達や恋人同士の会話や出会いの場所であったり、人それぞれの目的で利用されている。つまり空間をお客さんに提供するという意味あいが純喫茶にはあるのだ。


だからこそ純喫茶は、アンティーク調の木製家具を使用したり、絵やステンドグラスを飾り内装にこだわり、そして店内に流れる音楽に気を配ったりして、何時間もいたくなるような居心地の良さを演出している。ピーナッツももちろんそうである。


純喫茶の形態で営業しているお店は、老舗のものが多く、そういう所は重厚な感じがあり、各種調度品に歴史を感じさせるような風格がある(典型的なお店は同じ松本にある「珈琲まるも 」)。そういうものは、開店してから1年もたっていないピーナッツには残念ながらない。しかしないかわりに、老舗にはもちえない、誰でも来たい時に来てゆっくりしていける、どこか開放的で身近な雰囲気がある。そういう雰囲気が、よっちゃんが理想とする純喫茶のイメージなのだろう。それは次のような、よっちゃんの言葉からもうかがい知ることができる。


「一人でも複数でも、どんな仕事をしている人でも、主婦でも、OLでも、子ども連れの夫婦でも、とにかくいろいろな人に来てほしい。そしてはじめて来店してくれたお客さんが何回もきてくれるようになると、とてもうれしいです」


また他の常連も同様であるが、私がこの店に定期的におとずれるようになってから、帰りぎわによく言われたのは「もう帰られるのですか?」という言葉である。ちょっぴり寂しげに言うので、本当にお客さんにゆっくりといてほしいのだなというよっちゃんの気持ちが伝わってくる。



てくてく歩いていくと・・・・。

座り心地がよいの椅子、食事をしたり読書をしたりするのにちょうどいい高さのカウンターや机。木製の家具・調度品が店内に配され、落ち着いた雰囲気を演出している。



てくてく歩いていくと・・・・。

よっちゃん自ら制作したカウンターにあるステンドグラス。鉄道ファンということもあり、このステンドグラスのデザインモチーフは新幹線。「入り口にある窓にもステンドグラスを飾りたいので、時間をつくってまた制作したい」とのこと。乞う期待!!また鉄道がモチーフ?


個人的には特急あずさ等に使用されていた国鉄181系 を希望。昔の列車ってかっこいいだけではなく、面がまえに愛嬌があり、そこに人間くささを感じるので好きです。




てくてく歩いていくと・・・・。 新聞各誌あり。日本経済新聞・読売新聞・信濃毎日新聞・市民タイムス・タウン情報・スポーツ報知・日刊スポーツ。


マンガ本も「ヒカルの碁」「20世紀少年」等全巻揃えで置いてある。












てくてく歩いていくと・・・・。

本・雑誌・写真集が壁面に一杯。よっちゃんが好きな雑誌の「暮らしの手帳」やもちろん鉄道雑誌も置いてある。


そして本や雑誌の間にあやしげだけど、どこかかわいらしい人形が・・・。


てくてく歩いていくと・・・・。

こういう人形を「コロン人形」というらしい。もともと、アフリカ大陸西岸にあるコートジボアールがフランスの植民地(コロニー)であった時代に土産物として現地の人々によってつくられていたもの。


ピーナッツにあるコロン人形は、よっちゃんの弟のチン太さんがつくったものだ。人形のモデルは実物の人であったり、チン太さんが描くマンガのキャラクターであったりする。上写真はマンガのキャラクターの“ゆうじ”。どんなマンガなんだろう。購入して応援しますのでピーナッツに置いておくれ。


なおチン太さんは、オリジナルコロンの作成にも応じている。是非この機会に友人の顔に似せたコロンを注文して、贈答品に!? 


チン太さんのことはこちらのブログを参考にhttp://ameblo.jp/pa-yan-0811/


是非、松本クラフトフェアに出店を。でもその前にピーナッツで個展かな。


ちなみに、ピーナッツのロゴをデザインしたり、入り口外にある木彫の看板をつくったのはチン太さんです。


ステンドグラスをつくるよっちゃん、コロンをつくるチン太さん、姉・弟とも根気があり、器用なんですね。そういう面がない私は尊敬してしまいます。



<次号につづく>
てくてく歩いていくと・・・・。

ジャズのBGMを聴きながら、お酒を楽しむお店、ジャズバー「ハーフタイム」は塩尻市の広丘駅前にある。4年前の平成19年(2007)に松本から移転している。


てくてく歩いていくと・・・・。 店主の名前は、塩原明さん。年齢は60を少しこえたくらい(左写真)。


20代の頃はプロのジャズトランペット奏者として活動をしていたという経歴がある。



サイトウキネンフェスティバルでの出来事


「松本に店があった時の思い出といえば、8月・9月のサイトウキネンの季節になると、そのメンバーが数多く来てくれたことですかね。


毎年のように来てくれたのがティモシーですね。私と同じトランペッターですから、私はブロークンな英語でしか会話できませんが、いろいろ音楽について話しをしました。またカラオケからの音を伴奏にして、一緒によくトランペットを吹きあったりもしたんですよ。


演奏したのはもちろんジャズです。ティモシーはアメリカ人ということもあってジャズは小さい頃から馴染んでおり、クラシック畑の人ですから基礎がしっかりしてますので、やっぱりジャズをやらしても上手なんです。


ジャズはいいですよね。誰でも知っているスタンダードの曲がありますから、打合せなんてなくても演奏できるし、即興のアドリブで音を通じた会話ができます。


ティモシーが来店する時は、どこで聞きつけたか、いつも来る常連以外のお客さんが大勢来て、中には普段ジャズを聴かないクラシックファンの人もいましたが、ジャズを楽しんでいました。お客さんが非常に盛り上がってくれましたので、私もティモシーもそれにのせられて何曲も演奏をしました。こういう一体感って、非常に心地がいいものです」


塩原さんが言っているティモシーとは、かってボストン交響楽団の首席トランペッターとして活躍したティモシー・モリソンのことである。スターウォーズ等の作曲で知られているジョン・ウィリアムスがお気に入りだったトランペッターとしても知られている。クラッシックファン、特にトランペットに興味がある人なら誰でも知っている世界的プレイヤーの一人である。


しかし、上には上がいるようだ。


「サイトウキネンのオペラを演奏するためにハンスが松本に来てて、ある日ティモシーが店につれてきたんですよ。ハンスもトランペッターですので、3人でジャズのスタンダードを演奏することとなり、私の即興演奏の後で、ハンスが演奏するのですが、それが上手くて上手くて・・・・。低音から高音まで、リズム感ある早いパッセージのアドリブを次から次へとを吹いたものですから、その演奏に圧倒されてしまいました。


その後ティモシーが演奏をはじめるのですが、はげた頭のてっぺんまで真っ赤にしていつも以上の演奏をしようとすんですけど、上手くいかず途中でふざけたような冗談めかした演奏をしてトランペットを吹くのを止めてしまったのです。


ハンスはオーストリア人ですから、ジャズはそれほどできないだろうとティモシーは思っていたふしがあり、トランペッターとして自分のかっこいいところをハンスに見せようとしていたのかもしれません。しかしハンスはジャズについても詳しく、演奏も十分すぎるほどできるプレイヤーだったんです。


かわいそうなのは、ティモシーです。プライドが傷ついたらしく、その日は演奏を勧めても笑ってトランペットを吹こうとせず、ハンスのジャズ演奏を聴いているだけでした」


ハンスとは、世界最高峰として評価がされているオーケストラ、元ウィーン交響楽団の首席トランペッターのハンス・ガンシュのことである。ティモシーもそうだが、こちらも世界的トランペットプレイヤーである。現在は、フリーの立場で演奏活動をするとともにウィーン国立音楽大学の客演教授として若手プレイヤーの指導をしている。


正式なサイトウキネンフェスティバルのプログラムにはない世界的な名手によるコンサートが、夜な夜な松本の一つのバーで開かれていたことがおもしろい。草の根のサイトウキネンという感じだ。


その場にいたお客は楽しかっただろう。音楽とはただ音を楽しむということ以外に、音をつむぎだす人間を楽しむという要素もある。音楽は藝術であって、内面の表現をする一つ手段であるからだ。だから私は観客とプレイヤーとの距離が近い、狭いスペースでの演奏が好きである。広いコンサート会場よりプレイヤーの内面を感じることができる。


そして演奏でプレイヤーと観客が一体になった後であれば、ティモシーやハンスといった人にも気軽に話しかけることができるし、見ず知らずのお客同士の交流も深めることができる。


「自宅が塩尻にある関係で店を移転しました。さすがにサイトウキネンのメンバーはここまで演奏にやってきませんが、松本で23年間店を経営して、たくさんのジャズ仲間ができました。そういったメンバーと月一回のペースで、“ハーフタイムブラザーズ”として店でジャズライブをしています。メンバーはそれぞれ名手ですから聴き応えがあり、楽しいと思いますよ。よかったら来て下さい」


てくてく歩いていくと・・・・。


バラ色の人生(ラヴィ・アン・ローズ)

ハーフタイムブラザースといったバンドでのライブ以外の時も、塩原さんはリクエストすればいつでも、カラオケを伴奏にしてジャズの演奏を聴かせてくれる。


普段カウンターごしに、話しをする塩原さんはニコニコ笑いながら下ネタやダジャレをよく言う、ジャズ好きなおやじという感じであるが、トランペットを持つと表情が急に凛々しくなる。


プーッ、プーッと音出しを1分くらいして、マウスピースに唇をなじませてから、演奏をはじめる。演奏する曲はジャズのスタンダード中心。譜面なしで何百曲も演奏できるという。


「メロディーが記憶にあれば吹けますよ。そんなにすごいことではありませんよ。長年していますから」と当たり前のように言う。


塩原さんは、いつからジャズをやっているのだろうか?そして東京でのプロ活動はどのようなものであったのだろうか?訊ねてみた。


ジャズをするきっかけは、宮崎県都城の高校時代に吹奏楽部で演奏したグレンミラー楽団の楽曲がきっかけであったようだ。


「アメリカンパトロールやインザムードといった曲をしました。スウィングしていて、とにかく理由なくかっこよく感じました。何曲もトランペットで演奏するうちに、すっかりジャズが好きになりました。


高校卒業してから、地元で就職して、給料もそこそこもらっていました。しかし仕事上の接待や自分遊びでナイトクラブやダンスホールに行き、そこで演奏しているジャズバンドを観るたび、自分も一緒に演奏をしてみたいと心がウズウズしてくるんですよ。その思いが年々つのっていき、どうせやるならジャズを一から真剣に勉強しようと

決心するようになりました。それで、3年間していた社会人生活に区切りをつけて、東京の音大に入学したんです」


音大に入ったけれども、そこでトランペット演奏の基礎や音楽理論は学んだものの、実際にジャズそのものを学んだのは、ダンスホールやキャバレーで演奏しているジャズのビックバンドであったようだ。


「プロのプレイヤーはどんなものかと思い、川崎で活躍していたバンドに遊びにいったんです。自分が音大生であると、バンマス(バンドの責任者)が分かると、いきなり楽譜を渡されて吹いてみろと言われたので、吹くと、ちょうどトランペットに空きがあるから明日から来いといきなり言われて、私のバンド生活がはじまりました」


それから昼は音大に通い、夜はバンド活動というハードな毎日をこなすようになる。


「バンド活動で収入はあって、いつでも音大をやめてもよかったのですが、せっかく入学したのですから、音楽教師の免許だけはとろうと思い、生活は夜も昼もなく大変でしたが、何とか卒業しました」


音大を卒業してから、本格的なバンド活動をはじめ、東京でプロ生活をやめるまで8つのバンドを渡り歩くこととなる。


「渡り歩くといえば、聞こえが悪い感じがするかもしれないが、当時は楽器を上手く演奏することができれば、違うバンドから引き抜きにきたもので、バンドをかえるたびに給料や待遇がよくなりました。そしてお金をかけて結成しているバンドはメンバーの技量が高く、レベルが高い演奏をしていましたので、バンドをかえることは自分にとってステップアップすることでした」


引き抜きで新しいメンバーが入るということは、バンドで一人が辞めさせられることを意味する。技量が何より重要視される音楽活動の厳しさをここから知ることができる。このプレシャーは大変なものであるようだ。


「テレビやラジオの歌番組って、私が東京でプロをしていた昭和40年代は生放送でしたから、とにかく緊張しました。私はファーストトランペットで高音担当でしたので、音を外すとすぐに分かります。そして外すことでクビになることもあります。


それで精神的に弱って、酒や薬や女に逃げるやつが多いのですよ。演奏中に薬にハイになって演奏をまともにできなかった奴もいました。演奏後そういう奴をボコボコに殴ったこともあります。


結局、そういう奴を殴ったことがきっかけとなり、東京でのバンド活動を31歳の時にやめました。もう潮時だなとその時に思ったのです。緊張感が大変でしたし、また昭和50年代に入る頃になると、カラオケが普及しだし生演奏の仕事が減っていくのは時代の流れでしたので」


東京でのプロとしてのバンド活動をやめる前に、大学時代に知り合った女性と結婚しているが、その妻の実家がある塩尻に引越し、松本で調理師学校に一年学んでから、喫茶店・レストランに勤めたあと、数年後、昭和58年(1983)に独立して「ハーフタイム」を開店して今にいたる。


「高校時代からずーっとジャズが好きだったことは変わりません。それは東京でプロとしての活動をやめる時もそうです。今考えると、あのバンドでは自分が好きだったジャズの演奏が緊張感のためできなくなったのでやめたのかもしれませんたまに気楽な気分で演奏すると、お客さんが喜んでくれますし、喜んでくれると自分だって楽しいし、うれしい。


そしてジャズが演奏できることで松本でたくさんの仲間ができました。ティモシーやハンスといった世界的な名プレイヤーと知り合うこともできたのもジャズをしていたおかげです」


高校時代にジャズを演奏することがきっかけで、ジャズを愛するようになる。そのことで二転三転する人生を歩むことにはなるが、さまざまな出会いがあり、また塩原さんの人生を豊かにしている。


そろそろ家に帰ろう思い、店を出る前に塩原さんに一曲リクエストした。


曲は「バラ色の人生(ラ・ヴィ・アン・ローズ) )」


いつものとおり、トランペットを持つと顔が急に凛々しくなり、軽く音だしをしてから、演奏をはじめた。カラオケにはその曲は用意はしていないらしく、伴奏なしでの演奏だ。


幸さそうな甘いメロディが吹かれる。それに身をゆだねていた。しかしテーマがなかなか終わらず、アドリブがはじまらない。この曲は途中でリフレインする場所があるが、そこで何回も繰り返して、テーマ部分が終わらなかったのだ。


そして塩原さんは途中でやめ、凛々しい表情からいつものにやっとした笑顔で私を見て「終わり方どうだったっけ?」と訊ねてきた。


私もにやっとした笑顔を返し、首をふり、分からないという素振りをした。


バラ色の人生はまだまだ終わらせてはいけないよね。




■ジャズバー「ハーフタイム」


住所:塩尻市広丘野村1710-18 野村ビル


TEL :0263-53-0500


営業:午後7時~


休日:第3日曜日


てくてく歩いていくと・・・・。 ※スコッチウィスキー各種あり、バーボン・ブランデー・ラム・テキーラ等、洋酒が豊富。もちろんビール・日本酒・焼酎などもあり。カクテルはマスターがお客の注文に応じてつくります。


※ピザ・パスタ・サラダ等フードメニューが豊富。バーといっても居酒屋感覚で利用できます。








「ベコーンと旬な野菜サラダ」

厚切りのベーコンが美味。サラダは主に自家栽培のものを利用しており常に旬。




てくてく歩いていくと・・・・。

塩原さんに勧めらたスコッチウィスキー「ブラックアダー ローカスク」

樽の中の沈殿物がそのままフィルターによって除去されず残っている。樽詰めウィスキーあるがまま味わえる一品。ピートのスモーキーさが堪能できる。フィニッシュ感でスパイシーさは感じるが、飲み口はほのかな甘さを感じるので、バランスがよく飲みやすい。                             



てくてく歩いていくと・・・・。 黒い沈殿物が瓶の底にたまっている。









てくてく歩いていくと・・・・。

シメにお勧めのニュージーランド直輸入のアイスクーム。味の濃厚さが口に広がり、そのためか甘さが嫌味になっていない。


ドリンクは「カフェモカ」というカクテル。ノンアルコールのものではなくリキュールがベースになっている。アイスクリームとこのカクテルのコーヒー風味がよく合う。