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mentawai boat→trip 2009  chapter 12 決断

1月21日

早朝、みんなが早々と起きてくる。

そう昨日の話で天気次第で今後の航路が変わるという岐路にあっただけにみんなが気になっていた。外をみると今いる場所を含めて俺たちが行きたかった方向は誰にでもわかるくらいの灰色な近づきがたい空で覆われていた。

たかさんに聞くまでもなく結果はわかっていたけど、たかさんのところにいくと思っていた通りの答えが返ってきた。しかも昨日までサライナだけだったこの湾にはもう一隻のサーファーを乗せたボートが来ていた。それはこないだのレスラーみたいなオージーがいたポイントで見た別の船だった。狙いはこの悪天候が治まるのをじっと待ってスーパーレフトではいるみたいだった。

「ここはそのうちもっと天候が悪くなる可能性があります。そうなった場合今日ここでサーフィンすると、明日動けなくなる可能性があり時間的なロスや最悪帰国に合わせてパダンへ戻る日程が脅かされかねないので船を出せる今のうちに上へ移動しましょう。」
とたかさんに言われ皆も納得し、移動が決まった。


たかさんは俺たちに少しでも人のいない波のいいポイントへ連れて行って楽しんでもらうのが仕事だけど、その前に旅が安全でなおかつ帰国日に合わせて俺たちをまたパダンの空港まで送るという重要な役目がある。

このときボートトリップには旅の進路のひとつひとつの決断が重要であり、そのなかでいい波を当てるという目的があり、いかに海の知識、天気の知識、サーフポイントについてのそれぞれの特徴などの知識が必要であるか、そして加えて積み重ねてきた経験と、勘も必要であるということを心底知った。
そしてデディが昨日の時点で今日の天気を予感していたのも凄い。

船は北へ進路をとり動き出した。行きと違い海は波打ち、どんよりとした空の中を進んでいった。数時間してまたこないだのレスラーオージーとあった場所へ。

移動中強めに吹いていた風がここに着くとほとんど吹いていない、そしてオフショアだった。

サイズは肩~頭オーバー。こないだ入ったときよりも大きくて力もかなりある。波は早くダンパー気味のつかまりやすい波もあれば少しアウトから割れるかなりいいセットの波もあった。

でもセット間隔はやはり長く、昨日までやっていたスーパーレフトがあまりにも良すぎてどうしても物足りなさを感じてしまう。波を待っていた時間昨日もっとやっておけば良かったなと昼のあのオフショアのバレル波を思い出していた。

どれくらいたっただろうか、風がまわりだした。
風向きが変わりはじめると同時にたかさんがディンギーに乗ってやってきた。

「移動しましょう、手術台へ。あそこが今オフショアです。」