IGCSE数学のアディショナル版 | 鉄火のマキ@London イギリス教育事情一番乗り

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GCSEとAレベルを勉強中の子供達を応援。
ディスレクシア&ADD持ちの無謀なオックスブリッジ受験体験記録。

 

 GCSEの英語には英文学と言語の2種類のペーパーがあり、理科には化学・生物・物理の3科目がありながら、どうして数学には1科目しかないのかと思ったことはありませんか?このIGCSE数学のアディショナル版は主に数学が強みであるアジアのインターナショナル生からの声に答えて生まれたものです。

 

IGCSEはケンブリッジの登録商標だがピアソン版も同等の価値

 

 

 イングランドでメジャーなイグザムボードのOCRやAQAでもアディショナル版があるのですが、「インターナショナルスタイルの試験」と言ってもGCSE扱いされていないので要注意。高度な数学の能力を表す独立した資格試験であっても大学側がGCSE1科目分と同等の価値を認めないのなら、正規のIGCSEであるケンブリッジ版ピアソン傘下のEdexcel版のどちらかを受けられるのが良いでしょう。

 

アディショナル版の内容は主にAレベル数学の橋渡し的な内容であるため、取得すれば6thフォームの新学期はじめに勉強面で有利なヘッドスタートが切れるでしょう。そういうことであれば思い切って前倒しでAレベルを早期受験するということを考える方もいるでしょうが、これは色々な意味でお勧めしません。 →リテイクは一度までならOK、早期受験はNG →典型的な公立校の対応と早期受験がダメな理由

 

 IGCSEはイギリス方式の試験でありながらもイングランドの公立校ではほとんど扱われていないことから、イギリス国内の大学は通常のGCSEより難易度の高いインターナショナル版を特別扱いしません。そんなイグザムボードによってはまだパイロット版であり手探り状態である「アディショナル数学」の取得に向いているのは以下のようなタイプのお子さんです。

 

  ・ GCSE数学 でA*/A取得できる実力がある。

  ・ Aレベルで数学〜上級数学を学習予定。

  ・ すでに文系~芸術系のバランスのとれたGCSE8科目を受験予定。

   or 理数系以外が苦手すぎて必要なGCSE8科目の選択が困難。

 

もうひとつ未確認ではありますが、医学部志望の場合、足切り試験であるBMAT/UKCATにおいて、IGCSEのアディショナル版で学んだAレベル数学の先取分が生きてくる可能性があります。理科分野に関してはGCSEダブルサイエンスではカバーされないトリプルサイエンスの内容が試験に出ることは知られており、数学にも同様のことが言えるかもしれないからです。 →Aレベル進学に備えるGCSE理科はトリプル版がベター