イートン校の奨学金制度は全額支給も | 鉄火のマキ@London イギリス教育事情一番乗り

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イギリスで私立に子供を通わせる割合は約7%とかなり少数ですが、その最大の理由は私立校の学費の膨大さにあります。平均年収3万ポンドの家庭にとって私立高校の年2万ポンド近い学費は、どう逆立ちしたところで出せる金額ではありません。こういう世間一般層を完全シャットアウトした私立は、もちろんそれ相応の守られた教育環境が約束されているのですが、その一方でその特権階級者の義務として恵まれない者への施しが「奨学金」という形で用意されています。奨学金を出すことは学校の税金対策でもあるようですが、もらう側にとっては賞与であり返還の必要のないものです。

イギリスの私立中高の奨学金には、 一般にSchorlarship とBursary と呼ばれる2種類があります。 Schorlarship は成績優秀者に無条件で与えられるもので、補助は少なめで学費の5%~20%程度。これには学力優秀者だけではなく、音楽や芸術、スポーツなども対象となります。日本でいう特待生制度に近いです。

もう一方のBursaryの奨学金はMeans-tested とも呼ばれ、低所得者向けに用意されたもので上限50%までの所が多いですが、中には学費を全額いただけるものも。ただし条件が厳しく、親の所得証明だけでなく銀行残高や住宅などの資産査定など洗いざらし個人情報の提供を求められます。キャメロン首相の出身校のイートン・カレッジには30名の奨学金全額支給の生徒がいる とのこと。イートン校の学費はダントツに高く年間£60,000で、中高7年分をかけた金額を考えると立派な一軒家をドーンとプレゼントされたも同然ということになります。

Bursary資金を提供するのが有名人であることもあります。例えば映画俳優のヒュー・グラントは母校 ラティマー・アッパー・スクールの奨学金制度 のスポンサーになっていることで知られます。奨学生は提供者が面接で選ぶのでしょうから、ヒュー・グラント本人に会えるかもしれないとなるとむしろ保護者の方がドキドキですね。