(「ミーちゃん」の続きです)
「ブーンブーン、ブーンブーン」
楽しくてドライブごっこしているミーちゃんとあたし
しっかりベルトで椅子に縛り付けているミーちゃんとあたし
ミーちゃんが思いっきりハンドル(お盆)を切ったり、急ブレーキをかけるふりをしたりすると、二人とも身体を同じ方向に傾けたりして、「あぶないあぶない!」と、げらげら笑った
「ミーちゃんうんてんあぶない」と、あたし
「大丈夫!シートベルトしてるから」と、ミーちゃん
まさかミーちゃんがそれを言ってくれるとは思わなかったあたし
「ね、ね、ちょっと違うごっこしてみない?」と、あたし
「いいよ!なにする?」と、ミーちゃん
「じゃ、もう車に乗ってるから、パトロールごっこしよう!」と、あたし
「いいね!」
「ミーちゃんは運転してるから、ミーちゃんは警察、ゆきは泥棒」と、あたし
「イシシ、ゆきちゃんを逮捕しちゃう」と、ミーちゃん
「泥棒が逃げちゃうから、ちゃんと捕まえなきゃ」と、その流れで、もう一本のベルトを自分の両足首にスルスルッと巻き、ピッと締めてしまい、「ほら、もう逃げられない」と、縛った両足を少し上げ、ミーちゃんに見せたあたし
「ゆきちゃん捕まった」と、ミーちゃん
「でもね、泥棒のお手手も縛らないと逃げちゃうから…」と、ミーちゃんにもう一本のベルトを渡し、「さっき足を縛ったようにゆきのお手手を縛って」と、ミーちゃんに両手を差し出すあたし
…
今まで一度もちゃんと縛られた経験がなかったあたし
自分で足首や腰に簡単にベルトで縛れていても、どうしてもお手手は上手く自縛できぬあたし
ミーちゃんとドライブごっこやパトロールごっこして、初めて他の人に自分が縛られる姿を見られるあたし
今まで、あたしの行動を何一つも疑わずに遊んできたミーちゃん
もしあたしのことを変だと思ったりしたら…と、不安になっているあたし
…
「イシシ」、スルッスルッピッと!「午後2時17分、現行犯逮捕!」と、あたしのお手手をしっかり縛ってくれたミーちゃん
あっ…んん…んんん…あっ!動けない…動けない!これ!これ待ってた…こうされたかった…あたし…
「動けないっ」と、心の叫びを思わず囁いたあたし
「イシシシシ泥棒捕まえた警察署に連行!」と、すっかりのってきたミーちゃん
お手手どんなにもがいても、身動きが取れぬ…椅子からも離れられぬ…初めて完全に拘束されており…縛られている両足、椅子に縛り付けている腰、縛られているお手手、一つ一つを確認し、陥っている状況を改めて気付いたあたし
「うふふ、ゆきちゃんはもうに逃げられないね」と、陽気にハンドルを握り、まるであたしの気持ちを煽るようとするミーちゃん
身動きが取れなく、焦りと興奮が交ざっているこの気持ちを初めて感じたあたし
正直に言うと、パトロールごっこさせる動機が不純であり…本当は縛られたいだけ…
なので、本当に逮捕され、警察署に連れられても当然にあり得ると思ったあたし
なのに、逮捕の代わりに、ご褒美である拘束を体験させて頂けるという矛盾から、どうしても罪悪を感じた
この快楽と罪悪を同時に味わえることこそ、「拘束」だと。
「本当に逮捕されちゃったね…」と、縛られているお手手をミーちゃんに見せたあたし
つづく