お盆とキリコと船ゆうれい 加能人に掲載されました。 | 荒木明日子の漫画な日々

荒木明日子の漫画な日々

イラストレーター、昔話の語り手、寺の坊守と、様々な顔を持つ荒木明日子が、日々の出来事を楽しいマンガでお届けします。さあ、一緒に笑いましょう(^.^)

お盆とキリコと船ゆうれい

 

今年もお盆の季節がやって来た。

 

本番を前に届くのが、キリコ。

 

 

キリコとは、金沢独特の風習で、

 

四角く組んだ屋根つきの行燈のような物で、


お盆のお墓参りの際、墓前にあげるのだ。

 

正面にはお題目、裏には戒名、

 

横には墓参した人の名前を書く。

 

 

 

中には釘が刺してあって、

 

ろうそくを立てられる様になっている。

 

これは、灯明であるのと、

 

墓参に来た人の名刺代わりでもある。

 

キリコの名前を見れば、

 

「誰々さんが来てくれた」とわかるのだ。

 

知人や親せきの関係の再確認である。

 

 

 

このキリコの発祥は、

 

金石の材木屋さんが木の切れ端を

 

利用して作り始めたのが始まりと

 

新聞記事で読んだことがある。

 

当時の時流に乗って、普及した様だ。

 

 

 

 

…もう十年も経つか、

 

キリコの処分が大変で、

 

板状の小さなキリコが登場した。

 

「コンパクトなので、持ち運びや

 

片付けに便利」と言う反面、

 

「ろうそくを灯せないので、意味がない!」

 

という意見も。

 

 

いずれも「お盆には墓参り」が定番に

 

なっている人たちのご意見だから、

 

まだ微笑ましい。

 

 

 

今は墓離れ、寺離れが深刻だ。

 

 

世の中が変わってしまって、

 

人間が変わった。

 

 

お墓参りをしない人や、

 

お寺に挨拶をしない人が増えていると聞く。

 

 

経済の好転が望めず、

 

若い世代に余裕がない。

 

そして、幼い頃からスマホに子育てされた

 

人間は、親先祖に対する思いも、

 

信心も薄い…。

 

 

 

この季節、私が好んで語るお話が

 

「船ゆうれい」。

 

しけにあった若い漁師が難破して、

 

海を漂っているうちに、一艘の船に出会う。

 

中には柄杓をもった痩せこけた人たちが…。

 

 

船ゆうれいに出会った若者は、

 

身も凍る思いをするが、

 

流れて来た食べ物を食べて生き延びる。

 

それは、自分の家で先祖に供えた

 

「お供え物」だった…。

 

ご先祖との縁や恩は忘れたらダメねんね。

 

と、自分に言い聞かす私なのである。

 

荒木明日子(昔話の語り手・本蓮寺坊守)



花きりこ。子供の霊に供える。

 

お盆を前に掃除。綺麗になってよかった!

 

日蓮宗 金澤山 本蓮寺 寺庭婦人 荒木明日子