明日子さん 母の一周忌に
ボランティアに行くの巻
(h31.1.11)
主人の母、久子さんが亡くなって
一年が過ぎた。
で、生前お世話になったケアセンターに
ボランティアに行った。
ケアセンターは何年ぶりだろう。
聞き手のお年寄り達は、
記憶がおぼつかない様だったり、
起きていられない方もいたり。
この人たち、ちゃんと聞いてくれるかな〜
(^_^;)
という最初の不安はよそに、
語り出したら、聞く聞く♡
みんなに言葉が届く様に、
いつもよりゆっくりめの「かさじぞう」
頷きながら、「いいお話や〜😊」。
節分のお話「だんだんのみ」は、
亭主がカエルやヘビを次々と
飲み込んで行くお話に
「面白い」 と笑い声が上がる。
自作の「もちづくし歌」は
色んなお餅が登場し、
皆ニコニコ顔。
私的新作語り「因幡の白うさぎ」も、
神話は難しいと思いきや
昔親しんだ世代とあって、
がっつりと聞いてくれた。
私の着物コレクションより
「子供の晴れ着」を紹介すると、
「懐かしい」「美しい」と嬉しそう。
「昔の道具クイズ」も
なかなか言葉が出ないものの、
とても盛り上がる。
最後は自作の紙芝居で、
悲しいお話なのに、終始笑顔(^.^)
始めは固かった皆さんのお顔が、
終わる頃には、生き生きと輝いていた。
私が帰る時、
ひとりのおじいさんが見送ってくれた。
車イスのおじいさん、
滂沱の涙を流して泣いている。
職員さんは
「久子さんの事を思い出したのでしょう」
と言っていたが、
私は違うものを感じていた。
体の自由が利かなくなったり、
痛い辛いと、素直になれないのだ。
気持ちはl沈み、暗く、後ろ向きになる。
(年末年始、ギックリ腰と咳き込む風邪で
ダウンした私はとても暗かった(-_-;))
周りの人ともうまくいかず、素直になれない。
私の昔話を聞いていたそのおじいさんは
難しい顔をして、
どちらかと言うと、怖い人に見えた。
だからその方が
涙を流して見送ってくださった事に、
私はびっくりした。
「昔話は、人の心をとかす
何かを持っている」
私がずっと感じていた事。
昔話や、昔の道具や文化、
価値観に触れ、懐かしいと、
子供の頃の素直な感覚を
いっとき取り戻してくれた様に私は感じた。
私がやってる語りは、ほとんどお金にならない。
お金にならないものは意味がないと
言い切る人もいる。
それも本当。
でも、それだけじゃないと、
そのおじいさんの涙見て思ったな。
やっぱり語り続けなな(^.^)
金澤山本蓮寺 荒木明日子