荒木明日子の着物コーデろん その73
「川のほとりの芸術サロン」の巻
金沢は犀川のほとりにたたずむホテル
「由屋るる犀々」。
そこで定期的に行われている
「川のほとりの芸術サロン」を主催する
藤橋由希子さんより
語りのご依頼をいただいた。
芸術サロン…という格調高い名前に
「うーん、困った。何着よう???」
聞けば、加賀友禅界の重鎮の先生方も
いらっしゃるとか。
困った(-_-;)
下手な柄物は着れないなぁ…(*_*)
と、ここは「色無地」でさらりとかわそう作戦。
と思っていたのですが。
本番の数日前、実に久しぶりに
行きつけのお店に行きまして。
(なんか、ピピっと来たざんすよ。何かある!って)
出会ってしまった、
ものすご~く雰囲気のある
アンティークの着物に。
コレコレ↓
地色の渋ーいからし色に、
桜が白を基調に流れるように描かれています。
うおっっ かっちょいい♡
この、色、柄。中々ございませんよ。
しかも、
これは今の自分に絶対似合う!と直感。
状態もお値段も買い!
でしたので、即日ゲット。
お店のママも「これ、今日出したばっかよ」
よし、いいぞ~(^.^)♡
やはり、「芸術サロン」の名にふさわしい、
個性的で品のある着こなしがしたい。
そんな思いにぴったりの着物だと思いました。
古い友禅。一部桜の花には刺繍が。
複雑で渋い色合いがなんとも言えず素敵。
帯は、友禅の柄に印象的に使われていた
紺色と同系の色を選びました。
これも不思議なムードのある帯です。
最近は自分で着付けすることも多いのですが、
今回は気を使い、中嶋先生にお願いしました。
こんな感じぃ~(^.^)
うーん、いいですね。
柄の色合いが渋めなので、雰囲気ありつつ、
出過ぎない感じで似会っていると思います!
はんなりと、銀座結びにしていただきました♡
ちなみに刺繍で一つ紋が付いています。
これは付け下げでしょうか?
それとも色留袖?
会場の「るる犀々」に到着します。
12時からはお食事タイム。
老舗料亭の大友楼さんのお弁当です。
ちなみにこの時、私は語りの前なので、
食べませんでした。
だって、本番でゲップ出たらやだもん。。。
((+_+))
会場には定員を超えるお客様が。
ありがたや~(^.^)
お話は、笠地蔵、だんだんのみ、
日本の神話「因幡のしろうさぎ」など
今の季節にふさわしいおはなしを選びました。
みなさんしっかりと聞いてくださいましたよ♡
語りの後は、おいしいお菓子と珈琲で懇親会。
かわばた菓子店さんは
今日の「語り」をイメージしてオリジナルの
お菓子を作ってくださいました。
中央のお花は語り手の私。
そこから伸びる線はお話が届く聞き手。
そして金箔の輝きはみんなの心だそうです。
素敵ですね。
それから、だるまの最中は、次回ゲストの画家の大滝有希生先生からの差し入れだそうです。カワイイ(^.^)
懇親会では色々な質問が出て、
盛り上がりました。
来てくださった方々皆さんに、自己紹介や
質問などお話をしていただきました。
お友達のあきちゃん、薫ちゃんと(^.^)
「昔の囲炉裏端での情景が思い浮かんだ」
「お話によって、それぞれに違う雰囲気の絵が思い浮かんだ」
「金沢弁の響きに涙が出た」
と色々な感想をいただきました。
私がお話の合間に、
「語りの面白さは、語り手が手渡す言葉を、
聞き手が受け取って、それをそれぞれの人
が頭の中で絵を想像して楽しむことです」
とお話した所、
ある方が「この想像するという行為こそが、
芸術の原点である」的な事を言ってくださり、
私がお伝えしたいことをちゃんと
汲み取ってくださる事を嬉しく思いました。
あ、そうそう、加賀友禅の大先生から
「着姿がとてもきれいだった。
お話が変わるたびに、語る姿勢が変わり、
それも素敵だった」
とお褒めのお言葉をいただきました。
着姿は一日にして成らず。
「語りの時は着物」を通してきて
よかったと思いました。
もちろん、
中嶋真由美先生にも感謝ですね(^.^)
それでは、今日はこの辺で。
ご参加くださった皆様、
本当にありがとうございました(^.^)
金澤山本蓮寺 寺庭婦人 荒木明日子