2人で歩く夕暮れ。 | +春は巡る、いつも美しく+

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最近は、サクラ大戦1&2の二次創作の小説をメインに書いています。時々、小説以外のことも書い
てます。小説については、リクエストやご意見・ご感想をい☆つ☆で☆も☆お待ちしてますよ~(o゚▽゚)o

 賢人機関の会議の帰り道を、私と大神くんは一緒に歩く。どちらからともなく、手を握る。大神くんの手は、暖かくて、大きくて、優しい。キスしたくても、大神くんと身長差があって、届かない。
「一郎…。届かないわ…。」
私は、背伸びをする。大神くんは、私に届くようにかがんでくれる。
「かえでさん…。今、俺のこと…。」
大神くんは、びっくりした様子で、尋ねてきた。
「一郎って呼んだわよ…。言い慣れないから、恥ずかしいわ…。」
私の顔が、赤くなっていたらしい。大神くんは、私にキスをする。


 河川敷を歩く。白い球を追いかける子どもたち。犬の散歩をしている少女。手を握り、ゆっくりと歩みを進める老夫婦。大神くんは、
「俺たちも、さっきの老夫婦みたいにずっと一緒にいられるといいですね…。」
と感慨深そうに、老夫婦を振り返った。
「そうね…。ずっと、一緒に…いられるといいわね…。」
私は、河川敷から、沈んでいく夕日を眺めながら答えた。
「一郎…。私、一郎と出会えて…すごく幸せよ…。一郎は、私と一緒になって、幸せに感じてる?」
河川敷の土手に、2人で腰を下ろした。私は、大神くんに聞いた。
「もちろんです!俺、かえでさんと一緒になれてよかったです!紅葉と柚希の父親になれてよかったです!」
と大神くんは、力強く答えた。
「一郎…。私のことは、かえでって呼んでほしいの…。」
私は、大神くんに言った。大神くんは、
「でも…。」
と言って、ためらった。
「私たち…夫婦でしょ…?」
私は、大神くんの肩にもたれかかった。
「そうでしたね…。俺たちは、夫婦なんですよね…。」
大神くんは、微笑んで言った。
「かえで…。ずっと一緒にいよう…。俺がおじいさんになって、かえでがおばあさんになるまで…。ずっと、一緒に…。」
大神くんは、私の髪をなでて言った。
「えぇ…。約束よ…。」
私は、ささやいた。
「そろそろ帰ろうか。花組のみんなも、紅葉も、柚希も、待ってるし。」 
大神くんは、私の手を取り、立たせてくれた。
「そうね…。帰りましょう。」
私は、大神くんから立たせてもらって、そのまま大神くんの手を握った。



 大神くんのぬくもり…。大神くんの微笑み…。大神くんの優しさ…。大神くんの愛情…。私は、大神くんのすべてを一身に受ける。愛する人がそばにいて、愛する人と同じ時間を共有する。他人にとっては、そのことは普通のことかもしれないけど、家族の愛情というものを知らない私にとっては、幸せなこと…。
私は、沈み行く太陽に向かって、大神くんに聞こえないようにつぶやく。
「一郎…。好きよ…。愛しているわ…。」






☆あとがき☆
今日の小説は、サクラ大戦ファンのみなさまには、藤枝姉妹役でおなじみの折笠愛さんのアルバム、「TenderSong」より、「多摩川日記」という曲をイメージした作品です。

今回は、かえでさんには、大神さんのことを「一郎」と呼んでいただきました。また大神さんには、かえでさんを「かえで」と呼んでいただきました。

久々に、ラブラブな雰囲気出してみたんですけど、いかがでしたでしょうか?


最後まで読んでくださりありがとうございました!!

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