今般バイデン米国大統領が

「日本人は外国人が嫌いだ。移民を受け入れていない。だから問題を抱えている。アメリカは移民により発展した」

と発言したと報じられた。

 

おいおい、いい加減にしろよ、といいたくもなる。

100年前にやったことを忘れたのか。

 

1924年、アメリカでは大幅に移民受け入れを制限する「1924年移民法」を成立させたではないか。

 

この「1924年移民法」には、アジア系移民禁止条項もあり、実質的に日系移民を禁止したため「排日移民法」とも称される。

 

この法案が議会通過する以前から、米国カリフォルニア州では凄まじい排日運動が起きていた。

 

アメリカ人だって移民は大嫌いだったのである。

 

移民国家の米国人には、新参者を排除しようとする伝統があったのだ。

 

「1924年移民法」はさらならる問題も起こした。

 

これにより入国を制限された欧州のユダヤ人がホロコーストの犠牲になった、ということだ。

 

このため、杉原千畝氏により命のビザを発給され、ソ連~日本経由で移動したホロコーストの嵐が吹きすさぶ欧州から逃れたユダヤ人の当面に行先は米国ではなくオランダ領キュラソーだったのである。

 

 

バイデン米国大統領は、偏狭なナショナリズムに凝り固まって、人道に悖る行動を行った米国の暗い歴史を忘れてはならない。