2023年の4月、より中は景気の良い話で盛り上がっているようにみえる。
製造業をはじめとする業界は、軒並み賃上げを決めた。
大手企業の新入社員の賃金も上がっている。
まったくもって憂鬱だ、
と感じている人も少なくないはずである。
格差社会到来とか、そういうことを今更いうつもりはない。
そんな時代はとうの昔にやってきている。
問題は、政府がメディアを通して、景気よく賃上げをしている企業を
大々的に喧伝していることだ。
これによって、賃上げが出来ない企業まで、
頑張って上げろ、
賃上げ出来ないのは企業努力が足りないからだ、
というような風潮を醸成していることだ。
そもそも製造業とサービス業では土台が違う。
大元でやれる企業と下請けの企業では条件が違う。
賃上げしたくても出来ない企業によって
上部企業は利益を上げている、という面もある。
第一、原料価格の高騰や
安全品質基準の引き上げで
どうして賃上げにかかるコストを確保すればよいのか。
今の風潮が続けば廃業を余儀なくされるところも出てくる。
政府主導の賃上げ政策は、
中小企業の淘汰という、
殺伐とした状況を作り出すことになりかねない。