雑誌の売れ行きが芳しくなく、休刊に追い込まれる雑誌もあるなか、

左派系の雑誌でまだまだ頑張っているところもある。

 

その中には、読者会なるものがあり、コアな読者が記事の内容など討論して、

その議事録が掲載されるコーナーもある。

 

それを見ると、まだこんな人々がいたのか、と微笑ましくなることが時折ある。

 

先日などは「我が国で徴兵制が復活したら」などというものがあった。

冗談かと思ったら、本気で議論されていたようだ。

 

中には、「教え子が戦場で死ぬことは見たくない、牢獄へ送られても徴兵を拒否してほしい」

などというものもあった。

 

一部に「徴兵制賛成」という意見もあった。

左派には軍国主義者もいるようだ。

 

そしてあらためて

ナイーブな人達だな、と思った。

 

そりゃこの国の人口が3000万人をきるようになったら、そうした可能性もあるかもしれない。

しかし、現状では徴兵制なんてあり得ない。

 

まず、自衛隊からして「徴兵だけは止めてほしい」という考えが圧倒多数だ。

徴兵制で集められた軍隊は弱いのである。

そりゃそうだ。「戦争なんて嫌だ嫌だ」という連中が集められてくるのだから。

訓練する側の負担は並大抵のものではない。

 

海外の戦争を見たって、戦場で武器を捨て真っ先に逃亡するのは、徴兵された部隊である。

中東あたりの戦では、活躍するのは大統領警護隊とか革命防衛隊とか、

徴兵されたものが混ざる国軍とは別の軍団である。

 

ましてや、長年戦争から遠ざかったこの国で徴兵を復活させたら、

目も当てられないほどの弱兵部隊ができるだけだ。

 

そもそも我が国の自衛隊は、米軍と協力しなければ戦えないようになっている。

米軍は、海自など高度な軍事技術を有した精鋭部隊と連携できるところに同盟のメリットを感じているように見受けられる。

 

有事の時、もし米軍が要求するレベルの部隊を日本側が整えられなければ、

恐らく次のような提案がなされるだろう。

「日本側で必要な部隊を確保できなければ、民間軍事会社を紹介するからそこと契約したらどうか。

もちろんそのコストは日本側が負担する。あなた方のためだから」

 

この米側の要求を果たして拒むことができるだろうか。

 

今心配しなければならないのは徴兵ではなく傭兵なのだ。

その請求額は莫大なものになるだろう。

そうしてこの国はますます貧乏になっていく。

 

有事と呼ばれる事態が起きないよう、

官民あげて周りの国と緊張回避すべく不断の努力を継続することこそ必要だと思うのだが。