“変える”より“つなぐ” ― 会話のデザイン ―
会議室に入ると、若手のBは少し緊張した面持ちで資料を広げた
ここまでしっかり準備してきたのが伝わる

ただ、T社のT部長の表情はどこか硬い
B「こちらが、T社様の業務効率を改善するための新システムです。
導入いただくと、作業時間を約30%削減できます」
T部長「うーん…悪くはないね。ただ、今すぐ入れ替える必要があるかというと…」
B「では次に、サポート体制についてご説明します」
その瞬間T部長の視線が宙を泳いだ
“では次に~”――私は内心で小さく息を飲む(あぁ、話が切れてしまったなー)
そこで
私「田中部長、今のお言葉、とてもよく分かります。
実際、現状の仕組みでも大きな問題はないですよね」
T部長「そうなんだよ。現場も慣れているし、そこまで困っていない」
私「そうですよね。ただ、Bが申し上げた“作業時間30%削減”というのは、
実は“今のままでは見えていないリスク”にも関係してくるんです」
T部長「見えていないリスク?」
私「はい。今は皆さんの経験と努力で回っていますが、作業が※属人化している分
どなたかが抜けた瞬間に負荷が集中してしまうんです」
※(特定の業務の手順やノウハウを特定の担当者しか把握しておらず、周囲に共有されていない状態です。)
T部長の表情が少し変わる
私「“今は困っていない”のではなく“困る前兆がまだ見えていない”だけなんです。
だからこそBが話した効率化は、“将来の問題を防ぐ布石”になるんです」
となりでBが小さく頷いている

私「そして、その前兆に気づけたなら、次に重要なのは“引き継ぎのしやすさ”です」
T部長「確かに…最近、若手社員が増えて、引き継ぎが課題になっている」
私「まさにその点です。Bが準備したサポート体制の設計は、
“効率化の次に必ず出てくる引き継ぎの負担”を軽くする仕組みなんです」
B「はい。導入後も安定した運用を実現し、担当の方が変わっても
困らないようにしています」
T部長はゆっくりと頷き会議が終わる頃にはT部長の表情は和らいでいた

T部長
「なるほど。導入の意義がよく分かりますね。前向きに検討します」
Bは小さくほっと息をついた
私は笑みを浮かべて肩を軽くたたいた
「B、提案は“話題を切り替える”んじゃない。
“つなぐ”んだ。お客様の視点に立って、話の流れを一歩先につなげるんだよ」
B「はい…。今日、すごく実感しました」
<纏めると>
Bの誤りは「では次に」という言葉は一見丁寧ですが
話題を“切り替える”印象を与えます
相手がまだ前の話を咀嚼しているときにこれを使うと流れが途切れ心が離れてしまう
私はT部長の「懸念」に共感し、いったん“相手の視点”に立ちます
“視点のつなぎ”
Bが言いたかった「効率化」と部長が気にしていた「今の安定運用」を
私は「属人化リスク」という“橋”で結びました
この発想の転換が相手の理解を自然に導いています
異性との会話に応用するなら
話題の切り替え=興味がない/聞いていないと受け取られやすい
だからこそ「接続詞」で会話の流れをつなぐと
“ちゃんと聞いてくれている”という安心感が生まれる
使える接続ワード
「それで思い出したんだけど」
「今の話で言うとね」
話題を変えるのではなく焦点をずらすだけで会話の温度がまったく変わる
例)
相手「最近、仕事が忙しくてさ…」
あなた
理解:「そっか、忙しいと気持ちも落ち着かないよね」
補足:「特に今の時期って負担が偏りやすいし」
展開:「少しでも楽になる時間、どこかで作れそう?」
“話を奪わず、寄り添いながら前に進める
”これが異性にとっての「話しやすい人」
恋愛ではこれが
「相手の気持ち」×「あなたの意見」=“感情の橋”に変わる
例)
彼女「友達との約束、断ろうかな…」
あなた
「無理しない気持ちも分かるよ。
でも、後で“行けばよかった”ってなることもあるよね。
の両方の気持ち、ちゃんと大事にしたいなと思って」
“どちらかを否定せず、両方をつなぐ”
これが信頼を生みます!!


















































