08:15手稲発(小樽始発)岩見沢行に
乗ろうと駅までいってみると・・・・なんと朝の新宿・池袋並みの混雑!!(あまりタイゲンソーゴたたかないほーがいいって?・・・・そーだなー・・・・)
朝の柏か町田並みの人だかりでありました。
なぜか、自動券売機が今日に限って、いつもの6-7倍?30台はならんでいましたが、それでもなお、一人一人のさばくスピードが遅くて・・・
私は普段定期券出勤でしたが、その時に限って、今年度の年末年始のチョーキ休みにかかるものですから、札幌ー手稲間の回数券を買おうと思っていましたので、どんなに込んでいても、発券機に立ち寄らざるを得ませんでした。
「08:15だめかなー。会社に連絡しておくかー・・・。
もしもし、あ、カラスですけれど・・・部長お願い!」
ウチの部長は誰よりも早く出社、そして遅く退社をモットーとしていたので、皆大変やりづらい思いをしていました。それから、部の女の子の電話の応対がやたらぎこちなくて、気になったのですが・・・
「カラス君、どーしたね。緊急?」
「いえ、部長。今朝、私の通勤に使っております駅が、黒山の人だかりで、定時出勤はおぼつかないと思ったものですから、あらかじめご連絡をと考えまして・・・」
「いや、それには、及ばんよ、キミ。そーだ、今日、キミには有給を差し上げようぢゃないか。」
「この年末の月にですか?いえ是非参ります。」
「キミも飲み込みが悪い男だねー。キミの色、濃い黒なんだってね?」
「は?と申しますのは・・・何の色のことで・・・??」
「キミ、<冠位十二階>というのを知っとるかね?」
「聖徳太子のでしょうか?」
「ほー、濃い黒というのは、そのくらいのレベルはあるのか・・・キミ、今日からその色が個人個人の戸籍につくようになって、会社、法人の職員や、公務員の場合は直上司以上に雇用者の「イロ」の情報がすべて伝わるようになったのだ。
少し新聞くらい読みたまえ。」
「お恥ずかしい次第で。」
「それで、その人物の、徳、仁、礼、信、義、智を評価して、上から色づけ、紫ー青ー赤ー黄ー白ー黒の濃淡、つまり12段階の色がそのまま個人の能力別ランキングになっとるのだ。
それで、交通障害が起こっているというのであれば、わざわざ最下位に近いキミに来てもらうまでもなかろうて、というわけだ。
来てもらったからといっても、特に会社の忙しさを軽減させるほどの力量が<黒>のキミにあるとは思えんからな。」
「あのー、ひとつ、ふたつ質問させていただいてよろしいでしょうか?」
「なんだ、手短に頼むよ。」
「白の濃淡というのは、どーやってつけたのでしょーか?」
「いや、これまた、黒の人間から意外に難しい質問がって、こら!そんなのは服地の厚さで真っ白に見えるか、下に着ている着物の色が透けて見えたかで決めたのだ。ぢゃ切るぞ。」
「あ、ぶちょ、ぶちょ、もう一つだけお願いしますよ。」
「最後にしてくれよ。」
「私の色が黒いのと、名字の<カラス>は関係が・・・」
「(ガチャ)」
「やっぱ、きられるわナ。会社、意地でも行ったるぞ。」
そーこーしているうちに、自分が切符を買う番になりました。
発券機には、
「混雑が予想されるので向こう3日間は、Sきっぷ、Rきっぷ、ホームライナー回数券、KAISOU-KENは発券に時間がかかるのでお売りできません。」
とあったのです。
「ま、しょーがないか。でもKAISOU-KENて何?・・・???」
そして、もっとびっくりしたことには、自動発券機と見えたのは、そうではなく、有人の窓口になっていて、氏名、生年月日、鉄道利用の目的を述べなければならないことでした。
いーだけ列に並ばされて、さらに、しばし待つこと・・・・濃い黒色の乗車券が出てきました。しかもいつもより20円安い240円で。
「<低所得者からは高い金を>っというわけにはいかないということなんだろーさ。
いーよーな、わるいよーな。」
となりでバリバリのスーツを着込んだ、頭のてっぺんからつま先まで「ボクチャン、エリートだョ!!」といった風情の30チョイスギの若者は、私の黒切符を見て、唇の端だけ歪めて嘲笑し、自分はというと、薄紫(第2位)の切符を駅じゅうの通りがかる乗客すべてに、これ見よがしに「ヒラヒラ」させながらホームに向かっていきました。
「ちっくしょ。むなくそ悪!!あ、08:15、いっちまったーぁぁぁ・・・」
[平成25(2013)年11月のJTB時刻表を改変]
このヨタ話で「全指定席列車になった147M」は現実には全自由席です。
145Mとくらべ札幌岩見沢間で7分余計にかかっていますが、江別で特急を退避するからです。
高砂ー江別間の所要時間が両者で大幅に違うので、147Mが江別で何事か遅延する理由がある
ということになります。
札幌で6分停車する理由は、もし6分早く出た場合、江別も7分早く出発できます。
すると、合計13分先まで行くことができるので、特急退避駅が幌向になって、終点・岩見沢にかなり近くまで来ているぞ!
という印象を乗客に与え、乗車時間もあと少しと感じさせるようなストレス軽減にいーのでは、と思っていました。
ところが、江別ー豊幌間に道内でも3位と4位(約340m)の夕張川鉄橋があります。
ここは強風によくさらされて、最大45km/hrまで下げられての速度制限が時にあります。
もし、上の147Mに速度制限+で、追いかける特急の渡河の時、風が止んで、定時で運転すれば両列車の差は5分縮まり、
とたんに157Mは特急に追い付かれてしまいます。
だから、無理せず、騒がず、江別退避なのだと思われます。
札幌・岩見沢間の列車間隔をあけて、集客効果(乗車機会の増加)を高める役割もあると考えられます。
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「よしそれでは、08:19でいくぞって?・・・・え?・・・・いつから指定席列車になったの?
まーいーや。車内補充券で指定券くらい買えるだろう。」
といって、08:19発列車の前まで行くと、なんと9輌編成。
「たしかこれ6輌だったよな・・・。」
そして、9輌は3扉ながら、デッキ付きのオール転換クロスシート(背摺りの倒し方で座る方向を変えることができる、シートを走行方向と直角に配した車輌)の721系。
それも6輌ユニット+3輌ユニットに各1輌ずつUシート(元々の721系が指定席車輌として別料金を取っている車輌)が連結されていた。
もっとびっくりしたのは・・・今日はびっくりすることばっかりだなー・・・沢山の駅員がでて、、恐らく手稲以外の駅員だけではないだろう・・・こんなにいるわけないもんな・・・・でも、どうして、列車一本にこんなに職員がはりついてるんだ?
「あのー・・・、次の岩見沢行きに・・・」
「お客様、乗車券か定期をお持ちですか?」
「えー、これ・・・」
「ははー、<黒>ですね。残念ながら、<黒>の方は、この列車お使いになれません。
紫、青、赤の上位色の方々のみの専用列車です。
<青・赤>の方からは、通常指定席¥100、Uシート¥300円を頂きますが、<紫>の方には通常指定席、Uシートいずれも、ご自由にお使い頂いております。」
チラッとUシート車輌の方を見ると先ほどのワカゾーが私にウィンクをして見せていました。
「最近不正乗車が多くてですねー、われわれもこうやって見張っているのですが、下位色のヤツ・・・お客様の無断使用が多くてこちらの人員を増やしてもセキュリティにキリがありません。
なにしろ、この車は08:15のあとを追従することで、札幌までは乗客数を極力減らしたいと考えております。
それで、各駅停車であっても、全席指定席にすれば、普段我が国にコーケンしてくださっておいでの方々に、ゆったりと通勤していただくことで、JRとしてイクバクかの恩返しができるものと考えております。」
説明は事細かで丁寧だったのですが、如何にも言葉の端端に、私を見下したような口調が見え隠れしていました。
「ショーがないですな。いろいろ教えていただいてありがとうございました。」
「あ、お客様!先ほど御呈示になりましたの、札幌までの単券でございましたね。
よろしければ、KAISOU-KEN ¥240x11枚つづり=2400円を販売してございますがいかがですか?」
「いま、駅員さんたちから買うことができるんですか?」
「さようでございます。」
「そりゃ、助かります。でも駅の自動発券機では・・・」
「実はこれ、車内補充券扱いなんです。ですから改札口の出入りは自動改札口はお使いになれませんので。」
「いや、重ねがさねどーも。(チョット威張ってるけど・・・案外、親切?)。
あの、ところで、かいそうーけんと読めるんですが・・・回数券の・・・」
「いえ、階層を示すので、階層券でよろしいのですよ、お客様。ただ漢字で書きますと、意味がすぐ分かっちゃいますから、アルファベットにして、
読み手の勘違いを誘導するやら、時間稼ぎにしているわけです。」
(嫌な顔つき!!やっぱりこいつら敵だ!!!)。
数日後、手稲駅は、突然元の通勤風景に戻っていました。
何十台もの発券機や、物々しいホームの駅員はモチロン影も形もなくなり・・・、
08:15発の岩見沢行きが手稲につくより早く、岩見沢からやってきて、折り返し08:19の岩見沢行きになる列車も、元々の6輌連結となっていました。
座席は元通りの全部が自由席です。
試しに会社に電話をしてみます。
「あ、カラスです、部長・・・」
「おれだ!」
(しまった、いきなり出られた)。
「早く来てくれ。人手が足らん。12月なんだから少し考えて行動しろ。さてはまた新聞読んでないな?」
「お恥ずかしい次第で。」
昨日、もめにもめて、深夜に「特定機密保護法案」とやらが参院を通過し、近々運用されることになったそうです。
その運用に先立ち、JRは色分け切符をやめたらしいのです。
個人のプライベートなことまで、法律で律することはできませんが、普段使っているそのひとのカラーが分かれば、贈収賄、買収、誘拐、恐喝、ユスリなど、重要人物(紫色など)を拘束して利権をせしめようといった犯罪が多発するであろうことが予測されるのを未然に防ぎたいといったJR側の考えでした。
と同時に、JR北海道は、08:19の<青・赤>者が利用している¥100指定席(およそ定員の80%)、Uシート¥300円指定席(およそ定員の13%)が使用していた追加料金を失うことになりました。
指定席定員は¥100もUシートも40名です。いずれも月から金曜日の5日間の使用。¥100シートは7輌、¥300円シートは2輌でした。
¥100円シート:40席x0.8(80%使用)x7輌分x5(一週間の内5日出勤)x¥100=112000
¥300円シート:40 x0.13 x2 x5 x ¥300=15600
合計127600円(1年間で52週分としたら約81万円・・・せこいな・・・「追加料金を失うことになった」と書くほど大げさなものぢゃなかったね。
今日乗った、電車には、となりに、あのトンガッタ生意気なワカゾーが立っていました。
何となく愉快でした。
「特定機密保護法」施行のおかげで元の生活が戻ってきました。
世間で皆さんが大騒ぎしておいでのようですが、その法律ってそんなに悪いものなんですか?
なんせ、ウチ、新聞とってないし、ラジオ・テレビありませんから・・・
了