これからは、この付近を中心に流すようにとそれとなく受け持ち交替を言い渡された、カラスタクシーの燻製運転手だったが、どーも今日の出番は乗り気になれなかった。
とゆーのも、2,3日前に、前任者から、
「数年落ち着いていたんだけどね、ここんとこ、どーゆーわけかまたでてくるよーになってさ・・・
ゆーべで3回目だったかな?」
「交替前にやめてくださいよ、そんな話!」
「や、悪かったね。急にそんな目にあってもびっくりしないようにって思ってさ・・・」
「はあ・・・」
「元気出せって。毎晩出てるわけでも、ワンサカ出ているわけでないし、確率は低いって。」
*そーか、そーだよな、ソー考えれば・・・と昼間の会話を思い出しながら、運転していると・・・
##通りに差し掛かったとたん、「イカニモ」というのに早速ぶつかってしまった。
「ちっ、やっぱり今日休めばよかった」
とはいっても後の祭り・・・時計を見ると午前2時を少し廻っている・・・
件の人影は、服装こそ黒っぽいスーツをきちんと着こなした女性だったが、髪が長すぎて、顔がよく見えない。
こんなOLと思しき女性が、仕事に支障をきたすほど髪の毛を伸ばすだろうか?
それに、上下服、いくら黒っぽくて光が当たっていないからといって、あんなに陰影ができないものか?
燻製運転手はイブかしげに思いながら、それでも無視しようと通り過ぎる直前まで行ったのだが・・・つかまった。
「・・・やっぱりなー・・・だめかー・・・どちら?」
「・・・・ボチ・・・」
「はい?もう一度お願いします。墓地しか聞こえなかったよ、お客さん。」
「青山ボチ」
「青山ボチですね?承知しました。」
*どーみてみてもまともじゃない。異質だ。なんか聞いてみようか?でも先輩が、ヨケーなこと聞いたら向こうの世界に連れてかれるとも言っていたな。
やっぱ、聞かれたことだけ答えてよ・・・
しばらくすると、これまた受け持ち区の先輩が教えてくれていたように、先ほどの女性は煙のように消えていた。
「うーーーw---、先輩から事前に教えてもらっていても吐きソー・・・」
翌朝、タクシーに乗った女性が青山ボチ近くの有名神社のコマイヌに腰掛けて人事不詳になっているところを発見された。
霊界では、燻製運転手が、人間界と接触を持ったということで厳しく諮問を受けていた。
「なぜ、女性がタクシーストップの手を挙げた時に無視して通り過ぎなかったんだね?」
「その手があったんだっけ・・・」
おあとがよろしい・・・かどうかは、各自が後ろを振り返ってご確認ください・・・