第二次世界大戦中の話です。
ドイツは、主砲が旧式化してしまった、イワユル戦車型装甲戦闘車輌の砲塔をとりさって、無理ない重さの大砲をのせていろいろな自走砲を作りました。
そのような改造自走砲の一つに10.5 leFH18榴弾砲、Wespe(ヴェスペ、すずめばち)という名の自走砲があり、部隊での信頼性も高かったようです(始めの数字:口径=10.5cm砲、le=軽、F=野戦、H=榴弾砲 18=開発NOのようなもの)。
誕生した背景は、第二次大戦開戦時より、装甲・武装とも貧弱であった2号戦車に、10.5cm軽榴弾砲を載せたのですが、ドイツ流は、大砲と車台の組み合わせ、特にバランス、相性など「ジャスト・フィット」させるのが実に上手でした。
この自走砲は1943(昭和18)年から1945年まで作り続けられ、機甲師団内の装甲砲兵大隊に配属されました。生産台数は662台でした。
武装は2号戦車時代の20ミリ機関銃x2から10.5cm榴弾砲に変わったのですから、大幅パワーアップです。
それに、歩兵・時に戦車の後方支援という役目が主ですので、装甲だってそんなに厚くなくてもいいわけです。
といっても日本の当時の主力戦車の97式戦車(18トン、前面装甲25mm、主砲47または57mm、140馬力)とくらべても、ヴェスペは、11.5トン、前面装甲30mm、主砲105mm、140馬力と軽快ですがなかなか要所はしっかり作っています。
伝統の精密機械国+陸軍国のドイツと、富国強兵後たかだか70年しか経っていない付け焼刃的な日本とは、基礎的な科学に立脚した「意図・戦略を理解したうえでの武器作り」の差がはっきり出ているように思えてなりません。
トコロデ、第二次大戦中もう一つ「スズメバチ」を名乗る兵器がありました。
ガダルカナル戦の、まだ日本が多少互角とまでは行かなくとも、連合国といい線で戦っていた頃の話です。
空母「WASPE、ワスプ」、日本の潜水艦に沈められたアメリカの軽空母で「日本語訳はすずめばち」です。
軽空母といいましても、アメリカが、ワシントンン海軍軍縮条約で大型艦を作ることができなくなったため、<大型艦ー従来艦>のスキマができた制限トン数を利用して建造した、「行き当たりばったり的に作られた雰囲気がある軽空母」なのですが、帝国海軍の飛竜・蒼竜クラスと遜色のない立派な空母でありました。
このワスプ、同時期にできた空母に「ホーネット、Hornet」というのが存在しこの日本語訳もスズメバチでありますので、相手に威圧感、いかにも航空兵力の恐怖感を与えるのには格好の命名かとも思えますが、
実は、このワスプ、字面だけを見ますと、アメリカ南部の比較的人種差別の激しかった頃の象徴の頭文字をとったものでもあります。
W White →白人
AS Anglo-Saxon→5世紀半ば、現在のドイツからイギリス本土に移住した、イギリス国民のご先
祖様の「核」となる民族
P Protestant→(キリスト教の)新教
すなわち、白人のアングロ=サクソン族で新教に帰依しているものが英米では最上位とされていました。
実際のワスプは先ほどお話しましたとおり、ガダルカナルに着任した早々に撃沈させられてしまいます。
それでも、"WASP"を「お国の名誉を背負った民族代表の船」と自負を宣言するかのごとく命名されたものなのか?
あるいは、
合理的な考えで、「ホーネット」と組にして、航空機動部隊の一員、「蜂のひとさし」の母艦と考えるべきなのか?
実際のところ、どーなんでしょーネ?