帝国経済興信所管理部です。

 

5月に入ると、家の塀やベランダ、公園の階段など様々なコンクリート壁に、体長1mmほどの小さな赤い虫がチョロチョロ動き回っているのを見ることがあります。

この小さな赤い虫はカベアナタカラダニといいます。

 

タカラダニ類は日本で4属13種が報告されていますが、カベアナタカラダニは人家付近で一番多く見られ、北海道から沖縄まで広く分布しているということです。

タカラダニはコンクリートや岩石、煉瓦など乾いた高温の場所を好み、建物壁面などでよく見られ、毎年春先に卵が孵化し、5月になると成ダニが出現するため、この時期によく見かけます。

成ダニは産卵後に死亡するため、7月以降はほとんど見られなくなるそうです。


産卵場所は、屋上や地上敷地の壁面の隙間や割れ目ですが、このような狭い空間は温度や湿度の変化が少なく、アリやクモなどの外敵から身を守れるため、卵のまま夏・秋・冬を越して翌年の春先に孵化することができるのだそうです。

 

タカラダニは人を刺したり噛んだりすることはありませんが、潰すと赤い体液が皮膚につき、場合によっては皮疹を生じることがあるため、コンクリートの建物の外壁やベランダ、屋上などで大量発生した場合は、水で洗い流すと良いということですよ。