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"zoophilia"(= zoophilism) は "zoo" + "-philia"
”動物”+”~の病的愛好” で、
「病的なほどの動物愛・愛好癖」
という意味です。
動物を愛することは 言うまでもなく とても大切な
ことですが、これが嵩じて 周囲の人たちに迷惑を
かけるようなことになると問題ですね。
ヒッチコック劇場作品 "The Kerry Blue"(愛玩犬
ケリーブルーテリア) に 犬好きの夫が登場します。
どんなお話でしょうか。
ちょっと覗いてみることにいたしましょう。
「Ned Malley と妻は 結婚18年、子供なし、喧嘩
するか 口きかずか のいずれかを繰り返してきた。
妻の Thelma が 結婚5周年記念に 夫 Ned に
贈った ケリーブルーテリア犬 Doc に ふたりは 最も
気を使っている。
商用でクリーブランドへ旅立つ時、Ned は 13歳に
なった Doc の健康を気遣っていた。
Ned が出張から帰ると、Ned の出張中に Doc
の具合が悪くなり 死んでしまった、と Thelma は
Ned に話した。
妻が 先ず獣医を呼ぶこともせずに 犬を森の中に
埋めたことに Ned は 腹を立てた。
Thelma の頬をピシャリと 平手打ちし、Ned は
Doc が いなくなった犬小屋へ這って入っていった。」
(Ned Malley and his wife have been married for 18 years and,
with no children, their interactions alternate between arguments
and silence. They pay most attention to Doc, their Kerry Blue
Terrier, which Thelma had given to Ned on their fifth wedding
anniversary. When Ned is sent on a business trip to Cleveland
he worries about 13-year-old Doc's health, and when he returns
home Thelma informs him that, in his absence, Doc got sick and
died. Ned becomes angry that his wife buried the dog in the woods
without first calling the vet. He slaps Thelma and crawls into
the empty doghouse.)
「次の日、Ned は 医者に行き 睡眠剤を処方して貰った。
その晩、Doc を 生き埋めした と言って 妻 Thelma を
責め立てた。その後、Ned は いきなり 優しくなり、寝る
前に飲みなさい、と 言って Thelma に ホットココア を
入れてやった。
それを飲んだ妻は とても疲れ切った様子で、Ned は
その妻に手を貸してベッドに連れて行った。
そこで Ned は 睡眠薬 ひと瓶全部を ココア に混ぜ
入れたことを 妻に明かした。
おまえは ひょっとする Doc のように 生きたまま埋め
られるかもしれないな、と Ned は 妻に ほのめかした。
階下に降りていった Ned は 悲しそうに鳴く 犬の鳴き声
を耳にした。
きっと Doc が 帰ってきたんだ、と思い込んだ Ned は
外に飛び出し 犬小屋へ急いだ。
犬が そこにいるのを見て あまりにも興奮した Ned は
突然、心臓発作を起こし 死んでしまった。」
(The next day, he visits a doctor and fills a prescription for
sleeping pills. That night, after accusing Thelma of having buried
Doc alive, Ned turns kind and fixes his wife a cup of hot
chocolate before bedtime. She drinks it and grows very tired;
after he helps her to bed, Ned tells his wife that he spiked
her drink with an entire bottle of sleeping pills. He suggests
that she may end up being buried alive, just like their dog.
Ned goes downstairs and hears a dog's whimper. Convinced
that Doc has returned, he rushes out to the doghouse, where
his excitement at seeing the dog causes a sudden, fatal heart
attack. )
「妻の Thelma は 隣の家の人に助けられた。
隣の家の人は 警察を呼んだが、Thelma は 折角 Ned
を喜ばしてあげようと思ったのに 遅すぎたわ、と嘆いた。
Thelma が Ned を 驚かそうとして 犬を 買い求めていた
ことを Ned は 知らずに死んだのであった。
ー 結婚生活が うまくゆかず、子供のない家で 犬がそれ
にとって代わり、夫の 病的なまでの犬愛好癖が嵩じて
妻に殺意を抱いてしまう、という悲しいお話である。」
(Thelma is saved by the next door neighbor, who calls the police,
but she laments that it is too late for Ned, who never knew
that Thelma had bought a new dog to surprise him.
- a sad portrait of a marriage gone wrong, where a dog takes
the place of a child and a husband's affection turns into
murderous obsession................)
お付き合い いただき ありがとう ございました。