在宅医療が軌道にのってくると、要介護の本人も見守るご家族も、気持ちにゆとりが出てきます。

住み慣れた自宅で、自分のペースで生活ができることは、何にも代えがたいものがあります。

 

「家に帰ってきてよかった」

「やっぱり家がいちばんいい」

 

皆さんが実感されると思います。

 

けれどもその一方で、在宅療養をしている時間のすべてが“穏やかな時間”というわけではありません。

 

高齢世代は、時間の経過とともに、少しずつ心身の衰えが進んでいきます。

そして本人の衰えが進むほど、介護をするご家族の精神的・身体的な負担も増えていきます。

 

 

足腰が弱って歩行が不安定になる、

食事がなかなか進まなくなる、

排泄で衣服を汚すことが増える

 

 

そこで無理を続ければ、ご家族のほうが心身の健康を害してしまい、結果的に在宅療養を続けられなくなる例もあります。

 

 

私たち在宅医療チームは、いわば“要介護の人と家族の生活を支えるプロフェッショナル”

要介護の人の状態が変わってきたときには、本人やご家族の意向を尊重しながら、一つひとつ対応を考えていきます。

 

足腰が弱ってきたら、リハビリテーションを増やすこともできます。

筋肉の減少を防ぐために食事内容の見直しを提案することもあります。

 

在宅医療チームは患者さんの生活のなかに入り、継続的に関わっていきます。

小さな変化にも早く気づいて早期に手を打つことで、症状の悪化や進行を防げることも少なくありません。

 

介護者の負担については、そのときの状態に応じた介護法を具体 的にアドバイスしたり、介護保険サービスを見直したりすることで、 負担を軽減できるケースが多々あります。

 

 

 

 

また在宅医療クリニックは、地域の病院とも連携しています。

 

介護を受ける人の状態が安定しているときには家で過ごしていて、病状が悪化したなど何かあったときは入院治療を受ける、という利用の仕方も可能です。

 

 

 

 

 

ただし、

体力が落ちて誤嚥性肺炎で何度も入院をしているような方の場合は例外で、いつまでも入退院を続けることが正解とは限りません。

もし入院したまま家に戻れなくなれば、「家で過ごしたい」という本人 の希望に背くことにもなります。

 

そうしたケースにおいては、肺炎の症状があってもあえて入院ではなく、在宅で治療をする“在宅入院”の提案をすることもあります。

⇨ 病気だけでなく、生活も診る「在宅入院」

 

 

 

 

「在宅医療」他人事ではございません。

「ブログを見た」と言っていただければ結構です。

どうぞお気軽に、ご相談ください。