同じ時間軸で別の場所にたつ自分に聞く | カラッポのマネキン

カラッポのマネキン

ウソと本当のミックスジュース。おいしくどうぞ。

 人生を変えた一瞬は、必ずあるはず。
 私が自覚的に覚えてるのは、とある作品を見たとき。そのとき私はご飯を食べていた。でも目が離せなくて、気がついたら手にもったお茶碗は完全に熱を失っていた。冷めた米粒を口の中に運びながら、私の人生は決まったと思っていた。コレを仕事にしようと決めた。中学生だったと思う。何年の時だったか覚えてない。でもあの冷たいご飯粒の食感を覚えている。
 もう一つは、就職。
 私は面接というものを完全にナメていて「この技術は違法コピーしたソフトで得ました」と普通に言ってしまった。まだそのソフトが30万円以上していた時代だ。みんなそうしていたのに、口に出してしまったのは私だけ。それが社長に怒られて一番希望の会社に入れなかった。
 でも私を面白いと思ってくれた人がいて、その人に救い上げられた。
 その人との出会い。私という人間の形成に大きく関わってる。
 もう一つは、某宿を予約したときだ。
 古い温泉旅館。そこを予約した時から私の人生はコッキリ移動した。子持ちという世界に。その宿でしたセックスで私は妊娠した。セックスを終えて深夜宿で一人で入った温泉をよく覚えている。岩の黒さと空気の熱さ。あの時から、こっち側にきた。そして仕事の一線から退いた。
 私の人生を変えた一瞬だ。

 もしそれをしなかったら、と良く考える。

 あの時あの作品を、スイミングに行っていて見てなかったら。
 私は今の仕事をしていない。ということは、上京もしなかったのかな。
 そしたら実家で就職してた? 何を? あんな田舎で? 何かしてたかな。
 でもやっぱり、クリエイト系を志していただろうな。
 でも、ちがう職業だったら、あの上司に出会えてないのか。
 今と違う旦那と会ってたのかな。

 色々考えるけど、やっぱり今と変わらない私になってる気がするのだ。よくわからないけれど。
 それは今の私を好きだという自信からか。
 
 同じ時間軸で別の場所にたつ自分に聞く。
「ね、そっちはどう?」