「今時、海外縫製っすよ、日本で縫う時代じゃないんでねw」
以前、安売り店の若い店長さんに言われた事が有ります
彼が言うに
「仕事のない日本人の縫い子よりもよっぽど縫ってますよー」
海外に持って行ってしまっては、仕事も育たないですね。
問屋さんの番頭さんが言うに
「海外縫製はなるほど、縫い目は揃っていて細かく綺麗。
分業なんで、背縫いなら、背縫いばっかりを縫っていますから。そりゃ上手くもなるでしょう。
でも、解くとエライ事になってますよ(笑)あり得ないところにハサミが入って、仕立て替えが出来ん。まあ、仕立て替えする程着るかといったら、今時しないですわな。。そうなると、安い海外縫製で充分となるんです。悲しいけどね。」
和裁士さんは、解く事を前提に縫う。細部に至るまで。身頃の襟周りにはハサミが入るがその他のパーツは全て四角形状の布切れになる。洋裁の裁断時に出るような切れ端のゴミは無いに等しい。バラしたパーツは粗めに縫い繋いで反物状に。次の仕立てを待つ。
いつでもバラせる事。日常的に着るわけですから現状の強度が問われる事。
相反する要素の帳尻を、美しく合わせてみせる。
本当に、素晴らしい技術だと思います。
どんなに、素晴らしい技術が有っても、刻み良く仕事が無ければ食べていけない。
食べれないとなると、後継者が育たない。
確かに、反物を買うと決心したのに、何とここにまだ縫い代が乗る。裏物代が乗る。湯のしもする。
一体、幾らかかるの!着物って!やっぱり高い。。
「海外縫製なら、最低でも1~2万は安くなりますよ」
と言われたら。。まあ良いかなとなるでしょう。
ミシン縫いならさらに安くなりますしね。
でも、その差は大きい事を知っていて欲しいんです。
ギャルソンの川久保玲さんの言葉。
「いいものは人の手や時間、努力が必要なので、どうしても高くなってしまう。効率だけを求めていると、将来的には良いものが作れなくなってしまいます。」
「若い人たちが考えたり作ったりする楽しみや必要性を忘れていくのが心配なのです。たとえば、ジーンズ1本が何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しいのです。」
生活を脅かしてまで買うものではありません。(過去には、自己破産の仕方まで教える呉服屋があったと聞きます。そんなのは、論外ですが。)
フルオーダーメイドで、ましてや手縫い。
色無地のお着物なら、色見本から色を自分で選んで白生地から染めるので、縫う前の段階から誂えが始まります。
1人の為に、着やすい様に。
工夫を凝らして縫われた着物に袖を通す喜びを知って貰いたい。あなたの為だけに縫われた或いは染められた、この世に1枚だけの着物。たとう紙の紐をほどく時のあのワクワクする気持ちを知って貰いたいのです。
最近、素敵な和裁士さんに出会う事が出来ました。私が目指す着姿を実現してくれるであろう技術と気持ちのこもったお仕事をしてくださいます。
気持ち、何より大事です。
生徒さんが決心して、頑張って買われた反物を、お預けしたいと思える方。そんな方にやっと会えました。
心底、嬉しい瞬間です。
番頭さんの言葉。
「海外で縫った着物を着ると、何かが違う(笑)居心地が悪いと言うか、バランスが悪いと言うか、いつまで経っても身体に沿ってこない」お付き合いの長いお客様に言われるそうです。
居心地が悪い。。という事は、居心地が良い事を知らなければ理解出来ません。
番頭さん「わかる人を増やさないと。。」
ほんの、端くれの切れっ端で良い。
一助となりたく、教室を開けております。
🔜http://www.kimono-teffteff.com

