彼に連れてこられたのは、欧米籍の旅客機のパイロットたちもチェックインのためにロビーにいるようなホテルだった。


空間を贅沢に使った大きな吹き抜け、欧米人に好まれそうなモダンでお洒落な感じのレストラン、宴会場や会議場用の場所も当然備えていそうな、ちゃんとした場所だ。そんなホテルに彼と来て、休日の朝9時台に男女でチェックインすることが

(周りに対して)気恥ずかしく、彼の横に並んで待つことに気が引けた。


あるいは、ラブラブな関係でセックスするために来た、というわけではないのに、彼と一緒に並んで勘違いされることがシャクだったのかもしれない。


彼がフロントでチェックインしている間、

私は少し離れて窓際に立ち、外の景色を見ていた。


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少し大きな声で呼ばれたので振り返ると、彼がフロントのスタッフに誘導されて歩き始めるところだった。

今まで、人前で呼び捨てにされたことはなく、

今回そうされたことが少し嬉しかった。

(フロントのスタッフの手前、夫婦のふりでもしてるのかな?)


スタッフに誘導されて進む。ロビーからエレベーターホールに繋がるところに大きな扉があり、そこにカードキーをかざさないと先に進めない構造になっていた。


エレベーターの前にはすでに1組の男女が並んでいた。ひとまわり上の年代の、おそらくは夫婦だろう。エレベーターが来た時、私たちは歩みの速度を落としてその2人を見送り、次のエレベーターを待った。そうしようと言葉を交わしたわけではないが、ほんの少し目配せしただけでお互いの意図が分かった。


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