私は目をつぶって腰を激しく振りながら、

彼の身体を触りたくて左手を伸ばすが

宙をまさぐった状態になった。


それが彼の頬にピタッとあたり

そうかと思うと生暖かい感触が指先に伝わった。

その感触は初めてのことだったしとても意外だったのだが、

彼が私の指先を口に含んで舐めているのだった。

下半身はテコの原理でGスポットに彼が直撃し、

手の指は彼に食まれている。

私はゾクゾクするような愉楽を感じた。


そのうち彼に指を舐められているというシチュエーションを自ら中断して、

反対側の右手で彼の頬をゆっくり艶かしく撫で、

目を開けて懇願した。

突然そう言いたくなったのだ。

 

ねぇ、唾液飲ませて?」

「いいよ」

 

以前も1度、そのお願いをしたことがあった。

なので彼は戸惑うことなく私の口内に唾液を含ませた。


「美味しい…」

彼はこの光景に興奮を覚えたのか、

急に猛々しく、焦燥感に駆られるように、

何度も何度も私の口に唾液を注ぎ込んだ。


(彼以外だと唾液のにおいが気になってキスすら嫌なのに、なぜか彼だと体臭も唾液もにおいを感じない。それどころか本当に美味しく感じてしまうのだ。)


私は、彼を愛おしく思う気持ちから

彼の頭を両手で狂おしく抱えるようにして唾液を受け止めた。


そして時々、彼の耳を塞ぐようにして

水音が増幅するようにした。


2人とも汗だくになっているのに、

彼の唾液の量はどんどん増えてきて、

彼から受け止めた唾液が溢れて

私の口周辺がビショビショになり、

そこに彼が自分の唇を滑らせる状態になり、

えもいわれぬ密着感だった。


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