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優れた美人になるために

32歳になってからはじめた(2008年4月スタート)歯列矯正の日記です

矯正をやると決めてからはインターネットで都内の歯科を調べる。私の場合、一番ネックになっているのは費用だったのでできれば安いほうがいい。しかし、安いだけで技術が低ければまさに「安物買いの銭失い」であり、自分の体を張ってやることなので、数万円けちってその後の人生を暗くしてはまったく悲劇である。


そして、三つの矯正歯科の無料相談を受けることにした。都内ではかなりリーズナブルである西新宿のCオフィス、家の近所で評判のよかったK矯正歯科医院、mixiで話題になっていたS歯科。


結果を言うと、まずS歯科は平日昼間でも非常に混んでいるためかなりの時間をまたされた。いつもそうなのだろう、待合室には漫画がたくさんおいてある。私もピアノの森を読破してしまったぐらいだ。無料診断なのにレントゲンも撮って細かいところまで診断してくれたことはありがたく思うが、先生の性格(愛想がよすぎるところ)が私とあわないような気がしたのと、次の予約を取らないと帰らせてくれないような雰囲気があったことがかなりの減点となった。結局予約をしたが、電話で後日断った。


K矯正歯科は、元大学の矯正歯科の先生が個人で開いている医院で、講演会などもやっているらしく、さすが何十年も経験があることから、自信もありとても対応がよかった。医院の雰囲気も派手でも地味でもなく安心できる感じである。費用も80万円ということで一番妥当なところなのだろう。


Cオフィスは、トータルで52万円という安さがかなりの魅力である。ただ一生のことなので、少しでも気になる点があったらやめようと思いつつ無料診断を受けたのだが、とても丁寧に対応してくれた。横顔や歯の撮影をし、これまでの患者さんの矯正治療の画像などを見せてくれ参考になった。


結局、K矯正歯科とCオフィスのどちらにしようかと迷ったが、同じぐらいのことで迷っているのなら安いほうにしてみようということでCオフィスに決定。しかし、その後、結婚式が控えていたので、もう一度Cオフィスをおとずれるのは、結婚式が終わった半年後の4月になる。

32歳までずっと八重歯を抱え、歯の矯正がしたいしたいと思いつつずっと踏み切れなかった私がここにきてやろうと思ったきっかけは結婚式である。


結婚式。それは一日(正確には数時間)のために莫大なる費用をかけて作り上げる個人レベルでは人生最高のイベントである。


結婚式なんてお金の無駄、そう思っていた私はこの自分のイベントのために大きな金額がたやすく動いていくことに、とにかくおどろいた。たかがケーキのために、たかがテーブルの花のために、数万円が費やされるのだ。そして、それを誰もがおかしなことだと思わない。


思えば私は飾ること、つまり美容にお金をかけることを悪いことだと思っている傾向があった。エステに数万円払っている友人を理解できなかったし、服などを衝動買いしたあとはなんとなく後ろめたい気持ちになる。


しかし、最大のお飾りイベントである結婚式には当初予想したよりもかなり費用をかけた。元々結婚式になんのあこがれもなかったのにもかかわらず、である。もともとこだわりの強い性格がわざわいして、やるときめたからには納得のいくものをとなり、そうなると必然的にお金もかかる。こんなにお金を使っていいのだろうかという不安は「一生に一度なんだから」という使い古されたフレーズにカモフラージュされ、なんのための貯金だろう、思い切って使わなきゃ意味がないという気持ちになってくる。まさに結婚式マジックである。


結局、私にとっての結婚式はお金の使い方を考え直したイベントだったわけで、


→やりたいと思ったらお金をかけてもやればいい

→お金の使い方は自由である

→どんなことにお金を使おうと後ろめたい気持ちになることはない


となり、こんなに結婚式にお金をかけているんだから、長年考慮していた歯の矯正こそやらなければ、という考えにいたったのである。


そう開眼した私はすぐにでも歯の矯正をはじめたくなったのだが(矯正は早ければ早いほうがいいだろうし)、ただ歯に矯正装置がついた状態で結婚式の写真を残したくはない。そこで半年後の結婚式が終わったらすぐにはじめることを決めたのだった。


思えばその半年は結婚式よりも結婚式が終わってからはじまる矯正の方が楽しみだったかもしれない。



私の歯並びは悪い。


突出した八重歯が顔の右側にあり、その隣の歯は内側にくぼんでいるおかげでさらに八重歯を引き立たせている。歯のセンターラインは大幅にずれており、大きく笑っている写真を見ると、顎はゆがみ、受け口になっている。


そんな歯並びでも32歳まで矯正しなかったのは、周りのやさしいおもいやりのおかげである。


①八重歯がかわいい


こう言ってくれる男性が少なからずいたわけだ。

八重歯アイドル全盛期の70~80年代ならともかく現代においても本当に八重歯をかわいいと思っているのか、それともたんなるくどき文句なのかわからないが、とにかく八重歯があなたのチャームポイントだと断言してくれる人はわりといたのである。しかし、20代もすぎるとかわいいという形容詞に素直によろこんでいいのかという気持ちも出てくるし、歳をとればとるほど口元の清潔感が重要になってくる。八重歯に清潔感という言葉は結びつかない。


②気にするほどひどくないよ


これは親や女友達の言葉である。

歯列矯正を10代のうちにやらせてもらわなかったという怨みをはねかえすために、「歯列矯正はみるからにひどすぎる人がやるもの。あんたのはそこまでではない」と言い、親は自己を正当化する。

また女友達でそう言ってくる人は大抵とてもきれいな歯並びをしている。そのため、人の歯並びなど気にもしないのであろう。しかし、気にするほど、と言っている時点で「歯並びはよくない」と思っているのは確かな証拠で、たとえばこれは太っている人に対して「少しぐらいぽっちゃりしてるぐらいがかわいいよ」と同様のなぐさめだと考えると、やはり絶対歯並びはきれいにしたほうがいいんじゃないかと思われる。


③費用が途方もなく高い


大人になってから矯正を始めると100万近くかかるというのが都内の平均である。この値段を見るたびにさすがにそこまでお金をかけて歯を治す必要はないんじゃないかと思えてくる。しかし、分割払いができるこということ、また自費治療なので探してみれば60万前後で矯正治療をしてくれる歯科もあることがわかり、一番のネックだったはずの費用の問題は意外とクリアできるものだった。