感染予防について 第二弾 | 歯があるのが当たり前の社会をつくりたい

歯があるのが当たり前の社会をつくりたい

歯は臓器。まだまだ知られていない歯の働きや歯が原因の病気もたくさんあります。虫歯のない社会、歯があるのが当たり前の社会をつくりましょう!

第一弾よりつづきです!

口腔免疫を破壊する

口の中に常在菌がいることによって外部からの侵入を防ぐことが出来るバリア機能があることは前述しましたが、これだけ予防の常識とうがい薬に対する考えが変わってきたのに全く変わらないものがあります。それは市販の歯磨き粉です。いまだに歯磨き粉の多くには界面活性剤をはじめとして様々な化学的な添加物が使用されており、容易に口腔内の細菌叢を破壊しているのです。朝昼晩の歯磨きで使用している方もいるでしょう。そういった方は常に口腔内のバリア機能を破壊し、口腔免疫を下げていると言っても過言ではありません。

ではどのようにして口腔内フローラを守ったらよいのでしょうか。その答えは簡単、うがいと同様に「水」です。歯磨き粉を使わずに歯磨きを行えばいいのです。

 

口腔免疫を守る、本物の歯磨き

歯周病が悪化することによって様々な健康被害をもたらし、ひいては全身免疫機能の低下や感染症の悪化につながっていきます。

3人に2人が口腔内のトラブルが原因で死亡しているとしたら。

30歳以上の80%が歯周病にかかっていると言われています。歯周病菌は歯肉から毛細血管内に入り込み、至る所で血栓をつくり、血管を詰まらせます。日本人の死因の第2位は心疾患、第3位は誤嚥性肺炎、第4位は脳血管疾患なのです。また、慢性炎症と癌との関係も示唆されており、なんと死亡率第1位の悪性腫瘍とも関連していると言われています。

さらに、歯周病は糖尿病やアルツハイマー病の原因にもなっており、他にも動脈硬化、

肥満、早産や低体重児、骨粗しょう症の発生と関わっていると言われています。つま

り身体の中で常に感染状態であり、慢性的に炎症を起こしているのが口で、これが

血管に侵入したり飲み込んだりして全身を回り、結果的に直接組織にダメージを与え

ています。歯周病は、多くの病気の始まりとなっていたのです。

そのため、歯周病を予防するということは、歯を守るということ以上に健康な身体と

命を守ることにも繋がっていきます。長期的に見れば新型コロナへの感染予防のみ

ならず、重篤化の回避にも有効な手段だと言えます。

歯磨きは家の掃除と同じ

ほとんどの方が毎日歯磨きを行っているのに80%以上の方が歯周病になっている。

なぜこのような事態になるのでしょうか。それは、ほとんどの方が歯磨きの方法を間

違えているため、口腔内での感染・炎症が惹起されやすくなっているからです。つま

り、口腔免疫が落ちているのです。

本来、口の中の掃除である歯磨きと家の掃除は同じです。しかし、ほとんどの方が

歯磨きは洗剤を付けて行う「食器洗い」だと思っています。良い洗剤とスポンジを使

えば「短時間にピカピカに磨ける!」といったイメージで歯磨きをしているのではない

でしょうか。テレビでも新商品の歯ブラシや歯磨き粉のCMはよく流れており、さもす

ごい効果があるような商品が続々と登場してきます。でも、80%の人が歯周病なの

です。はっきり言って、どんなにいい道具を使ってもきちんとやらなければ効果はで

ません。そもそも磨き方や歯磨きに対する意識が間違っているのです。この歯磨き

の意識改革だけで、口腔内環境の結果が大きく変わります。

「歯ブラシ」はブラシですから「ホウキ」と同じ形状です。つまり歯磨きとは「食器洗い」

ではなく「家の掃き掃除」なのです。皆さんは家の掃除をするとき、一番どこに気を使

いますか?ホコリがたくさん溜まっている「隅」を念入りに掃除しますよね。適当に掃

除をしているとかえって隅に汚れを押し込んでしまいます。実は口の中も全く一緒

だったのです。

「隅」を狙うのが第一のポイント

「家の中をキレイにするにはどうしたらいいですか?」と尋ねると皆さん「時間をかけ

て丁寧に細かいところを掃除します」と答えます。

では口に溜まっている汚れを落とすにはどうしたらよいでしょうか。

答えは「時間をかけて丁寧に細かいところをやる」

そこに細かいテクニックはいらないのです。はじめのうちは「時間をかけて磨く」しか

ないのです。

まずは10分間を目指して磨いてください。

ただ、家庭で掃除をするのと、口の中の掃除では、決定的に違うところがあります。そ

れは、「目に見えない」ということです。部屋の掃除の場合は、隅に溜まっているホコリ

やゴミが目に見えますから、見た目からキレイになったかどうか判別することができま

す。ところが、歯磨きの場合は、目に見えないので、たくさん磨き残しがあっても気が

つきません。目をつぶって、部屋を掃除していくのと似ています。見えないからこそ、

気をつけていただきたいことがあります。口の中も部屋と一緒で隅っこに汚れがた

まっていくのです。写真のように赤い部分が口の中の細かい部分ですが、この部分

だけが虫歯になり、歯周病になります。赤いところ以外がトラブルになる可能性は非

常に低いのです。しかし、今の歯磨きの常識では赤いところ以外もしっかり磨かなけ

ればと思いこんでいる人がいます。はっきり言って意識して磨く必要はありません。

家で言うと床の中央を一生懸命掃除しているようなもので、元々汚れが溜まらない

のです。ですから、「危険部位だけを意識して磨く」これがお掃除と歯磨きの基本です。

歯磨きのイメージが少し変わってきましたか。以上のことを踏まえて、次回は歯磨きの

ポイントです。                               第三弾へつづく・・