ジーン・シモンズ先生。
言わずと知れた、KISSのフロントマンであり、ベーシスト、コンポーザー、プロデューサー。
高校時代、KISSの人気は低迷期。ちょうど、エルダーがリリースされたあたり。
70年代の絶頂期も、ファンとしては、かする程度だが、記憶している。
右肩下がり期からの、KISSアーミー。
そこに、Creature of the night のリリース。
ポップな路線の、アンマスクドから、コンセプト系のエルダー(ポール・スタンレーは乗り気でなかったらしいが)に移行し、方向性がいまひとつハッキリしなかったモヤモヤの中、いきなりメタル色を強く打ち出したこのアルバムのインパクトは強かった。更に、エースの脱退を前提としたようなテクニカルなギタープレイは、衝撃的だった。
この後、メイクを落とし、Lick it upをリリースし、人気を徐々に回復して、今に至る。
KISSは、法的にはジーンとポールのみが正式なメンバーらしいが、ポールのインタビューによれば、将来、ジーンもポールもいない、KISSでも良いのではないか、みたいな発言も。
要は、KISSは、あのメイクをして、楽曲を奏で、パフォーマンスを行う企業のようなもの。
こういうスタンスが、高校時代のバンド仲間の幾人かには気に入らなかったようだ。
ジューダスプリーストやアイアンメイデンみたく、骨のある、音楽、ではない、と。
ギミック、メイク、シンプルな楽曲、派手な演出、数々のロイヤルティビジネス、、、
子ども向け、と言うイメージで見ていた人が多かった。
なので、高校時代は肩身の狭い思いをしていた。
しかし、この、現代でもKISSは、しっかり生き残っている。
その背景は、彼等の、特にジーン・シモンズ先生のビジネスセンスによるところが多いのではないか。
自らも記し、研究もされてきた。
詳しくは先達に譲るとして。
よくある話。
バンドがファンが付き、デビュー。
ただし、レーベルからの指示で金髪にしたり、キャッチーな楽曲をやらされたり。
本人達の意向は無視してでも、大人、経済の事情。
KISSの強さは、まさに、ココにあると思う。
彼等は、この「事情」、を自分達のモノにしたところなんだと思う。
KISSに関わる利権を自分達で囲いこんだ、ビジネスマンだったのだろう。
メイクを商標登録し、ライセンサーとなり、音楽に留まらない、ビジネスへ展開していった。
大人が、ではなく、KISSが自ら、である。
だからこそ、時代に合わせて、KISSがKISSをコントロールできてきている。
それと、楽曲。
他の見解もあるとは思うが、彼らの楽曲の時間変遷としてはおおよそ、次のような経緯。
シンプルなロック→ドラマチックなロック(デストロイヤー)→ポップなロック(ダイナスティ・アンマスクド)→ヘビメタ〜ヘアーメタル(クリーチャー以降)→ダーク〜グランジ(リベンジ・カーニバル)→再メイク、シンプルなロックへ回帰。
楽曲の面でも、変幻自在だが、どの時代の楽曲でも、ボーカルなしでも、ジーン、ポール、どちらが書いたか一発で、わかる。
音楽の芯は、常にシッカリしているが、彼等の器用さ、プロデューサー、ディレクター、ミキサーの使い方で、時代に合った音を作り上げている。
だから、KISSの入門アルバムは?といきなり聞かれても答えられないが、好みのバンドなり、音楽を教えてもらえれば、「ならば◯◯がおすすめ」と即座に答えられる。
もう一つ、は、あのパフォーマンスだ。
ド派手な、ギミック。
火炎、浮遊、せり上がり、紙吹雪、、、
彼等が言う通り、ロックン・ロールサーカスだ。
何度も観たが、あの劇的な展開には、鳥肌が立つ。
恐らく、聞いた事がない人でも充分に楽しめると思う。
ごく初期のインタビュー。
ミュージックライフかなんかで読んだ。
「一生懸命働いて、お金を貯めてチケットを買ってくれたファンが、楽しみにしていたコンサートで、ジーンズにTシャツじゃ失礼だろ?だから、派手にやるのさ」このような趣旨の記事を読んで、さすがプロだなあ、と感心したのを覚えている。
あ、もち、ジーンズにTシャツ、否定はしませんよ。
何が良くて、何が悪い、ではなく、KISSが今でも金を生み出し続けている理由、と言うことで。