第1位!
CREATURES OF THE NIGHT 1982
真夜中のいきものがかり(w)
ワタシ的、ナンバー1 アルバム。
キッスとしては、最大のターニングポイントになるアルバムだと思っている。
シンプルなロックでデビュー。ド派手なステージとメイクで人気を得た。成長する中、音楽性もシンプルなロックに厚みが加わって、トップアーティストに登りつめる。
マーチャンダイジングのノウハウも駆使して、ミュージシャンに止まらない、キャラクター事業になっていく。
アルバムDYNASTYを契機に、より幅広い層に、売れるよう仕向けていくようになった。
キッス自体が、巨大化する一方、音楽的には、キッスの器用さも、あり、キッスであり続けながらポップでキャッチーな方向に進み出す。
成功も手にして、緩みもあったのかも知れない。徐々に売上を落としていく。
そんな中で、アルバムELDERがリリースされる。
映画化も意識して作られたらしい、まあ、ジーンの余興的な作品。
少年の成長を追う、コンセプトアルバム。
おそらく、キッス史上、最大の失敗作だと。
個人的には、実は、以下の事情から評価しているのだが、一般的には失敗作との評価が多く、その気持もわかる。
シンプルなロックからポップになり、突然のコンセプトアルバム。
余談だが、ELDERは国内盤と米国盤では曲順が異なる。そもそも、なんの拘りによる曲順変更なのかは知らないが、大凡、曲順をいじられたアルバムは、だいたい一般的には失敗作とされる。
キッスでは、ELDERと、このCREATURES〜が曲順をいじられている。
やはり、当初、オリジナルが良い。
で、ここまでが、CREATURES〜発売前の状況。
キッスファンとしては、ELDERは「なんかチョイ変わったなあ」と、なんとなく、流れで聴いていた感じ。
よく考えると、直前のアルバムUNMASKEDから比べると結構な変貌だったが、間に新曲4曲入りのベスト盤がリリースされていて、その新曲がUNMASKEDよりハードに振られていたので、ELDERも、まあ、なんとなく受け入れた感じ。
そこに、予備情報もなく、CREATURES〜のリリース。
当時、A 面、レコードに針を落とし、タイトルチューンのドラムが入った途端、衝撃が走った。鳥肌。
「これが、新しいキッスか!!」
ともかく、あの時の衝撃は忘れられない。
よく考えると、ELDERにヒントが隠れていた。
収録曲のTHE OATH、I、などは、CREATURES〜に繋がる雰囲気があった。オーケストラの使用やコンセプトアルバムとのイメージに覆われているが、結構ヘビーなサウンドだ。CREATURES〜に続く音楽性が示されている。
CREATURES〜は、端的に言えば荒々しく、荒削り、シンプルで計算され尽くした、そんなアルバム。
キッスが新しい姿を見せた。
当時の右肩下がりの状況。
彼等の事、充分な成功も得て、中南米では人気絶頂のタイミング。「なんとかしたい」などと言うものではなく、新しい姿のキッスの実験開始、程度なんだろうが、アルバムに流れる緊張感、張りつめたテンション、が伝わる。緊張感、緊迫感を演出した、と言ったほうが彼ららしいかも。
なんせ、最高傑作と思っている。
第3位からキッスの中では明らかダークなキッスが続くが、明るいキッスもイイ。音楽性やイメージの変化のタイミングのキッスが好みなのだと思う。
このアルバム、レコードの時代と言う事もあり、A面、B面の切り替えにも、緊張感が、あった。
音は薄め。後に、リマスターが出たが、なんか更に抜け感強くなり、オリジナルマスターが良い。
当時の衝撃を思い出しながら、、、
輸入盤でいち早く購入。いそいそ家路を急ぎ、はやる気持ちを抑えつつ、レコードをセットして、ユックリと針 を落とす。
A 面
1.CREATURE OF THE NIGHT
VIDEO
タイトルチューン。
「ダンドダンドダドダド!!」
ドラムイントロ。ガーンときた。
ミディアムテンポ、緊迫感、疾走感溢れるドラマチックな展開。新しいキッス、を宣言するにふさわしい1曲目。
ポールの、声質が完全に曲に嵌った。
ギターソロに繋がる展開も盛り上がりポイント。
直前にミュートが入り、アーミングからスムースにソロへと。で、 ソロを聴いた途端、「??絶対、エースやない!」。
エースの音でもなく、運指でもない。
明らかに使っているスケールがエースとちがう。
脱退直前、実はCREATURES〜のギターは、 当時、ブルースキューリック兄の、ボブキューリック、だと、聞いたのだが、ネットで調べると、第2代ギタリストとなる、ヴィニビニービンセントとの話も、ある。
いずれにせよ、エースではなく、エースに合う曲ではない。
明らかに、このアルバムでは、ギターが違う。テクニック、音、のみならず、弾き方が違う。
曲中の、ギターのオカズ、コード、などこれまでのキッスと全く異なるもの。
この曲(緊迫感・疾走感・ミディアムテンポ・ドラマチック・ポール作)を「1曲目コンセプト」と勝手に名付けるが、この先のアルバムにも、1曲目コンセプト曲が入っている。Lick it upのExciter、AnimalizeのIve had enough、AsylumのKing of the mountain、Crazy NightのIll fight hell to hold you(2曲目)が、 同じコンセプトの曲で、いずれも、超カッコイイ。
2.SAINT AND SINNER
前曲は、フェードアウトせず、ストップエンド。
ジャン、と軽いエコーが消えたか、消えないか、なタイミングで、ギターが単音でリズムを刻み出す。
タメでドラムが入り、ベースが被さる。
ジーンらしい、独特な展開のミディアムテンポ。
ベースのピッキングもこれまでになく強く、音処理も秀逸。
1曲目から転じて、疾走感ではない、縦 ノリ。
ポールからジーンへのバトンが、劇中のシーン転換みたいな効果を生む。
緊迫感から転じての縦ノリ。
フェードアウトで終了。
3.KEEP ME COMIN
90年代にかけて、アルバムの中ほど前半で使われるパターンの原型。
ポールスタイルのロック。語りに近い歌い口。BメロとBメロからサビへの展開がシビれる。
ギターソロへのブリッジはポールらしい手法。
ユニゾンから入るソロは、「あれ?エース?」と思わせる雰囲気もある。
サビリフレインのフェードアウト。
4.ROCK & ROLL HELL
この映像、キッスクルーズのもの。
最近のモノなんだが、注目は、セットと衣装、ギター。CREATURES〜ツアー当時の完全再現。懐かし&うらやま〜。以下のI LOVE IT LOUDのPV参照。30年の時を経て再現!
VIDEO
ポール、ジーン、ポールからの、交互でバトン。
グリッサンドからはいり、ベースのみになる、重い展開。ここでも、ベースの処理が際立つ。このアルバムでは、ギターも今までと違う音処理。
ジーンらしさが良く出た曲。聴き込むとカッコよさがよくわかる。次の、アルバムのAND ON THE 8TH DAYなどが同系。
エースではないので、おそらくレスポールではない。
おそらく、JACKSONなどの当時流行りのスルーネックストラト的なギター。乾いた感じのハンバッカーが80年代チック。
高音の目立つリフが多いが、キャラキャラした乾き気味の音が良い。
基本、音に関してはシンプルでライブ感が強く、一般的には特に評価されているものではないが、個人的には好み。
Bメロのギターがキラキラしていて、サビに入る前のジーンのボーカルにかかるエコーがイイ。
後半に目立つギターのオカズも、エンディングにかけて曲を盛り上げる。
5.DANGER
キター!!
A 面の最後を飾る、ワタシ的、キッスの最高傑作!
って、なかなか賛同者は現れんが、、、、
タイトル通り、強烈な緊迫感。
歌詞も、トンがった雰囲気。
サイレンのようにギターが、イントロを奏でる。
スネアが、被さり、タメが最高潮に達する。
ミディアムファスト、絶妙なリズム、ドラムが入りギターリフが始まる。
強く押し出されるように、パワーコードに乗ってポールのボーカルが入る。
Cメロへの入りは、ギターのオカズからのハイフレのコード弾き。この音がまた、たまらん。
サビに向けてポールのボーカルが盛り上げていく。
当時のトレンド、裏拍のリフ。
サビ。空耳アワーで、店長、店長、クビ〜と聴こえると(爆)。
A メロからの繰り返し。
ポールのボーカルは勢いを増し、音階も上げ気味に。
ギターソロは曲調にしては、抑え気味。
聴かせるソロで、むしろ緊張感が高まる。
ソロ後のCメロ。サビ前2小節エクステンションのタメ。サビリフレインで、盛り上がりつつ、気を持たせたまま、ストップエンド。
リバーブの余韻で、A 面が終わる。
この、寸どまりなエンディングが、B 面への期待感を煽る。
DANGERの独特な緊迫感の演出。
良く聴くと判る、仕掛け、がある。
ドラムだが、ハイハットは8ビートではなく、4ビート。 ミディアムテンポで手数が少ないので、スピード感がある。
しかし、実は後ろで、16ビートのハイハットがオーバーダブされている。多分、オーバーダブ。1人でライブでは不可能と思われる。
この、16ビートのハイハットが、時計の秒針や迫ってくる足音のような効果を生んでいる。
DANGERの緊迫感、危機感、緊張感は仕組まれているのだ(多分)。
A 面が終わり、針が上がる。
ドラマの前編後編、小説の上巻下巻のようなもの。
DANGERの余韻を楽しみにながら、レコード盤をひっくり返す。
帯電防止のスプレーを吹いて、レコード拭きで綺麗に埃を拭き取る。
アナログならでは、で、埃が盤に付いていると、パチパチノイズの原因に。
レコードならではの醍醐味。 デジカメなんかも同じで銀塩フィルムの時代は、写真は現像するまでの数日のワクワクがあったもの。音楽を聴くのも、今みたいに簡単、ではなかった。
B面
1.I LOVE IT LOUD
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B面のスタートは、 キッスのアンセムの、一つ。
B面に裏返す行為で、一旦ブレークが入る。
なので、当方は、ウォークマン用には46分カセットテープを使用して、録音。
カセットテープにもA 面、B面があった。46分カセットテープは、LPレコードの一般的な録音時間(音質を保てる推奨時間)に合わせて設定されていた。
たまに、片面23分を超えるレコードもあったが、大凡46分カセットテープで、レコードを1枚録音できた。
90分カセットテープを使用すれば、A 面B面連続で片面に録音できたのだが、A 面B面のレコードを前提にしてアルバム制作されている(ハズ)なので、基本的に46分カセットテープを使っていた。
話しが逸れたが、一旦ブレーク後の、再スタート。それに、ふさわしい、曲だ。
バスドラが 重々しいリズムを刻み。コールが入る。
「オーオーオーオーヤー」のリフレイン。
ライブ定番のジーンの煽りと、ファンのコール。
重々しい、ジーンの真骨頂。
超定番曲。
初期のGOD OF THUNDER(DESTROYER)と同じく、ジーンによる盛り上げ曲。
ちなみに、基本的にキッスは曲を書いたメンバーがメインボーカルを取る、が、GOD OF THUNDERは、ジーンがボーカルを取り、かつ、ジーンらしい曲だが、実はポールの曲。ジーンをイメージして書いたと曲、との事。
こちらは、ジーンによるジーンの歌う曲。CREATURE〜のシングルカットはこの曲。
明らか、ライブでのファンとの掛け合いを想定して書かれている。
サビのリフレインがエンディング。一度フェードアウトするが再度フェードイン。また、フェードアウトする。奴らがやって来た。去って行った。また戻って来た。そんな感じ。
2.I STILL LOVE YOU
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硬派な、マイナーバラード。
これまでになく、この先もない。
ある意味、キッスらしくない、佳曲。
まあ、編曲、アレンジ次第ではあるが、シンプルなだけに、同じマイナーバラードのREASON TO LIVE(CRAZY NIGHTS)よりも、重い感じ。
また、ポールのボーカリストとしての上手さがよく出ている。
クリーンで、エフェクトの余り掛かっていないアルペジオから始まる。ポールのボーカルが被さり、シットリと歌い上げる。Cメロの頭、歌詞が詰まる(小節内の単語数が多い)歌い方になり、サビに向けてテンションが上がる。ポールの切ない叫び、「I STILL....」でタメて「LOVE YOUうう〜」で爆発。リフレイン。
ギターソロは聴かせる系。
サビリフレインとギターの被せでフェードアウト。
キッスとしては唯一無二な雰囲気のバラードだ。
3.KILLER
重々しいバラードから一転、ギターリフとジーンのボーカルから始まるアップテンポのハードな曲。
歌詞もジーンらしく、前曲とのコントラストが激しい。このアルバムでは、特にジーンの曲でベースの音処理がカッコイイ。
メジャー、マイナー混合で、独特な雰囲気。
サビの部分、ギターの被せがカッケー。
ソロの部分はギターを、際立たせる構成に変化。
サビでストップエンド。
4.WAR MACHINE
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後々、SOMEBODYなどのスマッシュヒットでトップアーティストに登りつめる、ブライアン・アダムスが作曲でクレジットされている。
ブライアン・アダムスはキッスとの関係が深い。
KILLERのストップエンドから重々しいギターが入る。
遅れ気味に入るボーカルの構成は、確かに、他の曲とは違う雰囲気を持つ。
というか、明らか、ブライアン・アダムスの曲なのだ。と言うのは、高校時代に、この曲を、ブライアン・アダムスっぽいアレンジで演奏してみたところ、ブライアン・アダムスそのもの、になる。
ギターソロは独特な雰囲気。
重々しい印象を残しながら、ゆっくりとエンディング。
残像を残しつつ、ふっと、終わる。
CREATURES〜を、ベスト・オブ・ベスト、に挙げる人は余り多くない、とは思う。
キッスの長い歴史の中では、やはり、オリジナルキッスの、姿が強いオーラを発している。
当方も、もちろん、オリジナルキッスの復活はウレシイし、MONSTERは、車に常備。
同じ、長い歴史があるからこそ、自分が当時受けた衝撃も影響の大きさもあるとは思うが、個人的なベストはこのアルバムなり。