40年、と言う単位。
まあ、キリ良く50年でも構わないのだが、40年とする。
大雑把だが、音楽を聴き込む年齢を20歳だと仮定。
今年は2021年なんで、40年前は1981年。
こんな曲が流れていた。
当然、古びた感じもあるだろう。
特に、サウンドエンジニアリングの部分での違いは大きい。
サウンドの空間設計はだいぶ違う。
現在20歳の人からすれば、40年前の音楽だが、今聴いても、今の音楽と並べても極端な違和感は無いのでは?
特に、ハードロックでは、40年前も今も殆ど違いがない。
余談だが、AC/DCの新譜に対して「全然進化していない」とか「前のアルバムと違いがわからない」みたいな、批判的評価がある、と聞く。
これは、ワロた。
AC/DC、アルバムが進化していたら、AC/DCでわないわいな。
2バス、裏拍、キーボードでも入れる?
いやいや、AC/DCは、常に期待通りで、期待以下でも、以上でもない、安定のサウンドこそ、AC/DCであり、そこから逸れることはない。
しかし、だ。
変わらぬAC/DCを40年愛する当方は、この批判的評価が、ウレシイのだ。
アンガスも65歳、ブライアンに至っては73歳。
そんなバンドが、進化を求められている。
まだ、最前線のバンドとして見てくれているからこそ、進化や変化がない、との批判をしてもらえるのだろう。そう言う目で見てくれている人達がいるのは、多分良い事なんだとおもう。
さて、脱線を戻して。
それでは、40年前当時に、20歳だった人達にハナシを置き換えてみよう。
同じ条件だ。
1981年の40年前。
1941年になる。
これが、1941年のビルボードの1から3位だ。
この当時に「ビルボード」があったこと自体が驚きなんだが、まあ、1981年の曲達と並べてみると、あきらかに違和感がある。
ビッグバンド形態が主流だった1940年代からの40年間の進化。
1981年からの40年、と、1941年からの40年。違いは何か?
それは、とあるバンドの存在だ。
当方世代は、その直接的なジェネレーションではないが、当日まだ記憶に新しく、皆が影響を受けたモノ。
個人的には、音楽的に好みでは無く、振り返るに、レコードも、CDも、DLも、今に至るまで手に入れた事もないが、殆どの曲を知っている。
その存在が、2つの40年の違いを決定付けている。
それは、ビートルズ。
リバプール出身の4人組。
もちろん、彼らは突然飛び出した革命家なわけではない。クリケッツなり、リトル・リチャードなり、ロック、ロカビリーにおいて、音楽的にはビートルズに繋がるラインや胎動はあった。
そんな、中「バンド」がコアになる音楽。
ホーンや女性コーラス達のない、固定メンバーなバンドとして、ビートルズが登場する。
単に登場だけであれば、ビートルズと同時に、同じような形態、音楽性のバンドは他にも沢山生まれていたとは思う。ビートルズだけが特別な革命家だったのではないだろう。
ただ、ビートルズは、違った。
売れた事。
それが、ビートルズ最大の功績だろう。
今のバンドの形態の始祖。
ドラム、ベースの「リズム隊」が基本。
バスドラ(ベードラ・キック)に、ベースが乗り、リズムを刻む音楽が、生まれ、それ以降今に至るまで60年に渡り、生き続けている。
実は1960年前後からのビートルズ以降、60年、音楽って変化はしているが、進化はしていない。
イノベーションは起こっていない。
ビートを刻むドラムと、そのビートにコードを与えるベースではない、別の何か、が生まれ、かつ、市場を席巻することが無い限り音楽の革命は生まれない。
もちろん、実験的で、革命的な音楽は常に生まれている。が、市場の現実は、ビートルズ、なまま。
革命的音楽も、売れて、フォロワーが続かない限りは、単に珍しい音楽で終わる。
未来を予想するのは難しい。
ビートルズ的音楽の世界を覆す、イノベーションが起こらないとは言い切れないが、正直、現時点、新しい音楽がビートルズ的音楽に代わって市場を席巻する気配や息吹は感じられない。
もしかして、もう音楽は進化しないのかも知れない。
どうだろうか?
自動車は、100年以上前に発明されてから、もの凄い進化したように感じるが、4本のまあるいタイヤを内燃機関またはモーターで回して走る基本構造は一切変わっていない。
ちなみに、近年の発明的なイメージのある電気自動車も、1890年代には既に実用化されている。と言うか、そもそも、モーターは、ガソリン機関より先に発明されている。
自動車は、物凄く変わっているようで、実は大して変化していない。
では飛行機は?
飛行機にとってのビートルズは、ジェットエンジンだろう。ジェットエンジンは、革命だったがそれ以降のイノベーションはない。
飛行機が発明され
ついに1941年には革命的なジェットエンジンの登場。
なんだが、これ以降は変化がない。
1941年のビートルズ、だ。
1952年に登場。
今も現役。
70年に渡り、細々とマイナーバージョンアップしながら、現役なのだ。
それだけではない。
なんと、現在、B52が設定している配備使用期限は、2052年だと言う。
なんと100年間も使用されるのだ。
もちろん、B52退役後には違う飛行機が出るのだろうが、ニーズを完全に満たすと、100年だろうが変化しない。
音楽は、どうなのか?
多分、自分自身は、新しい音楽の誕生に期待している訳ではないと感じる。
ビートルズ、なる枠の中で、様々なバリエーションが登場して、それがニーズを満たすのであれば、なんら不満はない。
ただ、新しい音楽が生まれ、それがビートルズを過去のモノにするのであれば、それは、それで良いのだろう。まあ、なんせ、新しい音楽をまだ耳にしてないからねえ。
個人的に新しい音楽ってこんな感じ?とイメージするのは、
これは、凄いセンスだ。
新しい音楽の在り方を示してくれているのかも知れない。
しかし、一方で、、、、。
やっぱ、これやねー。