不思議な生き物「テドゥウ」の話・・・≪【童話】≫・・・ -8ページ目

不思議な生き物「テドゥウ」の話・・・≪【童話】≫・・・

ときどき童話をUPするので、読みに来てね。
よろしくぅー


今日から運動会(うんどうかい)の練習(れんしゅう)が始(はじ)まりました。

しんちゃんは、走(はし)るのがとても嫌(きら)いです。

なぜ嫌いかというと、いつもビリだからです。

クラスで一番 おそいのです。

いっしょに走った友達がゴールしてからも、一人であとから走るので、

何人かの友だちに

「おい。歩くな」

「カメよりおそいぞ」

と、からかわれることもあります。

もちろん、

「がんばれ」「足を高(たか)く上げると速(はや)く走れるよ」

とか

 「ももをしっかりあげて」

と、応援(おうえん)してくれる友達(ともだち)もたくさんいます。

けれど、みんなと離(はな)れて後(うし)ろからついていく自分(じぶん)の姿(すがた)がたまらなくいやなのです。

だから、

おそいのがいやなのです。

走りたくないのです

しかも、ふだんから走らないと決めているところもあるのです。

つかまえやかくれんぼをしていて鬼(おに)になってもゆっくりとしか走らないのです。

全力で走りたくないのです。

でも、心のどこかで「早く走れるようになりたい」とも思ってるのです。


ある日の放課後。

しんちゃんが砂場(すなば)でひとりで遊(あそ)んでいると低学年(ていがくねん)の子が何人(なんにん)かでかけっこをしています。

五・六人で交代(こうたい)ごうたいに競争(きょうそう)しています。その中にいつもビリの子がいます。でも、その子は交代(こうたい)しないで、ずっと走っているのです。

「あんなに走ったら、よけいに疲(つか)れてもっと おそくなるなぁ」と思(おも)って見ていました。

すると、その子がしんちゃんの近(ちか)くに来て「おにいちゃん。どうしたら早く走れるの。教(おし)えて」と、聞(き)いてきました。


てどぅうのブログ-undoukai

(じつ)は、この子はテドゥウだったのです。

テドゥウとは、リスににた生(い)き物(もの)で、子どもがこまったり悲(かな)しんだりすると角(つの)で感(かん)じ取(と)り、近(ちか)くに現(あらわ)れて何(なん)とか解決(かいけつ)しようとする生き物です。姿(すがた)を消(け)したり空(そら)を飛(と)んだり、今回(こんかい)のように姿(すがた)を変(か)えることもできます。

しんちゃん以外(いがい)の子どもには見えません。声(こえ)も聞こえません。どこかで水の流(なが)れるような音(おと)がするだけです。

しんちゃんは、先生(せんせい)や友(とも)だちの言葉(ことば)を思(おも)い出して、

「足を少(すこ)しでも前(まえ)のほうに出(だ)してごらん」

「つまさきでけって、すぐに足を曲(ま)げてごらん」

「ふとももを高く上げてごらん」

「太(ふと)ももをあげるとき、はやく上げてごらん」

「太ももを胸(むね)につけるようにして歩(ある)く練習(れんしゅう)をしてごらん」

と、いつも言(い)われていることを全部(ぜんぶ)(おし)えてあげました。

すると、

「ね。お兄(にい)ちゃんもいっしょに走ってくれない」

とせがまれました。

しんちゃんは、しかたなくいっしょに練習(れんしゅう)することにしました。

毎日(まいにち)、放課後(ほうかご)になるとその男の子はしんちゃんを待(ま)っていっしよに走ります。

(はじ)めは、その男(おとこ)の子より少(すこ)しはやいしんちゃんでしたが、一週間(いっしゅうかん)もするとずいぶんはやくなり、ゴールして男の子を待(ま)つくらいになりました。

そして、一ヶ月後(いっかげつご)、運動会の日です。

しんちゃんは思いっきり走りました。

一等(いっとう)にはなれなかったのですが、ビリから二番(にばん)でした。友達(ともだち)といっしょにゴールできました。

しんちゃんは生まれて初(はじ)めて走ることの楽(たの)しさを知(し)りました


(あお)く晴(は)れた空の上で、テドゥウがニコニコしてしんちゃんを見ていましたが、しんちゃんの笑顔(えがお)を見ると山のほうに飛(と)んでいきました。


                 カットは,ポックルさんです。

おしまい


おんぶ


「おんぶしてぇー。おんぶしてぇー」

ぼく目の前歩く、三才くらいの男の子おじいさんにおねだりしています。


おじいさん大きなカバンを重(おも)たそうに持っています。


おんぶしたくてもできません。おじいさんは困(こま)ったように男の子の方に目をやりました。

よく見ると、男の子の足首(あしくび)から血(ち)が流れています。

「もう少し、もう少し。もう少し歩いたらお母さんのところに着(つ)くから。がんばって歩こう。さっ、しんちゃん」

しんちゃんと呼(よ)ばれた男の子は、ぼくの方をちらっと見て、しぶしぶ歩きだした。


「だいじょうぶ。血が出てるよ。おじいさん。ぼくがおんぶしてあげようか」


「おや、ぼく。親切(しんせつ)にありがとう。大丈夫(だいじょうぶ)。ちょっとバラのイバラにひっかけただけだから。さっ、しんちゃん。行こう。母さんが待ってるよ」

ぼくの言葉(ことば)に、しんちゃんという男の子が、


「いたいよう。歩けないよう。おんぶぅー」


と言いだして、また、止(と)まってしまいました。おやおや。親切に言ったつもりなのに、おじいさんをさらに困らせてしまいました。


おじいさんも、困ってしまって、
「ぼく、悪(わる)いけど、この荷物(にもつ)を持(も)ってこの先(さき)のお店(みせ)までついてきてくれないかい」

そう言うと、茶色(ちゃいろ)の大きいカバンをぼくに差(さ)し出した。


「はい。持ちます」

ずしんと重いカバンを受(う)け取(と)ると、おじいさんの背中(せなか)におんぶしてもらって喜(よろこ)んでいる男の子に向(む)かって、


「ぼく。よかったね」

「しんちゃん。おにいちゃんにお礼(れい)を言いな」

「ありがと」

 小さな声(こえ)でした。
  

「これ。しんちゃん。大きい声で ちゃんとお礼を言いなさい」

「あっ。いいです」

とっさに、ぼくは言いました。


これを、空の上から見ていた者がいました。


テドゥウです。テドゥウ親切(しんせつ)にしたつもりの「ぼく」の頭(あたま)の中に呼(よ)びかけました。



不思議な生き物「テドゥウ」の話・・・≪【童話】≫・・・-おんぶ


『おじいさんは、本当(ほんとう)に助(たす)かったのかな

 男の子は、がまんできなかったのかな

 本当の親切(しんせつ)は、どうすることなのかな』

と。「ぼく」の頭(あたま)の中に話しかけました。


テドゥウとは、リスのような姿(すがた)をしてますが、姿を消(け)して空を飛(と)ぶことができる不思議(ふしぎ)な生き物です。子どもが困(こま)ったり悩(なや)んだりするとすぐそばに来てくれます。



(おも)い荷物(にもつ)を持(も)ちながら、ぼくは、

『おじいさん。カバンより重い男の子をおぶってる。

 しんちゃんは、このことで、あまえんぼうにならないだろうか。

 しんちゃんに「がんばれ」と言えばよかったのかなぁ』

と、つぎつぎと、今回(こんかい)の自分の親切(しんせつ)にしたつもりの行動(こうどう)を思い返(かえ)していました。



「ぼく。ありがとう。ここでいいよ。重っかったでしょう」

おじいさんから声をかけられてハッとしました。



「ぼく。ありがとう。しんちゃもお礼(れい)を言いなさい。もう、わがままでしょうがいの。ごめんなさいね」

お母さんらしき人からもお礼を言われました。



「いいえ。ぼくが、よけいなことをしたために、かえっておじいさんに迷惑(めいわく)をかけて、すみませんでした」

そう言うと、ぼくは、走ってその場(ば)から離(はな)れました。

後ろから

「ありがとう」

とかわいい声がしていました。




おしまい


カットはポックルさんです。

(か)


夏になるとが出ます。

しんちゃんはが大きらいです。


今日は、友だち三人と近くの川にメダカをとりに行きました。

四人とも、半そで半ズボンでスリッパをはいて行きました。


夏でも川の水は冷(つめ)たくて気持ちがよく、足を下流(かりゅう)に押()し流(なが)そうとします。


しんちゃんがメダカとりに夢中(むちゅう)になっていると、

ちく!

(くび)の後(うし)ろをに刺()されました。

「いたっ!・・・かゆいっ!

しんちゃんは、かゆいのとくやしいので、そのをやっつけようと、メダカとりをやめてを追()いかけはじめました


夏の空は、どこまでも晴れていて気持のいい風がふいています。


友だち三人は、しんちゃんがを追()いかけていくのを見ていました。


もうひとり、空から見ていたものがいました。



それは、姿(すがた)を消()したテドゥウです。

テドゥウとは、リスに似(に)ていますが、手が長く羽(はね)が生(は)えていて人間の子どもを守(まも)る生き物です。


テドゥウは、少(すこ)し未来(みらい)のことを予知(よち)することができるのです。

予知(よち)とは、これから何が起()こるかを見ることのできる力です。


つるん! すってーん。バシャン。

川の中の石は滑(すべ)りやすいのです。

おやおや、転(ころ)んでしまいました。


「しんちゃん。だいじょうぶ?

友だちが心配(しんぱい)して声をかけました。


それでも、ずぶぬれのまましんちゃんは、を追いかけて土手の上の歩道に出ました。


そして、・・・てどぅうのブログ-蚊1c


そのとき、テドゥウはしんちゃんを空の上に引()き寄()せました。

「うわああっ!」

しんちゃんは、空から下を見るようなかっこうになりました。



下を見ると、しんちゃんが(か)に夢中(むちゅう)になって、走って車道(しゃどう)に出ようとしています。


「あっ。あぶない!」



しんちゃんは、空の上から下にいるしんちゃんに叫(さけ)びました。




と、そのしゅんかん。しんちゃんは、川の中で蚊に首を刺()されていました。


「いた!」



首がかゆくなりました。が、しんちゃんはを追いかけません。

に夢中(むちゅう)になってどんな災難(さいなん)がふりかかるか分からないからです。


車にはねられるかもしれません。


しんちゃんは、今のは何だったんだろう。と考えようとしましたが、だんだんその記憶(きおく)がうすれていきました。


てどぅうのブログ-蚊2c

すずしげな夏の川で、子どもが四人楽しく水遊(みずあそ)びをしています。


その頭(あたま)のはるか上で、テドゥウが子どもたちを見下(みお)ろしています。しばらくすると安心(あんしん)したかのように山のほうへと帰(かえ)っていきました。


おしまい


カットはポックルさんです。

テドゥウ現れる



 

みなさんは「テドゥウ」という生き物を知っていますか?ふだんは目に見えないのです。

でも、子どもが好きで、いつも子どもの近くにいます。

もし、離(はな)れた所にいても、子どもがこまったり悲(かな)しんだり苦(くる)しんだりしていると、その体や「心の痛(いた)み」を察知(さっち)して(気づいて)すぐそばに来てくれるのです。

 そして、なんとかしてその子どもの「心の痛み」が和(やわ)らぐように、そして、なくなるように考えてくれる生き物なのです

「テドゥウ」の姿(すがた)かたちはどんなものかというと、少しリスに似ています。手が長く羽(はね)が生えていて人間の子どもを守(まも)る生き物です。 
てどぅうのブログ

テドゥウは、少(すこ)し未来(みらい)のことを予知(よち)することができるのです。

予知(よち)とは、これから何が起()こるかを見ることのできる力です。

しかし、・・・おっと,くわしくは、これから始(はじ)まる物語(ものがたり)の中で紹介(しょうかい)していきましょう。

 みなさんも、やさしい「てどぅう」に会えるといいですね。