中1の孫娘は定期テストの1ケ月前くらいになると、週末私の家に英語の勉強にやってきます。彼女が中学に進学する頃、数学を教える塾を探していた彼女の父親(つまり私の息子)に、私が講師をしている塾には良い先生がいるよと話したことから、体験授業を経て通うようになりました。「英語はどうするの」と聞いたら「じいじに教えてもらうよ」と笑って答えていたので、1学期の期末試験を1ケ月後に控えた6月上旬に、私の方から本人に「良かったら一緒に試験範囲の復習をしてみる?」というメールを送りました。すると「ぜひぜひ!」と返信があったことから、今に続くルーティンが始まった次第です。

 

彼女はさいたま市の公立中学に通っているので英語(GS)の教科書は開隆堂の Sunshine です。試験範囲はまだ出ていませんが、学年末なので Program 8~10 になることは間違いありません。文法では、現在進行形、過去形(規則動詞、不規則動詞)、過去進行形がテーマとなります。今回の勉強会は先週の日曜日から始まったのですが、まず私が最初に質問したのは「進行形ってどんな形なの?」でした。これには「be動詞+動詞のing形」と答が返ってきました。"ing形” と答える生徒を数多く塾で見て来たので取りあえずホッとしました。実際、用意した練習問題をやってもらっても正しく対応できていました。

 

教科書の学校の授業でやったところとこれからやるところを見ていたら、"and" がやたらと目につく頁がありました。

 

 

そこで「and ってどういう意味?」と聞くと「そして」と答えます。たしかにそれはそれで間違ってはいませんが、いささか汎用性に欠きます。せっかくこれだけの "and" が教科書に出ていたので、「”A and B” という場合には、Aも B も同じようなものを and が結んでいるんだよ。名詞と名詞、形容詞と形容詞、文(正確には節)と文のように。」と説明しました。そして「B を見れば A が何かは判断できるよ」 とも。そこで、実際このテキストの and が何と何を結んでいるかを一つ一つ確認してみました。

 

forests and lakes (複数形の名詞)

saw … and relaxed …  (動詞の過去形)

take … and <then> jump … (動詞の現在形)

Moomin and Santa Claus (固有名詞) 

bitter and salty  (形容詞)

 

三つ目は <then> という副詞が入り込んでいますが、必ずしも and の直後の単語が B になるわけではないことを示す一例です。そして五つ目について、"bitter and salty" が修飾する candy を含む全体に不定冠詞が一つ付いていることを指摘すると「分配法則だね」と、数学が得意な彼女らしい反応がありました。たしかに、数学で習う分配法則(a+b) c = ac+bc は (bitter and salty) candy と同じ関係です。それはともかくとして、この頁には and の基本機能を伝えようとする教科書制作者の意図が込められているように感じられました。

 

勉強会はリビングのダイニングテーブルに孫娘と私が座ってやります。向こう側にはソファに座った妻が本を読んだりゲームをしたりしていますが、ときおり私たちの会話に加わる事もあります。そういう意味では、私たち老夫婦にとっての楽しい時間でもあります。10年前に私が塾の講師になったきには想像もしなかった風景です。