先週の土曜日から塾の冬期講習が始まりました。今年度は二人の大学受験生を受け持っていますが、両名とも講習期間中のコマ数追加がないため、今年は他の生徒も含めていつも通りの授業となる予定でした。ところが、金曜日に体験授業を担当した生徒が通塾を決め、しかも講習期間中に4コマの授業を入れたことから、少しだけ忙しくなりました。

 

新しい生徒は中1の女子生徒で都内の中高一貫の私立校に通っています。使っている英語の教科書が New Treasure と聞いて彼女の学校の英語教育レベルが何となく分かりました。この教科書を採用している学校の中学生をこれまで何人か担当したことがありますが、中学3年間で高校1年までの内容を終えてしまうくらいの進度の速さとレベルを持つテキストです。英語の学び始めにはただでさえつまづく生徒が多いことを考えると、New Treasure の進度の速さについていけない生徒もいて当然です。

 

2学期期末試験の英語のテスト結果が芳しくなく、冬休み明けに再試験を受けることになったのが塾の扉を叩いた理由だそうです。体験授業では、「"I" ってどういう意味?」「進行形ってどんな形?」という私の質問に、「私」「ing」という答えが返ってきたことで彼女の問題が見えてきました。そして生徒自身も、"I" は「私」ではない 、「進行形は "be動詞+~ing” という形」といった説明をしていくうちに、自分の理解に欠けていたものに気付けたようでした。

 

期末試験の解答用紙を見せてもらうと、現在進行形に書き換える問題では "見事に" be動詞が抜け落ちていました。その一方で、swim や run はそれぞれ swimming, running のように語尾の子音を重ねて ing をつけることには正しく対応できており彼女なりの努力の跡が伺えました。

 

それにしても、中1の2学期までに不規則動詞を含む動詞の過去形や「現在進行形」はもとより「過去進行形」も履修してしまう進度の速さには驚きます。期末試験の解答のなかには be動詞と一般動詞の混在が見られるなど、それ以前に習った項目の中にも十分に整理できていないものがあるようです。しかしながら、授業中のやり取りではこちらの言うことにきちんと耳を傾け、積極的に発言もしていました。こういう基本的なことができる生徒は伸びる可能性を秘めています。そして出来ることなら「大嫌いです」と言っていた英語がいつか「面白い」ものになってくれたらと思います。