大阪大学2003年度の過去問にこんな語句整序問題がありました。大問2(長文総合問題)の設問の一つとして出題されていました。

 

 

経済活動においては air/water などの自然資源には値段がつかないという前段の議論を受けた第6パラグラフの冒頭に置かれた文の並べ替え問題です。生徒の解答は次のようなものでした。

 

what if we did put a price tag on (things like clean air and water?)

 

一瞬私は we did が did we ではないかと思いました。疑問文なのだから …。しばし考えて思い直しました。そうです、疑問は what から来ているのであって if 節は疑問の前提にすぎないのでした。したがって、What (would happen) if ~ 「もし~だったらどうなるだろうか」という省略を考えるべきでした。そうなると本問での did の扱いは "強調の do" の過去形となる生徒の答が正解でした。

 

彼女は What if ~では ~に平叙文(つまり疑問文でない形)が来ると覚えていたそうですが、何故そうなるかまでは考えていなかったといいます。一方の私は、What if ~ が「もし~だったらどうなるだろうか」という意味は知っていたものの、~ に置かれる文の形にまでは意識が及んでいませんでした。おそらく what if を最初に知ったのが what if games だったからなのかもしれません。いずれにせよ、今回は生徒に教えられた思いがしました。

 

ちなみに、疑問文なのに語順が疑問文でない形が来る、という意味では How come ~?も同様です。

 

How come you didn't call me back?

どうして折り返し電話をくれなかったの。

 

Why didn't you call me back? の書き換え問題でよく見かける How come ですが、こちらも How does it come about that ~ に由来する省略形のようです。