私が "attend" という英単語を覚えたのは、海外駐在員になりたての30年ほど前のこと。当時の責任者から「今日、日本からお客さんが来るので "アテンド" をお願いします」と言われたときだったと思います。色々とお世話してください(look for)という意味でした。 

 

塾の講師となった今であれば、attend は enter や approach などと同様、注意すべき "他動詞" のひとつとして真っ先に思い浮かびます。「~に出席する」、「~に入る」、「~に接近する」 という日本語からは何となく前置詞が欲しくなってしまうからです。そんな多義的な attend ですが、今日の正誤問題ではまた別の意味が問われていました。

 

 

生徒は消去法で正解の エ を選んでいましたが、何故そうなるのかまでは分からなかったようです。この場合、もし attend が他動詞だとすると ”are attended” は受動態なので、”all claims from clients(顧客からの全ての要求)" が 「出席される?」、「お世話される?」ことになって意味が通らないからです。実は、自動詞の attend には "attend to" と形で 「~に対応する」 とか 「~を注意して聞く」 といった意味があります。したがって、問題文の エ は are attened を are attended to にしなければならないというわけです。

 

ちなみに、「出席する」 や 「世話をする」 の attend の名詞形は "attendance" で、自動詞の attend の名詞形は "attention" です。後者は "pay attention to ~(~に注意を払う)” でよく見かける形なので生徒もすんなりと理解できたようです。