先頃、新垣結衣さんとの結婚を発表した星野源さんのエッセイ集 『いのちの車窓から』 の中に 「新垣結衣という人」 というタイトルの文章がありました。2016年後半に大ヒットしたテレビドラマ 『逃げるは恥だが役に立つ』 で共演した彼女について、収録中に星野さんが感心した 「普通」 のエピソードを幾つか紹介しながら、文章の末尾を 「あなたは本当に素敵な、普通の女の子である。」 と締めくくっていました。「(褒められるのが苦手だという)彼女が、クランクアップまでこの文章を読まないことを祈る。」 という言葉を添えて。

 

 

"逃げ恥" はもとより、掟上今日子の備忘録 といったドラマも含め、彼女の出演する番組を楽しみにしてきた "ガッキー" ファンの私にとって、今回の結婚報道は心から祝福できるものでした。"お似合い" のカップルだと思えたからだと思います。

 

星野さんが使った 「普通」 は、けして "ordinary" とか "common" とか "average" などで表現しきれるものではありません。「出しゃばらない」 という意味での "modest(控えめな)" とか、それでいて "considerate(気遣いのできる)" といったニュアンスが言外に込められているように感じます。コロナ禍で "当たり前" の有難さが身に染みる昨今、「平凡という非凡」 という言葉が頭をよぎりますが、「普通の女の子」 "ガッキー" に幸多かれと祈ります。

 

ちなみに星野さんは、同書において、「人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い。」 と書いています。結衣さんという素敵な "ベターハーフ" を得た彼が、これからどんな "車窓" を私たちに見せてくれるかも大いに楽しみにしたいところです。