大学受験の英文法・語法問題に 「紛らわしい形容詞」 の判別問題があります。たとえば、同じ "industry(産業)" という名詞から派生した形容詞でも、"industrial(産業の)" と "industrious(勤勉な)" のように語尾の違いによって意味が異なります。今日の授業では、英文読解のテキストに出て来た "continual noise in factories" というフレーズを題材に "continual" と "continuous" の違いを説明しました。

 

OALD(Oxford Advanced Learner's Dictionary)ではこの二つを次のように定義しています。

 

continual: occuring repeatedly all the time, always happening

continuous: going on without stopping or being interrupted

 

共に "continue(継続する)" という動詞から派生した形容詞ですから 「続いている状態」 を表すことに変わりありませんが若干ニュアンスが異なります。特に、"continuous" の "without stopping or being interrupted" の 「中断せずに」 がポイントのようです。雨を例にとれば、"continuous rain" が 「降り続く雨(止まない雨)」 であるのに対し、"continual rain" は 「長雨」 という感じでしょうか。後者は、全体として雨が続いている状態で、必ずしも降り続いている必要はないようです。OALD の定義でも "repeatedly" が使われています。

 

英語の時制の一つである 「進行形」 は "continuous tense (or progressive tense)" と呼ばれますが、「進行形」 のように、ある限られた時間のなかでの継続感を "continuous" は表す言葉なのかもしれません。"Karaoke" 同様、英英辞典にも載っている "kaizen(改善)" が

 

A Japanese business philosophy of continuous improvement of working practices, personal efficiency, etc. (by Oxford English Dictionary)

 

と定義されているのも頷けます。ここは "continuous" でなければ真意が伝わりません。

 

こうやって見てくると、きっかけとなった "continual noise in factories" は、工場から聞こえる作業や機械の 「断続的な」 音ということが了解できます。いささかマニアックな説明になってしまいましたが、生徒は納得してくれたようです。