塾の夏期講習が終わりました。8月については通常月の倍近いコマ数をこなしましたが、体調を崩すこともなく無事に終了できてほっとしています。来週からは塾の新学期が始まりますが、講習期間中にレギュラー以外で新しく担当した生徒の1人を継続して受け持つことになりました。中3の受験生です。この生徒は既に英検2級に合格しているというのですが、講習中にトライした私立高校の入試問題にはかなり苦戦していました。英検2級といえば 「高校卒業程度」 とされる英語レベルですからそのギャップには少々驚かされました。

 

夏期講習の授業は5コマしかなかったのでまだその全貌を掴みかねていますが、問題は 「英文法」 にあることは間違いないようです。おそらく、それなりの 「実践力」 は持っていると思うのですが 「理論」 が追いついていないという状況なのでしょう。象徴的だったのは

 

私は彼に会うためにそこへ行きました。

I went there                                                          .

 

という部分英作文の下線部に "to met him" と書いたことです。そしてもうひとつ、

 

I was very happy when I got the letter from her. 

I was very happy                                   the letter from her. 

 

という書き換え問題の下線部にも "to got" と解答していました。ともに 「副詞的用法」 の to 不定詞で対応することは分かったようですが、to の後には "原形動詞" が来ること、つまり <to + 動詞の原形> という形が "to 不定詞" であることを理解していなかったようです。ただ、両方とも過去形の文であると気づいていたことには 「時制心」 の存在を感じました。

 

先日、大学受験用の文法問題でこんな文を見かけました。

 

Study is necessary, and so is practice. The combination will give one the ability to communicate in a foreign language, but either of them alone will result in slow, incorrect speech.

 

下線部を四択から選ぶ問題だったのですが、ここでいう "Study" と "practice" を 「理論」 と 「実践」 の関係と捉えれば、「そのどちらか片方だけでは (either of them alone) ゆっくりとした不正確な話し方になってしまう」 は、まさにこの生徒に当てはまることといえます。

 

生徒本人も文法については不安を持っていたようなので、9月中に中学で習う英文法をざっと復習することで、「理論」 と 「実践」 のバランスはかなり是正できるような気がします。