週刊東洋経済は定期的に 「英語」 特集を組みます。読者の中心である現役サラリーマンにとって、英語が大きな関心事であることを反映しているのでしょう。今週号(2019/6/8)でも 『最短やり直し英語』 が特集記事となっています。
このなかで、大西泰斗(おおにし・ひろと)さんが書かれている 「文法、単語を心で理解 音読・暗唱こそ近道だ」 という記事は、塾で英語を教える私にとって大きなヒントを与えてくれました。具体的には、英語の理解が深まる基本文法2つのルール、という考え方です。
ひとつは 「基本文型は5種類」 です。これは、いわゆる "5文型" のことを指していますが、大西さんは各文型に次のような名前をつけて説明しています。
❶ 第3文型 (他動型) I got a fantastic present.
❷ 第1文型 (自動型) I got there at 3 o'clock.
❸ 第2文型 (説明型) The problem is what we should do if the plan fails.
❹ 第4文型 (授与型) My parents bought me an iPad.
❺ 第5文型 (目的語説明型) We call him Jimmy.
「文型は英文の基本設計図」 という大西さんは、ネイティブは基本文型から文の意味を判断する、と指摘されています。言い換えれば、「型」 が 「意味」 を生むということになります。私は生徒たちに、(単語の)意味にではなく、(文の)組み立てにもっと注意を向けるようにとよく言うのですが、この5種類の文型という見方によって、生徒に伝えるべきポイントが明確になったように思います。
そして、もうひとつは 「修飾方向は2種類」 です。"5文型" は文の要素である S:主語、V:(述語)動詞、C:補語、O:目的語、に関するものですが、それ以外の要素は 「修飾語(句)」 と括ることができます。そして大西さんは、修飾を 「ある語句について詳しく述べること」 と定義したうえで修飾関係を大きく 「指定」 と 「説明」 に分け
❶ 指定ルール:指定は前に置く
❷ 説明ルール:説明は後ろに置く
という2つのルールにまとめています。❶❷ はさらに以下のように具体的に説明されていますが、「前置用法」 「後置用法」 などの文法用語に比べれば、すんなりと頭に入ってきます。
❶-(a) 程度副詞: He is very tall.
(b) 形容詞: I bought a red sweater.
(c) 助動詞: He may be ill.
(d) 態度を表す副詞: As far as I know, John is the only one with a key to the safe.
❷-(a) 時を表す副詞: I had an amazing party last night.
(b) 現在分詞: There's a man waiting to see you in the lobby.
(c) to不定詞: Can I get a fork to eat this with?
(d) 関係詞修飾: That's the man who stole my bag! Stop him!
内容自体は私が授業で説明しているものと大きく違うものではありませんが、生徒に届く説明になっているかという意味では、今回の 「2つのルール」 には大変教えれられました。アインシュタインの箴言 を改めて噛み締めたいと思います。
If you can't explain it simply, you don't understand it well enough.
分かり易く説明できないとしたら、あなたがそれを十分に理解していないということだ。