PERSON of the YEAR 2025 ― The Architects of AI
1927年以来、TIME誌は毎年その年の"Person of the year" を選んできましたが、2025年の "顔" となったのは"The Architects of AI(AIの設計者たち)" でした。記事の中では、"no one had a greater impact thanthe individuals who imagined, designed, and built AI. (AI を構想し、設計し、そして作り上げた人々以上に大きな影響を与えた者はいなかった)" という選定理由に触れてはいるものの、表紙を飾る8人が誰なのかは言及されていませんでした。私が分かるのはイーロン・マスクとサム・アルトマンくらいだったので Gemini に尋ねてみたところ次の面々だそうです。❶ マーク・ザッカーバーグ (Mark Zuckerberg) • Meta CEO❷ リサ・スー (Lisa Su) • AMD 会長兼CEO❸イーロン・マスク (Elon Musk) • xAI / テスラ / SpaceX CEO❹ジェンスン・フアン (Jensen Huang) • NVIDIA 社長兼CEO❺ サム・アルトマン (Sam Altman) • OpenAI CEO❻デミス・ハサビス (Demis Hassabis) • Google DeepMind CEO❼ ダリオ・アモデイ (Dario Amodei) • Anthropic CEO❽ フェイフェイ・リー (Fei-Fei Li) • スタンフォード大学 人間中心AI研究所 (HAI) 共同所長また表紙の奇抜なデザインは、写真家ジェシ―・ニューマンが撮った摩天楼の頂上でランチ(Lunch atop a Skyscraper)を模したものとのことでした。記事には主要なAI Companies 12社の一覧が掲載されていましたが、8人のうちの7人はこれらの会社のCEOでした。12社は大きく3つのカテゴリー・Model Builders・Computing Providers・Chip Buildersに分けられていますが、表紙に登場する7人の CEO の比率はそれぞれ 4:1:2 と、OpenAI を始めとする Model Builders が圧倒的です。もっとも、Gemini を有するという意味では Google も Model Builders の一員といえますが、それよりも AI システムが稼働するためのデータセンターがビジネスの中心という位置づけなのでしょう。また、Model Builders の Anthoropic と xAI は、もともとOpenAI にいた現在の CEO(ダリオ・アモディとイーロン・マスク)が AI に対する考え方の違いからサム・アルトマンと袂を分かつ形で新会社を立ち上げたという経緯があります。上記の3カテゴリーのうちの下部構造にあたる Chip Builders では、AI に不可欠なGPU(Graphic Processing Unit)とその上で動くCUDA(Compute Unified Device Architecture)というハードとソフトの両方を併せ持つNvidia が独り勝ちといった感じです。また、Computing Providers の中に Oracle という懐かしい名前があります。この12社の中では1977年創業の最古参企業ですが、私が会社勤めを始めた当時は「リレーショナル・データベース」の代名詞(製品名)でした。それがしぶとく生き残りOpenAI のパートナーとして AI時代にも存在感を示しているのには驚きました。表紙の8人のうち唯一企業人ではない研究者 ❽ フェイフェイ・リー氏は今回のTIME誌 に "AI's next frontier is here" と題する短い記事を寄稿しています。そこでは AI が人間に近づくためには "spatial intelligence(空間知能)" が必要だと述べています。ChatGPTで一躍有名になったLLM(大規模言語モデル)は AI の能力を飛躍的に高めましたが「言語」や「2次元画像」の世界に留まっています。AI が 3次元空間を理解し、その中で推論し、物理的な相互作用を行える能力(すなわち空間知能)を持つことが今後の課題だというのです。それが現実化した暁には、私たちの周りにどんな景色が広がるのでしょうか。彼女は同記事を次のように締め括っています。Almost a half-billion years after nature unleashed the first glimmers of sparial intelligence, we may soon endow machines with the same capability - and harness those benefits for people everywhere.自然が空間知能の最初の兆しを解き放ってからおよそ5億年を経た今、それと同じ能力を機械に授け、世界中の人々のためにその恩恵を役立てる日が近づいているのかもしれません。(拙訳)彼女はかなり明るい未来を確信しているようですが、機械に能力を授ける(endow)のは "we(私達)" です。それは私達が「神」になることを意味するのでしょうか。ふと、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の著作『ホモ・デウス』を思い出しました。デウスは神です。まだ読んだことのないこの本でハラリ氏が人類の未来をどのように考えていたのか改めて知りたくなりました。ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来 ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来Amazon(アマゾン)