rage bait
今日(2025/12/2)の東京新聞朝刊のコラム『筆洗』で rage bait という単語を知りました。英国のオックスフォード辞典が選んだ今年の言葉で、「人の怒りや反発を意図的に狙った(挑発的な)コンテンツや表現」を意味するネット用語だそうです。rage(怒り)と bait(餌)からなる合成語です。BBC も 'Rage bait' named Oxford word of the year 2025という記事で紹介しています。このなかにある "Even if you don't know the term, if you're a social media user, it's quite likely you have been rage baited.(たとえあなたがこの言葉を知らなくでも、SNSユーザーだったらこれまでに引っ掛かったことがある公算はかなり高い)" という一文から、現象が先にあってそこに言葉が当てられたことが分かります。英辞郎によれば「ウェブページの閲覧者にクリックしてみる気にさせるリンクやバナー広告」を clickbait と呼ぶそうですが、記事にある通り rage bait もクリック数稼ぎが目的だとしたら「わざと人を怒らせて金もうけとはくやしい時代である」と思わざるを得ません。エーリッヒ・フロムは、著書愛するということ(The Art of Loving)のなかで、「購買欲」とたがいに好都合な「交換」という考え方の上に成り立っていた当時の社会における「愛」のあり方を考察していましたが、「怒り」すらも金もうけの道具にされている今の社会を見たら一体どう思うのでしょうか。