ご無沙汰しておりました、代表の門馬優(もんまゆう)です。
気付けば、第3フェイズも先日の出張授業で折り返し地点を迎えました。
第1~3フェイズまで、合わせて出張した回数は実に25回を数えます。
生徒数も毎回、少しずつ増えており、今では合計3ヵ所で20人近くの生徒さんと一緒に勉強しています。
避難所生活からの付き合いになる生徒さんもいて、かれこれ10か月近くになりました。
また、各種メディア(朝日新聞、NHK、石巻日日新聞など)でも取り上げていただく機会が少しずつ増えてきました。
こうして、立ち上げから9か月近く経ってもなお、活動を続けることができているのは、支えてくださっているサポーターの皆様、毎週現地で温かい授業を展開してくれているチューターのみんな、中心として奮闘してくれている事務局のみんな、僕たちに元気を与えてくれる生徒のみんな、保護者の方々のお蔭です。
この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
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先日、TEDICで一緒に勉強しているある生徒:Aさんの保護者の方と、お電話する機会がありました。
Aさんとは、震災直後の5月に出会いました。
「表情が固い」というのが最初の印象、人見知りなのかなとか緊張しているのかなど、いろんな想像を巡らせていましたが、結局それから1か月近く、ほとんど笑顔を見せることはありませんでした。
Aさんが、この震災で大切な家族を失っていたことを知ったのは、それから2か月ほど経った時のことでした。TEDICでは、定期的に保護者の方と手紙のやり取りをしています。手紙には、こんな一文が添えられていました。
「TEDICの先生方のおかげで、少しずつ家族の前でも笑顔を見せるようになりました。精神的な部分は、専門外とは存じますが、これからも温かいご指導をお願いします。」
それから、毎週のようにAさんとは一緒に勉強し、最近では冗談を言って来たり、チューターにちょっかいを出してきたり、表情も柔らかくなってきたように感じています。
そんなAさんの保護者の方から、昨日の電話でこんな言葉をいただきました。
「最近、TEDICに行くことを楽しみにしているみたいなんです。もしかしたら、お兄ちゃんやお姉ちゃんができたような、そんな気になってるのかもしれませんね。先生方の話を、毎週帰ってきて必ずするんです。『今日はこんな人が来たよ』とか、『こんなとこを褒められたんだよ』とか。お兄ちゃん、お姉ちゃんと話ができることを、本当に楽しみにしてるんです。家族を失ったことを、先生方と会うことでフラッシュバックするんじゃないかって、正直心配な部分もあったんです。でも、その事実からは逃げられないし、一生向き合っていかないといけない。強く、生きてほしいって思うんです。だから、先生方には安心して預けていますから。来年度も続くといいなって、家でも話していますから。」
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先日、TEDICのミーティングでは、『TEDICは何のためにあるのか?』という話し合いをしました。
TEDICのミッションは「震災によって奪われた教育機会の創出」と掲げられています。
でも、この教育機会という言葉の裏には、僕が想像できないような思いが詰まっています。
「勉強を通じて、自信をもってほしい」
「自分を気にかけている人がいるってことを、感じてほしい」
「笑顔でいてほしい、ただそれだけ。」
「安心して勉強できる居場所をつくりたい。」
「ちょっとでも、また頑張ろうって思ってもらえたら、それでいいかも。」
一人ひとりのチューター、一人ひとりの生徒、そして保護者の方々の思い。
『TEDICは何のためにあるのか?』という問いの答えは、
たくさんの思いと共に育まれているのだと強く感じた今日この頃。
まだまだ、試行錯誤、暗中模索の中、走り続けているTEDICですが、たくさんの思いに囲まれながら、これからも邁進して参りたいと思います。
今後とも、温かく見守ってください。よろしくお願いいたします。
代表 門馬優
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