漢方医は中国人のみならず、
ヨーロッパ人の先生など、
ウィーン市内に沢山いる。
私の知る限りでは保険の効く
漢方医はいない。
幾人かの漢方医にかかったが、
どこでもシステムは同じ。
症状を話し、舌と下瞼の裏を診察し、
脈を診る。
そして漢方薬を処方する。
市内にいくつかの漢方薬を扱う薬局がある。
患者が薬を受け取るのに
都合の良い薬局を選ぶ。
その薬局に先生が処方箋を送る。
薬局から薬の調合が終わると
患者に連絡が来る。
それを自分で取りに行く。
薬は粉薬で、食前または食間に
お湯で溶いて飲む。
薬の種類によって値段は違うのだが
3週間分で25ユーロから35ユーロの間
だったように思う。
中国から来る漢方薬は安全かと
先生と薬局の両方に聞いてみた。
EUの検査をクリアした薬のみを
扱っているので、心配はないと。
どちらも同じ答えだった。
私はがんの診断がおりた時から
分子標的治療が終わるまでの約1年間
漢方薬を服用した。
化学治療の妨げになってはいけないので
化学治療の前後3日には、服用を休止した。
私の主治医は、漢方薬も鍼も、
抗ガン治療の副作用を減らすのであれば
どうぞ漢方医の力も借りてください、
という意見であった。
漢方薬や鍼のおかげかどうかは
わからないけれど、
私の場合は、漢方薬を飲み始めて
2か月後から下痢と便秘がなくなった。
私がかかっていたウィーンの漢方医
Z先生は北京出身。
漢方薬の処方と鍼治療をしてくれる。
歳は40代前半。
はじめて診察を受けた時、
病気の話の後に突然、
メモ用紙に
「山口百恵」
と書いた。
「知ってますか?中国でとても人気です」
と笑って言った。
中国語での発音が私に通じないと思って
紙に書いたのだろう。
なんだか忘れられない。
