MBAからアメリカ就職活動 OPTからH1bまでの流れ | Wharton MBA留学からのアメリカNY就職

Wharton MBA留学からのアメリカNY就職

Wharton(ウォートン)、ペンシルバニア大学のMBAのため家族で移住。卒業後、なんとかニューヨークで職を見つけて、四苦八苦しながらも生き延びています。

MBA留学前からアメリカ就職を狙っていらっしゃる方もいらっしゃる方もいるかと思いますが、大半の方は帰国することを前提に留学するのではないでしょうか。ところが、実際に留学が始まってみると、アメリカには想像していた以上に展開の早いビジネスやその中での自分の成長・キャリアのチャンスがあることに気が付き、アメリカ就職してみたい!と気持ちが変わることは少なくありません。

 

私は、多くの同級生と同様、まさに上記のパターンでした。最終的にはNYの会社に就職することができましたが、英語が決してうまくない上、アメリカの就職事情もよくわからなかったために本当に多くの苦労をしました。僕の数々の失敗を踏まえ、簡単なTipsを書きたいと思います。

 

先に結論を書くと、

- アメリカ就職活動で最も重要なのはコネ。でも深いコネではなくて、応募前に1回話しているだけで全然違う。狙っている企業出身の同級生にメールを出してコネクション作りの突破口にするのがおすすめ。

 

- 1年目の1学期が最も重要。イベントや授業の負担はできるだけ抑えて、インターンシップのネットワーキングや面接練習に時間を投下すべき。2年間は長いので、インターンの内定が出てから、よく遊びよく学ぶのでも十二分に取り返せる。

 

-卒業後研修ビザ(OPT)で就業できるのは通常1年のみで、H1bの抽選に通らないとそれ以上滞在できない。採用企業はH1Bが取れなければ1年のみしか滞在できないインターナショナル生を避ける傾向強く面接すらできないことが多い。WhartonにはOPT STEMという3年間研修で滞在できるオプションがあり、その間に毎年H1bを受けることができるので、就職ではなんとか面接させてくれるところが出てくる。

 


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0、アメリカ就職の前提

アメリカの就活はコネが最も重要です。ただし、日本で言うような太いコネでなくてもよいです。同級生から適切な社員を一人紹介してもらえるだけでかなり有利になります。

 

例えば私の友人のケースです。ある会社の人事部にポストがないかメールしたところ返事が無いということがありました。そこで、その会社の内部を知っている同級生に話を聞いたところ、きっと君のような人を欲しがっているのはこの人だよ、ということで、ある担当役員に連絡してくれました。すると、その次の週には面接が行われ、2週間後にはフルタイムの内定が出ていました。一人でも、事前に個人的に話をしていないと面接にも呼ばれないというのはざらです。アメリカの同級生はその感覚で就職活動しています。

 

1、就職活動のタイミング
1年時のインターンシップ就活と2年時のフルタイム就活がありますが、インターンシップに全力を投じるべきです。特に、9月入学後、10-11月に時間を投資できると有利です。大半の同級生は、1年目と2年目の間の夏休みの行われるインターンシップでフルタイムのオファーを獲得します。逆に言うとこのインターンからの内定が取れないと、その後の2年生での就職はかなり厳しくなります。なぜなら、企業側からすればインターンでじっくり見極めてから採用を決めたほうが採用効率が良いため、その後のフルタイムのみの採用門戸は当然狭くしています。インターンでいい人材が取れなかったとか、直前まで採用可否が分からないとか、急に人材が必要になった、などの事情があります。もちろん、人気の投資銀行やコンサルは大半がインターンで決まります。

 

インターンの就活の勝負は10-12月の説明会の時期です。多くの同級生が同じ会社に応募するため、何も秀でるところがないとインターナショナル生は面接にも呼ばれないという可能性は非常に高いです。これには、企業側は説明会に参加していたかどうかや、社員・OBGから推薦があったかどうかを重視しています。いかに事前に人事部に自分の名前を知っておいてもらえるかが重要になります。私のおすすめのやり方は、その会社出身の同級生の話を聞くことです。もともと知り合いでも知り合いでなくても良いので、学内のサイトで検索してコーヒーチャットをお願いし、カバーレターにどんなことを書けばいいか、最もベストな就活方法は何かアドバイスをもらいましょう。多くの場合、社員の紹介やうまくすれば人事部に紹介してくれます。私もこの方法で、人事部の人を何人か紹介してもらうことができました。自分のライバルとなる同級生も多くが同じようなことをするので、早め早めに動き出したほうが、コーヒーチャットを快く受けてくれる可能性があります。

 

もちろんカバーレターには話を聞いた同級生、社員、人事部の名前を書いておきます。これがかなり効きます。

 

 

2、ビザ事情とMBAはどの学校がいいか?

アメリカ国籍がない生徒が卒業後アメリカで現地就職して働き続けるためにはどういうビザがあるのでしょうか。通常卒業後1年間は研修ビザ(OPT)で働くことができますが、それが切れる前に、H1bという就労ビザを取得することが一般的です。ただし、H1bを取得するにはスポンサー企業から内定を得たうえで厳厳正な抽選に通らなければいけません。

 

私の計算では、

大学卒業者枠の当選率が2018年で約36%、2019年で約29%です。

MBAなど大学院卒業者枠の当選率が2018年で約49%、2019年で約48%です。

MBA卒業後の研修ビザ(OPT) 1年のみ有効の場合は最大で2回、抽選を受けることができます。研修ビザ(OPT STEM) 3年有効の場合は最大で4回、抽選を受けることができます。

詳しくはこちら参照。

(参考)MBAを卒業し就職してH1bビザが取得できる確率

 

少なくない確率で落選しアメリカで働けなくなるということですので、企業側は採用リスクを考えてインターナショナル生の採用を見送る傾向が近年、強くなっています。はっきり言って超シビアです。一度インターンの内定が出ても、"あれ、ビザが必要なの?じゃあ内定取り消しね"という話も聞いたことがあります。

 

だから3年間滞在できる、STEM OPTが取れるWhartonはインターナショナル生の就職では非常に有利だということを入学してから知りました。STEMというのは本来理系の選考に付与される特権でしたが、WhartonのBusiness Analytics専攻(ビッグデータ等、統計を使ってビジネスの問題を解析)を選べば取ることができます。え、自由に勉強できないの?と思われる方もいますが、専攻をとるのは比較的簡単で、21単位中定められた6単位程度を取ればいいので、自分の興味に応じて、Entrepreneurship やFinanceとのダブルメジャーも十分可能です。僕も、Business Analyticsメジャーですが、あと0.5単位取ればEntrepreneurshipの専攻もとれるところでした。そして近年、マーケティングのトレンドは消費者の心を定性的にとらえるようなクリエイティビティからビックデータ等の統計(定量)分析にシフトしているため、今の仕事にもとても役立っています。

 

Business Analyticsについては以下外部ブログを参照ください。

http://kanaatwhartonmba.hatenablog.com/entry/2018/05/24/034245

 

3、私の場合

私の場合はインターンの就職活動に乗り遅れ本格的に就活したのは2年生に入ってからでした。50名程度の同級生とコーヒーチャットし、レジュメ200通程度送り、10社と面接し、最終的に内定が出たのはNYの会社1社でした。こちらを読んでくれたあなたは、私のような苦労をすることなく、すんなりとインターンからフルタイムと決めていってほしいと思います。笑

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就活一般論としては以下外部ブログを参照ください。

http://www.wharton-japan.net/archives/2387

http://kellogg-prospective.com/recruiting/