皆さん、こんばんは!
いよいよ、ラストに近づいてきました。小説「初恋」です。
多分、皆さんの思わぬ結末になると思います。一生忘れられない事は、楽しい事よりも
辛く、悔いの残る事の方が多いと思います。 では、今日もよろしく!
初恋 VOL.16
浩美とのデートを終えてから私はどうしても浩美を自分の彼女にしたくなった。憧れの先輩とやらに何とか勝ちたい!と思いそれにはどうしたらいいのかと悩んでいた。自分お気持ちは確実に浩美に魅かれている。浩美も1番ではないだろうが自分に魅かれている筈だと自分を勇気付けて今度のデートの時ははっきり告白しようと思っていた。だんだん浩美の事が毎日頭から離れなくなって行く、毎日彼女の事を考えるようになっていく、もう迷う事は無いはずだ!
もうすぐ夏休みを迎える頃、私は相変わらず塾のバイトを続けていた。浩美も学校の部活が忙しい中、遅れながらも塾に姿を見せていた。塾では親しそうな会話は出来ないが元気な姿を見る事は出来る。入院していた頃の不安定な精神状態は見る影も無く、今は毎日の生活、部活などに全力を傾けているようだ。塾では簡単な会話しか出来ないが見ていて充実した感じが受け取れた。しかし・・・進学の事は?どうなったんだろう?と思うものの今の浩美にはなんとなく聞けない、話題にしたくない。多分、進学問題を忘れようと部活に集中し自分を高めているのだろうと思うとわざわざ嫌な事を聞きたくないと思ってしまう。「でもそれでは本当の意味で彼女を助ける、力になる事にはならない」と私は思った。浩美には内緒で一度彼女の両親に会ってみようと思った。会って実際の進学の彼女の意思が伝わっているのかを確かめようと思った。
私はすでに夏休みに入った7月下旬、高校野球の夏の県大会の予選応援にOBとして参加していた。私も実は高校の時は吹奏楽部で高校野球の応援では甲子園まで行った事がある。この時期に応援演奏は現役部員だけでは物足りないのでOBの参加は大歓迎!試合のある日は必ず応援に行っていた。浩美の学校は早々と敗退したようですでに応援演奏はしていないようだ。後は秋の文化祭の演奏で3年生は引退する事になる為、3年間の集大成を成功させようと部活に一生懸命らしい。そんなある日に私は浩美の家を訪れてみた。まだ一度も会った事が無い両親になんて言って話を始めようか?迷っていたが、色々なバイトをこなし、接客対応には自信があった私は何とかなるだろうと勇気を振り絞って玄関のチャイムを鳴らした。すると女性の声で「はーい!」と返事!出てきたのは浩美にそっくり!「お母さん?」にしては若すぎる!「あのー私は浩美さんとそろばん塾で一緒の先生の助手の・・・」と言うと「あー浩美から聞いていますよ、私は姉の愛美です。今日は何か?浩美はまだ学校から戻っていませんが」と言われ私は「実は浩美さんの進学の事でご両親に聞いておきたいことが有りまして」お姉さんは「今は母しかいませんけど、いいですか?」「はい!結構です、お願い致します。」といってお母さんを呼んでもらった。浩美のお母さんが現れた。これもまた浩美にそっくり!意外と若々しい感じのお母さんだ。「いつも浩美がお世話になっています。あなたの事を浩美ははっきり言わないんですけど私には解ります。この前お弁当を作って出かけた相手はあなたでしょ?」と言われ部屋の中に案内された。部屋に入って早速浩美の事を話し始めた。浩美が帰ってくる前に済ませたかったからだ。「浩美さんは音楽、吹奏楽をやっていますが本当は音大ではなく幼児教育の方面に行きたがっている事をご存知ですか?」と問いかけるとお母さんは「ええ、浩美からも聞いています。私も主人も知っていますし全面的に反対はしていません。ただあの子の才能、将来を考えてアドバイスしているんです」と言われた「才能ですか?」と私は聞き返した。「ええ、あの子はピアノを習っているんですがかなりの才能だと先生から言われ是非音大に進んでその才能を開花させてやりたいと言うのが私たちの願いなのです」浩美の私が知らなかった一面だ!「親として子供の将来を考えるのは当然、まだ未熟で判断力も無い浩美に正しい道を教えるのも親としては当然ではないでしょうか?」とお母さんは言う。お母さんの言う事は正論だ!「さあどうしようか!?」私はお母さんを説得出来るだろうか?・・・つづく
初恋 VOL.17
私は浩美のピアノの才能の事は知らなかったので、少し説得するのに戸惑った。お母さんの言う事は浩美の将来を考えての事!しかし、私は「浩美さんが本当に納得して自分の将来、進みたい方向を後押しして応援してあげるのも親の義務ではないでしょうか?」と聞くと、お母さんは「それは当然!でもあの子はまだ判断が出来ない子供です。一時の気の迷いで自分の才能を生かせないなんてもったいないでしょう?」私は「しかし、その事で浩美さんは思いつめて病院に入院までしたのでは?」と聞くとお母さんは「あれはそれだけの事ではありません!私と主人の事であの子に辛い思いをさせた事が大きな原因なんです!主人が海外へ転勤になった時の事で少し言い争いがあったのをあの子に聞かれて思いつめたのかも知れません」本当にそうなのか?私はその内容までは聞けなかった。浩美は進学の事、両親の事で混乱して精神疲労を起こして入院したのか?お母さんは「私たちの事であの子に心配をかけて入院までさせてしまった事に本当に申し訳なく思っているの、だからなおさらあの子には将来の道を間違えなく進んで欲しいんです」と言われ少し涙ぐみながら訴えられた。「解りました、しかし本当はどうなのか浩美さんの気持ちをもう一度確認して頂けないでしょうか?そしてもう少し浩美さんと本音で話し合ってもらえないでしょうか?」と私はお母さんにお願いした。お母さんは「ボーイフレンドのあなたに言われなくてもちゃんと話してますよ、大丈夫です、あの子を愛してますから」と話に終止符を打たれてしまった。帰り際にお母さんから「あの子の話し相手にこれからもなってあげて下さい!主人が留守なので男の方との会話が無いんです。主人の変わりでは無いですけどお願いします」と言われ私は「解りました、浩美さんからはお兄ちゃんと呼ばれてますから任せて下さい!では失礼しました」と言って浩美の家を出た。
浩美が悩んでいる事は進学の事だけじゃなく両親の事も有ったのか?何だろう?と考えながら歩いていると後ろから呼び止める声がした。お姉さんの愛美さんだ!私は「何か!?」愛美さんは「先ほどは浩美の為にわざわざありがとうございます、浩美にあなたのような彼氏がいるとは知りませんでした、でも薄々感じていたんですけど!好きな人がいるって!」私は「僕は兄貴分で好きな人は別に居るらしいですよ」と否定した。愛美さんは「えーそうなのかな?私はあなたに間違えないと思ったのに?あの子にそんなに起用に男の人と付き合える事なんて出来ないと思いますけど」と言われて少し嬉しく感じた。「実は浩美の精神疲労の原因は進学の事もそうなんですけど、一番大きな理由は父なんです!浩美は小さい頃から父にすごくなついていて、何でも相談していたみたいなんです。その父が転勤で家に居なくなってしまった事が一番のダメージだったようです」「現に進学の事も父には相談して好きなようにしなさいと言われていたみたいなんですが、母はなんとしても音大に進ませたいらしく、父の言う事も聞きませんでした」「母は自分が昔、叶わなかった夢を私たちに託しているようです、音大に進んでピアニスト、教師など音楽の道に進ませたい!その事を私も浩美も良く解っているんです、私は音楽の道で何も問題なく今まで進んできました、浩美は小学生の頃から低学年の生徒の面倒を見るのが大好きで中学の頃は幼稚園にボランティアまで行っていました」と聞いて私はなんとなく浩美が悩んでいた訳が解ってきた。愛美さんは「浩美は一番話したい父が目の前に居らず、また母への思いやりから母の夢を壊すような事も言えずに、また、もし言ってしまったら母と父の仲が悪くなるのではないかと変な心配までしていたようです。あなたのおかげで私も浩美と母にもっと話し合うように言ってみる事にします!父とは電話でしか話せないので」と言われて私は浩美にも強い見方が出来た!と思い心強かった。お母さんを悪者扱いする訳ではないが、今は精神的に参っている浩美の力になろう!今度逢ったらこの事を踏まえて本心を確認してみようと思う私は・・・浩美にとってどんな存在?とまた考えてしまった・・・つづく
今日は、ここまでです! ありがとうございました!
