
座・高円寺「あしたの劇場」
こどもたちとの「みんなの作業場」での演劇ワークショップは、今年で3年目、ずっとやらせていただいて、とても刺激的で、ありがたい機会です。
発表会ではなくて、過程を重視していろんな発見を引き出すのがワークショップ。
そこに必要なのは、見事に『出来損なうこと』を恐れない強さ(笑)
それにしても、劇場の日曜日の子どもたちには、まいど大変鍛えられています。
今回は、これまでの作業とのリンク、春のイベントとの伏線などを折り込んで、「海の上の島に新しい国を作る」というお題で始めました。
国を作るには、土地、自然、住民、構築物、法律、統治機構、言語、インフラ、産業、習慣、文化・・・そういうものを決めていかなければなりません。
もちろんそれらは全部、子どもたちの自由な発想でつくっていくわけです。
その出来上がった、国の設定の上で、遊んで(演技して)みる演劇ワークショップなんですね。
まずは領土作り。
コーディネイターの北村さんの提案で、おおきなブルーシートを海に見立ててみました。
これが、音といい、色いい、とっても楽しくて、音は波の音だし、下にもぐってみると空にも海にも見えるんですね。
そして、その海の上に領土を作って行きました。
ルールも書いていきました。
3つの国(島)が出来て、の名前も決まりました。
今回無理を願いしてファシリテーターをやってもらった女優のいずみさんに、ダンスとストレッチも折り込んでもらいました。
ここで子どもたちのことで、また新しい気付きや発見があれば、そのあとの創作で活かせるわけです。
でも、ダンス以上に既にハードな鬼ごっこに「逃亡」されてしまいました。
次に、そこで起こるいろいろなストーリーを考えました。
願い事ポストに、みんなの願い事を投函してもらいました。
これらの国で起きる話は、みんなの願い事がなんでも叶う話になるみたいです。
ところが、領土問題が起きました。
扮装が始まり、元の王子が難民になりました。
ガチ勝負です。
機知と優しさがたくさん引き出せました。
そして、戦争(つまりは喧嘩)ですから、それぞれの国は、せっかく作ってきた美術的な造作物も、法律をかいた紙も、全部壊されてしまいました。
楽しく生きる(遊ぶ)ためには、自分の意見をどう調整するかということ、争いの原因も双方に正当な理由がって仕方のないこと、これは全く大人社会と同じ状況です。
たのしく遊びたい(生きたい)のに、思い通りにいかないとき、相手が羨ましくて、それで根底から破壊してしまったら、結局自分も楽しく遊べないんですね。
結局、相手をどう受け入れて、そこに自分の意見を混ぜていくか、の練習なんですね。
面子よりも実益。100点でなくても60点なら及第点ということで、受け入れることも大事です・
最後は、ここで作った話に登場するキャラクターの仮面を作って、みんなで演じて観る試みをしました。
最後に、ずっと使ってきた「地」としてのブルーシートの上で、いろんなストーリーをやってみます。
予定では、このブルーシートはとっても充実した「舞台美術」になるはずだったのですけれども、今回のワークショップでは、荒廃の町状態。
でもこれがワークショップなんです。
この「つわものどもが夢のあと」状態のブルーシートって、意図的に作ろうと思っても作れないものですから。
最後は、宇宙に飛び立って、真っ暗になった劇場に蓄光テープの星が光りました。
ボロボロになったブルーシートをみんなで見て、最年少の「神の鳥」に争いの無駄さを語って貰いました。(のつもりでした)
記念撮影は、じゃんけんで決まった王様の掛け声「フリー!」をチーズ代わりに叫んで終わりました。
「フリー」は、今回作った国の一つ、「自由ランド」の挨拶言葉です。
小学校2年生の、なんとも見事な即興です。
整理された体験教室にはない、見事な出来そこない感の中に、本当のクリエイティブな発見がたくさんありました。
みんなの作業場