
おすすめ度: ☆☆☆ (Good)
リチャード・ラグラヴェネーズ監督、ヒラリー・スワンク主演の「フリーダム・ライターズ (Freedom Writers)」 を日本行きの飛行機の中で観ました。飛行機の中だと、アナウンスなどで中断されたり、音声もあまりよくない状態ですが、この映画結構良かったのでちょっとブログに。余談になりますが、私はアメリカに長いので、人並みよりは英語は出来ますが、やはり映画の英語となると劇場で一回観て100%理解するのはなかなか大変。と言うかやっぱり不可能。自宅でDVD観賞時も、特に初めて観る映画の場合は英語の字幕をオンにして観てます。いつも字幕を読む訳ではありませんが、出ているとやはり理解度が違います。と言った訳で、飛行機の中の最悪の状態での観賞だったので、ひょっとしたら大いなる誤解をしてこのレビューを書いているかもしれませんので、ご了承を。
新任の高校教師のErin Gruwell (ヒラリー・スワンク)は1年生を担任になったが、彼女のクラスの生徒は落ちこぼればかり。彼女は教育指導に準拠した(生徒にとっては興味のない)授業を始めるが、少年ギャングの殺害事件が発生すると、もっと身近な題材で生徒とのコミュニケーションを密にしたいと思い始める…。
この映画を見て、「ああ、いいなあ」と思ったのは、ヒラリー・スワンクが生徒との交流を深めるために、ちょっとしたゲームのようなことをするところ。教室の真ん中に赤い線を引き、生徒を教室の窓側と入り口ドア側に立たせる。質問をする度に、自分に当てはまる場合は赤い線のところまで前に出る。当てはまらない人はその場に残る。最初はごく一般的な質問。もう質問の内容は忘れてしまったが、こんな調子だった。「兄弟のいる人。」「母親も働いている人。」その質問がだんだんプライベートな質問になっていく。「両親が離婚した人。」「過去に警察にお世話になった経験のある人。」
赤い線を隔てて両側に生徒はいるので、赤い線まで前にでると、反対側から前に出てきた生徒と向かい合わせになる。生徒はそれを見て「ああ、同じ環境にあるのは自分だけじゃないんだ」と思い始める。
質問は続く…。「ギャングに殺された友人・知人がいる人。」かなり多数の生徒が赤い線の前まで出てくる。顔を見合す生徒たち。「ギャングに殺された友人・知人が二人以上いる人。」後ろに下がったのはほんの数人。「3人以上いる人。」数は減ったものの、まだ赤い線のところにいる生徒たち…。彼らは落ちこぼれ、不良のレッテルを貼られているかもしれない。でも彼らも他の普通の生徒と同様、いろいろ過酷な状況に遭遇して悩んでいるのだ。それを受けとめてくれる大人(先生)がいなかっただけ…。
彼女の夫は最初は彼女の熱意に献身的だが、二人の時間がなくなっていくと、夫は次第に献身的な態度をとれなくなってくる。私が少し残念だなあ、と思ったのはこのサブプロットがじっくり描かれてないこと。監督は多分、学校の中でも外でも苦難と戦ってきた強い女教師像を出したかったのかもしれないが、これならば映画の本題である教師と生徒の関係にフォーカスして、このサブプロットは思い切って全てカットした方が良かったのでは、という気も少し。
でもヒラリー・スワンクはアカデミー賞に2度ノミネートされて2度とも受賞(しかも両方とも主演女優賞)という快挙の持ち主。この映画でもなかなかいい演技をしていたと思いましたし、上述のように教師と生徒の関係が密になっていくシーンには、なかなかジーンとくるものがあって、本当によかったですよ。
原作本は「The Freedom Writers Diary」というノンフィクションで、90年代の初めにカルフォルニアのロングビーチにある高校で実際に起こった出来事をベースにしているそうです。日本公開はallcinema.netによると夏頃の模様。